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第一章 始まりの章
第9話 大量のゴブリンが襲ってきた
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マドリー&ネリーの家に迫ってくるゴブリンの群れ。20~30匹は居るだろうか。
マドリーは柵の近くにあった大きな箱を開けると、中から槍を取り出した。柵の近くに点在していた箱は武器が入っていたようだ。
「柵には電撃の防御魔法が付与してあるから大丈夫だ」
マドリーはコジローにも槍を渡す。
「見てろよ」
とうとうゴブリンは柵まで到達した。最初に一匹が柵を飛び越えようとしたが、その瞬間、激しい電撃に打たれ、ゴブリンは跳ね返され地面に落ちた。
数匹のゴブリンが同じように柵に突っ込んではひっくり返る。ようやく学習したゴブリンは柵の前で立ち止まって苛立つように吠え始めた。
電撃で倒れたゴブリンも少しして起き上がる、近寄らせないための電撃だからなのか、殺すまでの力はないようだ。
柵の傍で威嚇してくるゴブリンの一匹を、マドリーが槍で貫いた。
なるほど、柵の電撃で逃げてくれればよし、それでも逃げない場合は柵の内側から槍など長尺の武器で突き殺すわけだ。
マドリーの槍での突きは見事だった。持っている槍はかなり長いが、正確にゴブリンを仕留めていく。コジローも見様見真似で槍を突き始めたが、長尺の槍は意外と難しい。
やがて、槍を嫌ってゴブリンが柵から距離をとるようになると、マドリーが槍を持ち替えた。"石付き" にロープが取り付けられている槍である。それをきれいなフォームでマドリーが投げる。放たれた槍が見事にゴブリンを貫く。マドリーはロープを即座に引き戻すと槍が戻ってくる。手元に槍を引き寄せ再び投げるマドリー。
なるほど、これなら槍の投擲でも繰り返し使えるわけだ。若干、槍を手元に戻すのが面倒くさそうだが・・・
ネリーも駆けつけてきた、手には結構な大きさの弓を持っている。
ネリーが放った矢はゴブリンの頭を正確に射ぬいた。
マドリーとネリーは昔、冒険者だったと言っていたが、二人ともかなりの腕前のようだ。
槍を戻すのが面倒になったのか、マドリーも弓を使い始めた。マドリーの弓の腕も見事だった。それなら最初から槍を投げないで弓を使えば良かったのでは?と思ったが、矢がもったいないのかもしれない。
二人の正確無比な弓で、次々に仕留められていくゴブリン。
弓など使ったことがないコジローは眺めているしかなかったが、二人の弓だけで、やがてゴブリンは殲滅されてしまった。
「見事なものですね、いや、ものだな。」コジローが言う。
昨晩、マドリーに敬語を使わないほうがいいと助言を受けたのだが、地球でサラリーマンをしていたコジローはなかなか慣れないのであった。
敬語を使うと、例えば冒険者であれば、パーティの中の上下関係=指揮系統がバレてしまい、指揮官が狙われる事になるし、冒険者ではない町民や商人などでも舐められる事につながるので、貴族や王族に対してでないかぎり、この世界ではあまり敬語は使わないという文化のようであった。
「魔物の襲撃はよくあるのか?」
とコジローが尋ねると、マドリーは
「たまにあるが・・・最近は多くなった。昔はそれほどでもなかったんだがな。」
と答えた。
一年ほど前から、たまにこのような事が起きるようになったという。
マドリーとコジローはゴブリンの死骸を始末するため柵の外へ出た。
マロもついてきた。マロが柵を超える時、電撃にやられないか?と一瞬思ったが、何事もなく通過してしまった。コジローの従魔なので反応しないのだそうだ。識別能力が凄い。
ゴブリンは素材として取れるものはなく、肉も不味いので食べられない。
体内から魔石を取り出せば多少は値が付くが、それも非常に安い。よほど金に困っている者でなければ、魔石も捨ててしまう者が多い。
しかし、死体をそのまま放置しておくのはまずいのだそうで、埋めるか燃やしてしまう必要がある。森の奥ならいざしらず、家の周囲で放置すると血の臭いに誘われて他の魔物がよってくる可能性もあるし、腐ると病気が発生したり、アンデッド化したりするのだとか。
矢も使えるものは回収していく。
数が多いので大変だったが、なんとかゴブリンの死体を集め終え、マドリーが火を放つ。マドリーが呪文を唱えると手から火球(ファイアーボール)が飛び、ゴブリンを焼却していった。
マドリーは火の魔法が少し使えるのだそうだ。ただ、魔力の消耗が多く、そう何発も連続では撃てないそうだが。
「グルルルル」
やっと始末を終えたところで、またマロが唸り声をあげた。
マロは森の方を見ている。
森に目をやると、新たなゴブリンの群れが現れ、こちらに向かっているのが見えた。
まだかなり距離があるので、マドリーとコジローは柵の中に戻る余裕があった。マロの感覚が鋭いので助かる。
今度も数が多い、30か、いや50以上か。
「おかしいわ、こんなに一日何度も襲撃されるなんて!近くにゴブリンの巣でもできたの?!」
戻ったマドリーにネリーが言う。
「数が多くても同じさ、また殲滅するだけだ」
とマドリー。
マドリーの言う通り、また先程と同じ展開であった。
