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20.高原にて
明くる日。アメリアとコーネリアスはオリバーと少しの護衛を連れてリムネアの高原に赴いていた。
温泉地としても有名なリムネアだが、山岳地帯という特性上、開けた場所は高原として広がっている。散策場所としても最適で、湯治目的の一般客が高原を散策してから温泉に浸かるという旅行の仕方まであるほどだ。
早朝から出発し、高原に着いたのは日も高くなる前だった。
春風も高原では心地よい涼しさを感じさせ、清々しさを振りまいている。視界に映る野原や山々も鮮やかでコントラストがはっきりとしている。
草の匂いを感じながら踏みしめる地面だって柔らかく足を受け止めた。
「来るのは初めてだが、噂通り風光明媚な場所だな」
コーネリアスはしっかりとした足取りで高原を歩き、辺りを見回した。
馬車で乗っていけるところではないから、当然全員徒歩での移動だ。
「確かに、綺麗な場所ですね。コーネリアス様」
その後ろに控えるようにアメリアが立つ。出発した最初こそ体力の心配をされたが伊達に医局でヒーラーをやっていたわけではない。病室や医務室を年がら年中歩き詰めていたおかげでかなりの量を歩いていたアメリアは男性陣にも負けず劣らずしっかりした足取りで付いてくる。
逆にオリバーの方が疲れを見せているほどで、けろっとしているアメリアの横で座り込む有様だ。
「獣が出てこないか見回って参ります。皆様しばしお待ちください」
護衛の一人がそうコーネリアス達に告げて見回りに行く。
護衛を待つ間、アメリアは近くの野草を調べていた。
「高山植物……まではいかないけど、十分いろいろな種類があるわね。薬草として使えそうなものは……」
ブツブツ言いながら薬草を摘み取るアメリアに、座り込んでいるオリバーが言った。
「こんな時まで仕事仕事しなくてもいいんじゃないですか? ほら、散策がメインなんですし」
「散策がメインだとしても一応仕事で来てますからね、治療に役立ちそうなものは有効に活用したいんですよ。オリバー様こそ、これから散策なのにもう力尽きそうではないですか?」
「それは、体を動かすのが本分ではないからですよ~」
あれやこれやとアメリアがオリバーと話していると、少し照れくさそうにコーネリアスが咳払いをした。はっとしてオリバーは立ち上がると、アメリアの手を引いてコーネリアスの前に連れてくる。
「そうでしたそうでした。ヒーラーとして、王子の監督をよろしくお願いします」
どう見ても監督、というよりは二人で散策に行ってほしいという意図を感じアメリアはむむ、と眉を寄せる。
「オリバー様、もしかして」
「いいえ? なんでもありませんよ、なんでもありませんとも。どうぞごゆっくり」
白々しいオリバーの態度を訝しむアメリアだったが、見回りの護衛が安全を確認してきたのを見ると一つため息をついた。
「それなら、お言葉に甘えて。コーネリアス様、参りましょうか」
「ああ。しばらくアメリアと一緒に散策してくる」
「かしこまりました」
コーネリアスはオリバーと護衛には遠くから付いてくるよう言付けて高原の散策道を歩き出す。アメリアもそれの後に続くが、コーネリアスは少し待ってからアメリアの隣を歩くようにして進んでいった。
話の聞こえない程度に離れたオリバーと護衛達は顔を見合わせて苦笑する。
「というわけだ。くれぐれも野暮は起こさないように」
「はっ」
オリバーの言葉に護衛もにこやかに答える。
二人きりの和やかな時間を演出するべく、オリバーと護衛の兵士は控えめに二人の後をついていった。
温泉地としても有名なリムネアだが、山岳地帯という特性上、開けた場所は高原として広がっている。散策場所としても最適で、湯治目的の一般客が高原を散策してから温泉に浸かるという旅行の仕方まであるほどだ。
早朝から出発し、高原に着いたのは日も高くなる前だった。
春風も高原では心地よい涼しさを感じさせ、清々しさを振りまいている。視界に映る野原や山々も鮮やかでコントラストがはっきりとしている。
草の匂いを感じながら踏みしめる地面だって柔らかく足を受け止めた。
「来るのは初めてだが、噂通り風光明媚な場所だな」
コーネリアスはしっかりとした足取りで高原を歩き、辺りを見回した。
馬車で乗っていけるところではないから、当然全員徒歩での移動だ。
「確かに、綺麗な場所ですね。コーネリアス様」
その後ろに控えるようにアメリアが立つ。出発した最初こそ体力の心配をされたが伊達に医局でヒーラーをやっていたわけではない。病室や医務室を年がら年中歩き詰めていたおかげでかなりの量を歩いていたアメリアは男性陣にも負けず劣らずしっかりした足取りで付いてくる。
逆にオリバーの方が疲れを見せているほどで、けろっとしているアメリアの横で座り込む有様だ。
「獣が出てこないか見回って参ります。皆様しばしお待ちください」
護衛の一人がそうコーネリアス達に告げて見回りに行く。
護衛を待つ間、アメリアは近くの野草を調べていた。
「高山植物……まではいかないけど、十分いろいろな種類があるわね。薬草として使えそうなものは……」
ブツブツ言いながら薬草を摘み取るアメリアに、座り込んでいるオリバーが言った。
「こんな時まで仕事仕事しなくてもいいんじゃないですか? ほら、散策がメインなんですし」
「散策がメインだとしても一応仕事で来てますからね、治療に役立ちそうなものは有効に活用したいんですよ。オリバー様こそ、これから散策なのにもう力尽きそうではないですか?」
「それは、体を動かすのが本分ではないからですよ~」
あれやこれやとアメリアがオリバーと話していると、少し照れくさそうにコーネリアスが咳払いをした。はっとしてオリバーは立ち上がると、アメリアの手を引いてコーネリアスの前に連れてくる。
「そうでしたそうでした。ヒーラーとして、王子の監督をよろしくお願いします」
どう見ても監督、というよりは二人で散策に行ってほしいという意図を感じアメリアはむむ、と眉を寄せる。
「オリバー様、もしかして」
「いいえ? なんでもありませんよ、なんでもありませんとも。どうぞごゆっくり」
白々しいオリバーの態度を訝しむアメリアだったが、見回りの護衛が安全を確認してきたのを見ると一つため息をついた。
「それなら、お言葉に甘えて。コーネリアス様、参りましょうか」
「ああ。しばらくアメリアと一緒に散策してくる」
「かしこまりました」
コーネリアスはオリバーと護衛には遠くから付いてくるよう言付けて高原の散策道を歩き出す。アメリアもそれの後に続くが、コーネリアスは少し待ってからアメリアの隣を歩くようにして進んでいった。
話の聞こえない程度に離れたオリバーと護衛達は顔を見合わせて苦笑する。
「というわけだ。くれぐれも野暮は起こさないように」
「はっ」
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