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第0章(お試し版) 黒猫少女と仮面の師
06.眼帯の魔女
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早朝が過ぎ、徐々に昼が近づき、人通りも多くなりつつある街の大通り。
魔術で動く四輪車や二輪車、礼服姿の多様な人種達が隣を通り過ぎる歩道を、魔女とその弟子は歩いていた。
風変わりな出で立ちの彼女達に、傍を歩く市民がちらりと目を向ける。
しかし魔女達はそれらを一切無視し、平然とした様子で彼らの視界から離れていった。
「師匠……あの人はあのまま放置でいいの?」
歩幅の大きいアザミに、必死にちょこちょことついていくシオンが問う。
女らしい体系とは反対に、身長などはまだまだ小柄な弟子に、アザミは気だるげに横目を向ける。
「そうね、あとはコンドウが何とかするでしょう。というか、そういう契約で彼の依頼を受けたわけだし」
「でも師匠、コンドウ団長のところはほとんど男所帯なのに、大丈夫なのかな」
「それも含めて、あとはあの連中に任せてあるのよ。私の仕事はもうあれで終わりよ」
やや納得できないと言った表情で、シオンは自分の背後を振り向く。
組合はもう遠くにあり、保護した漂流者達も何処にいるのかわからない。何となく、中途半端な気がしてならなかった。
「…心配なら、あんただけで様子見に行けばいいわよ。あんたの言う通り男所帯だから、歓迎されるんじゃない?」
「ん……そうしよう、かな」
シオンはかつて一度だけ出向いた、コンドウと彼の元生徒達がいる騎士団の拠点の事を思い出し、げんなりとした顔で首を横に振る。
凄まじい男臭さと暑苦しさがあり、始終気分が悪かったことを思い出してしまった。
「…あの子がちょっと不憫。これから大変だろうに」
「大変なのはどこのどいつも同じよ……あの子は守ってくれる奴がいるだけまし、あんたがこれ以上気にする事じゃないわ」
「……師匠は相変わらず鬼みたいに厳しい」
前を歩く師からは、もうそれ以上漂流者について話すな、といった圧がビシビシと感じられる。
あからさまに、嫌々仕事をこなしたと言った雰囲気を感じ、シオンは保護された者達に心の底から同乗していた。
「―――さて、仕事の話はこの辺にしておいて、弟子よ……あんたはこれから試験だけど、準備はできているのかしら?」
不意に、アザミがシオンに尋ねる。じろりと横目を向け、嘘偽りを許さないというような鋭い目で睨むように問う。
シオンは師のその視線に、指で大きな丸を作って頷いた。
「ばっちり」
「……いつもいつも返事はいいけど、こうも安心できないのは、弟子の中であんたが一番ね」
弟子に向ける目を細め、深くため息をつくアザミ。
その職に就く者にとって、最初の障害といえるほど重要な試験が待っているというのに、全く気を張っていない。悪く言えば気が緩んでいる。
「言っておくけど、魔術士試験はそう単純なものじゃないわよ。試験官が見るのは成績だけじゃない……受験者の態度も評価に入れる。そんな調子じゃ即座に落とされてもおかしくはないわ」
自分が有している資格。魔術を使う者であれば、必ず所持することを求められるもの。
容易く相手を傷つける事もできる力である故に、それを扱う者には一定以上の人格と技量が求められる。審査は厳しく、使い方が巧いからといって難なく通れるわけではない。
アザミはそんな難関試験に挑もうとしている弟子を見て、再び大きなため息をついて目を逸らす。
明らかに信用してくれていない師に、シオンは咄嗟にムッと顔をしかめた。
「師匠が心配する必要はない。私は優秀だから、落ちる可能性なんて0に決まっている」
「そう言って油断している奴こそ、無残に叩き落とされて泣きを見る事が多いのよ。見てて滑稽よ、今のあんたみたいに調子に乗っていた奴は」
「油断なんかしてない……師匠の弟子である私が、この程度で躓く筈がない」
むん、と年齢不相応に育った胸を張り、鼻息を荒くするシオン。
アザミは心底呆れた表情で肩を竦め、一瞬口を開くものの、何も言わずにまた黙々と歩き出す。
「…まぁ、そうね。普通に学んで普通に対応していれば、落ちる事はまずないわね。あんた自身に何も問題がなければだけど」
「師匠は心配性……何も問題ないに決まってる」
「相手があんたじゃなきゃ、不安になんてなる筈ないんだけどねぇ…」
由来不明の自信を前面に表すシオンに、アザミはもう何も忠告をしない。
どれだけ注意しても、本人がまるで気にしないのだから、何を言っても無駄だと諦めてしまったようだ。
「これで晴れて私も一人前の魔術師……やっとこさ師匠と一緒に仕事ができる。早く行こう、師匠」
