恋を歌う機械人形《アンドロイド》の感情

まつのこ

文字の大きさ
51 / 110

51

しおりを挟む
 ロイドはいつも通りの時間にスリープモードを解除した。同時にコーヒーの匂いを感じる。まるで嗅ぎ慣れたものが身体を起床させたかのようだ。

 急ぐ必要はないけれど、さっと身支度を整えたロイドは部屋を出てコーヒーがあるだろうリビングへと向かった。

 そこには、二人分の朝食と、コーヒーを淹れているアンディの姿があった。

「おはようございます、アンディさん」

「……おう。もう少しでできるから座っててくれ」

「ありがとうございます!」

 研究所が辺鄙な場所にあるため、敷地内には住宅棟がある。アンディは所長であるため、住宅棟の隣に自らが求める家の設備を入れていた。ロイドは客という形でアンディのすぐ近くの部屋を使わせてもらい、研究の一環として毎日一緒に朝食を取っていた。

 ベーコンエッグを乗せたトーストの隣に、湯気をくゆらせるコーヒーが並べられた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

敗戦国の王子を犯して拐う

月歌(ツキウタ)
BL
祖国の王に家族を殺された男は一人隣国に逃れた。時が満ち、男は隣国の兵となり祖国に攻め込む。そして男は陥落した城に辿り着く。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

リスタート 〜嫌いな隣人に構われています〜

黒崎サトウ
BL
男子大学生の高梨千秋が引っ越したアパートの隣人は、生涯許さないと決めた男であり、中学の頃少しだけ付き合っていた先輩、柳瀬英司だった。 だが、一度鉢合わせても英司は千秋と気づかない。それを千秋は少し複雑にも思ったが、これ好都合と英司から離れるため引越しを決意する。 しかしそんな時、急に英司が家に訪問してきて──? 年上執着×年下強気  二人の因縁の恋が、再始動する。 *アルファポリス初投稿ですが、よろしくお願いします。

何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか

BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。 ……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、 気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。 「僕は、あなたを守ると決めたのです」 いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。 けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――? 身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。 “王子”である俺は、彼に恋をした。 だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。 これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、 彼だけを見つめ続けた騎士の、 世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。

処理中です...