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3-6. 決闘は裏庭で
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ギギギー
ドアが開き、ドヤドヤと男が四人入ってくる。赤ラインの白シャツに金の装飾がついたジャケット、王国の騎士だ。
「ギルドマスターはいるか?」
班長っぽい男が横柄に声をあげた。
マスターは怪訝そうな顔をして答える。
「私がマスターだが……、何か御用ですか?」
「ほう、君がマスターか。それにしてもギルドというのは薄汚い所だな!」
班長は周りを見回し、馬鹿にしたように鼻で笑った。
シーンとしたギルドの中に声が響きわたり、不穏な空気が支配する。
「わざわざ、あざ笑いに来たんですか? 騎士様はずいぶんと暇なんですね」
マスターは淡々と返す。
「なんだ、子供までいるじゃないか。ここは保育所もやってるのかね?」
騎士たちはゲラゲラと下卑た笑いを響かせる。
マスターは大きく息をつくと、
「彼はこう見えてCクラス冒険者、頼りになる奴ですよ」
そう言ってヴィクトルの肩をポンポンと叩いた。
「子供にも頼らねばならんとは……、ギルドは大丈夫なのかね?」
班長は薄笑いを浮かべながらマスターをにらむ。
「か、彼を馬鹿にするのは止めてください! 王都の安全のためにも!」
ジャックが血相を変えて叫んだ。
「王都の安全? 子供が王都の脅威になるとでもいうのかね? ただのガキじゃないか!」
班長はバカにしたような眼でジャックをにらむ。
「主さまを侮辱するのは許されませんよ?」
ルコアが黒いオーラをゆらゆらと立ち上らせながら、班長をにらんだ。
「な、何だお前は! そんなにその子が強いなら見せてもらおうじゃないか!」
「弱い犬ほどよく吠える……。主さまのお手を煩わせるわけにはまいりません。まず、私があなた達を倒して見せましょう」
「はっ! 女、言ったな! 王国騎士を馬鹿にした罪は重いぞ、決闘だ! 叩きのめしてやる!」
にらみ合う二人……。
「ここはロビーです、決闘は裏でお願いします」
マスターはニヤッと笑って裏庭へと案内した。
◇
ルコアはスタスタと裏庭の真ん中まで歩き、くるっと振り向いた。銀髪がサラッと流れ、陽の光を反射してキラキラと煌めく……。
そして、カッと碧い瞳を見開くと言った。
「面倒だ、全員でかかってきな!」
騎士たちはお互いの顔を見合わせる。素手の女の子相手に一斉に斬りかかるというのはどうなのだろうか、と躊躇していたのだ。
「お前ら舐められてるぞ! 手加減不要! 叩きのめせ!」
班長が檄を飛ばす。
三人の騎士たちは剣をすらりと抜き、息を整え、中段に構えると、
「ソイヤー!」「ハ――――ッ!」「ヤ――――!」
と、掛け声をかけながらルコアに迫る。
ルコアはニヤッと笑うと、真っ青な瞳の中に青い炎をゆらりと揺らし、そしてキラリと光らせた。
「へっ?」「うわぁ!」「ひぃ!」
騎士たちは急に足を止め、驚き、混乱する。
そして、何もない斜め上に向けて必死に剣を振り回しはじめた。
「お、おい! お前ら何やってる!?」
班長は青い顔をして叫ぶ。
「ば、化け物だ!」「何だこれは!」「うわぁ止めろぉ!」
騎士たちは必死な形相で後ずさりながら、やみくもに剣を振り回す。
そんな姿をルコアはうれしそうに眺めていた。
そして、頃合いを見計らうと、右手を高く掲げ、パチン! と指を鳴らす。
「うわぁぁぁ!」「ぐぅぅ!」「くふぅ!」
騎士たちは絶叫して次々と倒れ、気を失ってしまう。
三人が口から泡を吹きながら、失禁し、白目をむいている姿はただ事ではない。やじ馬たちは唖然として無様な姿をさらす騎士たちを眺めていた。
班長はワナワナと身体を震わせ、剣をスラっと抜くと、
「貴様! 何をした! 怪しい術を使いやがって正々堂々と勝負しろ!」
と、吠える。
「単に幻覚を見せただけ。こんな初歩的な術にかかるなんて、騎士って日頃どんな訓練してるんですかねぇ?」
そう言ってケラケラと笑った。
「バカにしやがって! 死ねぃ!」
班長は顔を真っ赤にして剣を構えたまま突進し、ルコアに向けて鋭い斬撃を放った。
目にも止まらぬ速さで振り下ろされた美しい刀剣……。
キン!