「そんなに急ぐ必要も、魔術が使える必要はないんだけどね…」
「でも使えた方が便利でしょ」
平坦な表情に、少しだけ得意気な色を混ぜてそんなことを口にするシオン。
すると、僅かにアザミは肩を震わせ、シオンにぎろりと横目を向け……しかし何も言わず、また無言で歩いていく。
一瞬感じた違和感に首を傾げつつも、シオンは置いていかれないよう、師の後についていった。
シオンにとってアザミ―――否、師という人物は〝謎の人〟だった。
この世に生まれ出でて十四年、物心ついた時には既に共にいて、決して短くはない時間を経て、決して少なくはない場所へ共に旅をした。
その旅の中で知ったのは、アザミが恐ろしく長い時を生きていて、多くの人々を助けてきていた事だった。
国に起きた騒動を鎮めるために尽力したり、あるいは暴虐を成す王を討ったり。
または恐ろしい病に苦しむ民を救ったり、戦火に苦しむ人々を守ったり―――一冊の本では纏まりそうにない程に膨大な冒険を続けているのだ、という。
夜の空のように艶やかな髪に、顔の半分を痛々しく隠した〝眼帯の魔女〟として。
多くの人が尊敬し、羨望する数々の功績を上げ、その名を知らしめている。
実際にその光景を見た事はない。
魔女が活躍したのは、自分が生まれるよりもずっと前だというし、当時に恩を受けた者も今現在ではほとんど生きていない。だが、正直言って事の真偽はどうでもいい。
そんな逸話を多く持つ、優れた能力の持ち主の側にいる事が、シオンには誇らしくて仕方がなかった。
しかし、師がなぜそのような事をしているのかを、シオンは何も知らないままでいる。
十年以上共にいて、別れる事など一度もなかったのに、魔女の旅の理由と目的について何も知らないのだ。
別に正体を疑っていたり、不気味がっているわけではない。
親と子でもない、兄弟でもない、祖父と孫でもない、血の繋がりなどあるとは思えないのに、人より多少好奇心が強く、手のかかる自分をここまで育ててくれた。
だがその事に大きな恩を感じながらも、やはり気になってしまうのだ。
何度も尋ねたが、はっきりと答えてくれた事は一度もない。何時も面倒くさそうにはぐらかされ、要領を得られたことがほとんどない。
今度こそ、と最近もしつこく問いかけていたが、それでも何も答えてくれなかった。
だから―――シオンは自身の成長を望んでいた。
一刻も早く一人前になって、師匠と共に仕事をしたいという想いが、現在のシオンの原動力となっている。
彼女の取り敢えずの目標こそが、いま彼女達が向かっている試験会場。
レイヴェル魔術学院という―――この国の中心地というべき、巨大な魔術師専門の教育施設だった。
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風変わりな出で立ちの彼女達に、傍を歩く市民がちらりと目を向ける。
しかし魔女達はそれらを一切無視し、平然とした様子で彼らの視界から離れていった。
「師匠……あの人はあのまま放置でいいの?」
歩幅の大きいアザミに、必死にちょこちょことついていくシオンが問う。
女らしい体系とは反対に、身長などはまだまだ小柄な弟子に、アザミは気だるげに横目を向ける。
「そうね、あとはコンドウが何とかするでしょう。というか、そういう契約で彼の依頼を受けたわけだし」
「でも師匠、コンドウ団長のところはほとんど男所帯なのに、大丈夫なのかな」
「それも含めて、あとはあの連中に任せてあるのよ。私の仕事はもうあれで終わりよ」
やや納得できないと言った表情で、シオンは自分の背後を振り向く。
組合はもう遠くにあり、保護した漂流者達も何処にいるのかわからない。何となく、中途半端な気がしてならなかった。
「…心配なら、あんただけで様子見に行けばいいわよ。あんたの言う通り男所帯だから、歓迎されるんじゃない?」
「ん……そうしよう、かな」
シオンはかつて一度だけ出向いた、コンドウと彼の元生徒達がいる騎士団の拠点の事を思い出し、げんなりとした顔で首を横に振る。
凄まじい男臭さと暑苦しさがあり、始終気分が悪かったことを思い出してしまった。
「…あの子がちょっと不憫。これから大変だろうに」
「大変なのはどこのどいつも同じよ……あの子は守ってくれる奴がいるだけまし、あんたがこれ以上気にする事じゃないわ」
「……師匠は相変わらず鬼みたいに厳しい」
前を歩く師からは、もうそれ以上漂流者について話すな、といった圧がビシビシと感じられる。
あからさまに、嫌々仕事をこなしたと言った雰囲気を感じ、シオンは保護された者達に心の底から同乗していた。
「―――さて、仕事の話はこの辺にしておいて、弟子よ……あんたはこれから試験だけど、準備はできているのかしら?」
不意に、アザミがシオンに尋ねる。じろりと横目を向け、嘘偽りを許さないというような鋭い目で睨むように問う。
シオンは師のその視線に、指で大きな丸を作って頷いた。
「ばっちり」
「……いつもいつも返事はいいけど、こうも安心できないのは、弟子の中であんたが一番ね」
弟子に向ける目を細め、深くため息をつくアザミ。
その職に就く者にとって、最初の障害といえるほど重要な試験が待っているというのに、全く気を張っていない。悪く言えば気が緩んでいる。
「言っておくけど、魔術士試験はそう単純なものじゃないわよ。試験官が見るのは成績だけじゃない……受験者の態度も評価に入れる。そんな調子じゃ即座に落とされてもおかしくはないわ」
自分が有している資格。魔術を使う者であれば、必ず所持することを求められるもの。
容易く相手を傷つける事もできる力である故に、それを扱う者には一定以上の人格と技量が求められる。審査は厳しく、使い方が巧いからといって難なく通れるわけではない。
アザミはそんな難関試験に挑もうとしている弟子を見て、再び大きなため息をついて目を逸らす。
明らかに信用してくれていない師に、シオンは咄嗟にムッと顔をしかめた。
「師匠が心配する必要はない。私は優秀だから、落ちる可能性なんて0に決まっている」
「そう言って油断している奴こそ、無残に叩き落とされて泣きを見る事が多いのよ。見てて滑稽よ、今のあんたみたいに調子に乗っていた奴は」
「油断なんかしてない……師匠の弟子である私が、この程度で躓く筈がない」
むん、と年齢不相応に育った胸を張り、鼻息を荒くするシオン。
アザミは心底呆れた表情で肩を竦め、一瞬口を開くものの、何も言わずにまた黙々と歩き出す。
「…まぁ、そうね。普通に学んで普通に対応していれば、落ちる事はまずないわね。あんた自身に何も問題がなければだけど」
「師匠は心配性……何も問題ないに決まってる」
「相手があんたじゃなきゃ、不安になんてなる筈ないんだけどねぇ…」
由来不明の自信を前面に表すシオンに、アザミはもう何も忠告をしない。
どれだけ注意しても、本人がまるで気にしないのだから、何を言っても無駄だと諦めてしまったようだ。
「これで晴れて私も一人前の魔術師……やっとこさ師匠と一緒に仕事ができる。早く行こう、師匠」
「そんなに急ぐ必要も、魔術が使える必要はないんだけどね…」
「でも使えた方が便利でしょ」
平坦な表情に、少しだけ得意気な色を混ぜてそんなことを口にするシオン。
すると、僅かにアザミは肩を震わせ、シオンにぎろりと横目を向け……しかし何も言わず、また無言で歩いていく。
一瞬感じた違和感に首を傾げつつも、シオンは置いていかれないよう、師の後についていった。
シオンにとってアザミ―――否、師という人物は〝謎の人〟だった。
この世に生まれ出でて十四年、物心ついた時には既に共にいて、決して短くはない時間を経て、決して少なくはない場所へ共に旅をした。
その旅の中で知ったのは、アザミが恐ろしく長い時を生きていて、多くの人々を助けてきていた事だった。
国に起きた騒動を鎮めるために尽力したり、あるいは暴虐を成す王を討ったり。
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夜の空のように艶やかな髪に、顔の半分を痛々しく隠した〝眼帯の魔女〟として。
多くの人が尊敬し、羨望する数々の功績を上げ、その名を知らしめている。
実際にその光景を見た事はない。
魔女が活躍したのは、自分が生まれるよりもずっと前だというし、当時に恩を受けた者も今現在ではほとんど生きていない。だが、正直言って事の真偽はどうでもいい。
そんな逸話を多く持つ、優れた能力の持ち主の側にいる事が、シオンには誇らしくて仕方がなかった。
しかし、師がなぜそのような事をしているのかを、シオンは何も知らないままでいる。
十年以上共にいて、別れる事など一度もなかったのに、魔女の旅の理由と目的について何も知らないのだ。
別に正体を疑っていたり、不気味がっているわけではない。
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だがその事に大きな恩を感じながらも、やはり気になってしまうのだ。
何度も尋ねたが、はっきりと答えてくれた事は一度もない。何時も面倒くさそうにはぐらかされ、要領を得られたことがほとんどない。
今度こそ、と最近もしつこく問いかけていたが、それでも何も答えてくれなかった。
だから―――シオンは自身の成長を望んでいた。
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