なぜか剣は吹き飛ばされ、クルクルと回転しながら建物の岩壁に突き刺さり、ビィ――――ン! と振動音を放つ。
ルコアは微動だにせず、ただクールな微笑みを浮かべていただけだった。にもかかわらず、剣は勝手に弾き飛ばされたのだった。
「は!?」
班長は何が起こったか分からず、真っ青な顔で冷や汗を流した。
ルコアはニヤッと笑うと班長にゆっくりと近づき、耳元で、
「次、主さまを侮辱したら……、殺すわよ」
そう言って、しゃなりしゃなりとワンピースのすそをゆらしながら、ヴィクトルの方へ歩いて行く。
「主さま~、勝ちましたよ~!」
ルコアは無邪気に大きく手を振ってうれしそうに笑った。
ドアが開き、ドヤドヤと男が四人入ってくる。赤ラインの白シャツに金の装飾がついたジャケット、王国の騎士だ。
「ギルドマスターはいるか?」
班長っぽい男が横柄に声をあげた。
マスターは怪訝そうな顔をして答える。
「私がマスターだが……、何か御用ですか?」
「ほう、君がマスターか。それにしてもギルドというのは薄汚い所だな!」
班長は周りを見回し、馬鹿にしたように鼻で笑った。
シーンとしたギルドの中に声が響きわたり、不穏な空気が支配する。
「わざわざ、あざ笑いに来たんですか? 騎士様はずいぶんと暇なんですね」
マスターは淡々と返す。
「なんだ、子供までいるじゃないか。ここは保育所もやってるのかね?」
騎士たちはゲラゲラと下卑た笑いを響かせる。
マスターは大きく息をつくと、
「彼はこう見えてCクラス冒険者、頼りになる奴ですよ」
そう言ってヴィクトルの肩をポンポンと叩いた。
「子供にも頼らねばならんとは……、ギルドは大丈夫なのかね?」
班長は薄笑いを浮かべながらマスターをにらむ。
「か、彼を馬鹿にするのは止めてください! 王都の安全のためにも!」
ジャックが血相を変えて叫んだ。
「王都の安全? 子供が王都の脅威になるとでもいうのかね? ただのガキじゃないか!」
班長はバカにしたような眼でジャックをにらむ。
「主さまを侮辱するのは許されませんよ?」
ルコアが黒いオーラをゆらゆらと立ち上らせながら、班長をにらんだ。
「な、何だお前は! そんなにその子が強いなら見せてもらおうじゃないか!」
「弱い犬ほどよく吠える……。主さまのお手を煩わせるわけにはまいりません。まず、私があなた達を倒して見せましょう」
「はっ! 女、言ったな! 王国騎士を馬鹿にした罪は重いぞ、決闘だ! 叩きのめしてやる!」
にらみ合う二人……。
「ここはロビーです、決闘は裏でお願いします」
マスターはニヤッと笑って裏庭へと案内した。
◇
ルコアはスタスタと裏庭の真ん中まで歩き、くるっと振り向いた。銀髪がサラッと流れ、陽の光を反射してキラキラと煌めく……。
そして、カッと碧い瞳を見開くと言った。
「面倒だ、全員でかかってきな!」
騎士たちはお互いの顔を見合わせる。素手の女の子相手に一斉に斬りかかるというのはどうなのだろうか、と躊躇していたのだ。
「お前ら舐められてるぞ! 手加減不要! 叩きのめせ!」
班長が檄を飛ばす。
三人の騎士たちは剣をすらりと抜き、息を整え、中段に構えると、
「ソイヤー!」「ハ――――ッ!」「ヤ――――!」
と、掛け声をかけながらルコアに迫る。
ルコアはニヤッと笑うと、真っ青な瞳の中に青い炎をゆらりと揺らし、そしてキラリと光らせた。
「へっ?」「うわぁ!」「ひぃ!」
騎士たちは急に足を止め、驚き、混乱する。
そして、何もない斜め上に向けて必死に剣を振り回しはじめた。
「お、おい! お前ら何やってる!?」
班長は青い顔をして叫ぶ。
「ば、化け物だ!」「何だこれは!」「うわぁ止めろぉ!」
騎士たちは必死な形相で後ずさりながら、やみくもに剣を振り回す。
そんな姿をルコアはうれしそうに眺めていた。
そして、頃合いを見計らうと、右手を高く掲げ、パチン! と指を鳴らす。
「うわぁぁぁ!」「ぐぅぅ!」「くふぅ!」
騎士たちは絶叫して次々と倒れ、気を失ってしまう。
三人が口から泡を吹きながら、失禁し、白目をむいている姿はただ事ではない。やじ馬たちは唖然として無様な姿をさらす騎士たちを眺めていた。
班長はワナワナと身体を震わせ、剣をスラっと抜くと、
「貴様! 何をした! 怪しい術を使いやがって正々堂々と勝負しろ!」
と、吠える。
「単に幻覚を見せただけ。こんな初歩的な術にかかるなんて、騎士って日頃どんな訓練してるんですかねぇ?」
そう言ってケラケラと笑った。
「バカにしやがって! 死ねぃ!」
班長は顔を真っ赤にして剣を構えたまま突進し、ルコアに向けて鋭い斬撃を放った。
目にも止まらぬ速さで振り下ろされた美しい刀剣……。
キン!
なぜか剣は吹き飛ばされ、クルクルと回転しながら建物の岩壁に突き刺さり、ビィ――――ン! と振動音を放つ。
ルコアは微動だにせず、ただクールな微笑みを浮かべていただけだった。にもかかわらず、剣は勝手に弾き飛ばされたのだった。
「は!?」
班長は何が起こったか分からず、真っ青な顔で冷や汗を流した。
ルコアはニヤッと笑うと班長にゆっくりと近づき、耳元で、
「次、主さまを侮辱したら……、殺すわよ」
そう言って、しゃなりしゃなりとワンピースのすそをゆらしながら、ヴィクトルの方へ歩いて行く。
「主さま~、勝ちましたよ~!」
ルコアは無邪気に大きく手を振ってうれしそうに笑った。
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