電撃の柵まで引きつけ、槍で攻撃する。近寄ってこなくなったら弓に持ち変えて追撃する。
しかし、今回は少し展開が違った。不意に、ゴブリンのほうから矢が飛んできて、マドリーの肩に当たったのだ。
ゴブリン数十匹の後方から、三匹のゴブリンが弓を使っている。ゴブリンアーチャーだ。
さらに数十匹のゴブリンも追加で現れている。
魔物は柵を通過できないが、矢は素通りしてしまうらしい。人間と魔物を識別ができるのだから、矢も識別して入れないようにできそうな気もするのだが、想定外だったのだろう。
マドリーは予想外の攻撃に反応が遅れてしまった。
「くそっ、この辺にゴブリンアーチャーが出たことはなかったのに・・・」
ネリーとマドリーは木箱の影に隠れる。コジローも近くの木箱の影に入った。
ネリーは矢の攻撃の合間を見て、かなりの早撃ちで矢を放っていく。
ゴブリンが柵を越える事はないが、矢を放ってくるのは少々やっかいである。
「ゴブリンアーチャーは俺に任せてくれ」
コジローが言った。
マドリーは柵の近くにあった大きな箱を開けると、中から槍を取り出した。柵の近くに点在していた箱は武器が入っていたようだ。
「柵には電撃の防御魔法が付与してあるから大丈夫だ」
マドリーはコジローにも槍を渡す。
「見てろよ」
とうとうゴブリンは柵まで到達した。最初に一匹が柵を飛び越えようとしたが、その瞬間、激しい電撃に打たれ、ゴブリンは跳ね返され地面に落ちた。
数匹のゴブリンが同じように柵に突っ込んではひっくり返る。ようやく学習したゴブリンは柵の前で立ち止まって苛立つように吠え始めた。
電撃で倒れたゴブリンも少しして起き上がる、近寄らせないための電撃だからなのか、殺すまでの力はないようだ。
柵の傍で威嚇してくるゴブリンの一匹を、マドリーが槍で貫いた。
なるほど、柵の電撃で逃げてくれればよし、それでも逃げない場合は柵の内側から槍など長尺の武器で突き殺すわけだ。
マドリーの槍での突きは見事だった。持っている槍はかなり長いが、正確にゴブリンを仕留めていく。コジローも見様見真似で槍を突き始めたが、長尺の槍は意外と難しい。
やがて、槍を嫌ってゴブリンが柵から距離をとるようになると、マドリーが槍を持ち替えた。"石付き" にロープが取り付けられている槍である。それをきれいなフォームでマドリーが投げる。放たれた槍が見事にゴブリンを貫く。マドリーはロープを即座に引き戻すと槍が戻ってくる。手元に槍を引き寄せ再び投げるマドリー。
なるほど、これなら槍の投擲でも繰り返し使えるわけだ。若干、槍を手元に戻すのが面倒くさそうだが・・・
ネリーも駆けつけてきた、手には結構な大きさの弓を持っている。
ネリーが放った矢はゴブリンの頭を正確に射ぬいた。
マドリーとネリーは昔、冒険者だったと言っていたが、二人ともかなりの腕前のようだ。
槍を戻すのが面倒になったのか、マドリーも弓を使い始めた。マドリーの弓の腕も見事だった。それなら最初から槍を投げないで弓を使えば良かったのでは?と思ったが、矢がもったいないのかもしれない。
二人の正確無比な弓で、次々に仕留められていくゴブリン。
弓など使ったことがないコジローは眺めているしかなかったが、二人の弓だけで、やがてゴブリンは殲滅されてしまった。
「見事なものですね、いや、ものだな。」コジローが言う。
昨晩、マドリーに敬語を使わないほうがいいと助言を受けたのだが、地球でサラリーマンをしていたコジローはなかなか慣れないのであった。
敬語を使うと、例えば冒険者であれば、パーティの中の上下関係=指揮系統がバレてしまい、指揮官が狙われる事になるし、冒険者ではない町民や商人などでも舐められる事につながるので、貴族や王族に対してでないかぎり、この世界ではあまり敬語は使わないという文化のようであった。
「魔物の襲撃はよくあるのか?」
とコジローが尋ねると、マドリーは
「たまにあるが・・・最近は多くなった。昔はそれほどでもなかったんだがな。」
と答えた。
一年ほど前から、たまにこのような事が起きるようになったという。
マドリーとコジローはゴブリンの死骸を始末するため柵の外へ出た。
マロもついてきた。マロが柵を超える時、電撃にやられないか?と一瞬思ったが、何事もなく通過してしまった。コジローの従魔なので反応しないのだそうだ。識別能力が凄い。
ゴブリンは素材として取れるものはなく、肉も不味いので食べられない。
体内から魔石を取り出せば多少は値が付くが、それも非常に安い。よほど金に困っている者でなければ、魔石も捨ててしまう者が多い。
しかし、死体をそのまま放置しておくのはまずいのだそうで、埋めるか燃やしてしまう必要がある。森の奥ならいざしらず、家の周囲で放置すると血の臭いに誘われて他の魔物がよってくる可能性もあるし、腐ると病気が発生したり、アンデッド化したりするのだとか。
矢も使えるものは回収していく。
数が多いので大変だったが、なんとかゴブリンの死体を集め終え、マドリーが火を放つ。マドリーが呪文を唱えると手から火球(ファイアーボール)が飛び、ゴブリンを焼却していった。
マドリーは火の魔法が少し使えるのだそうだ。ただ、魔力の消耗が多く、そう何発も連続では撃てないそうだが。
「グルルルル」
やっと始末を終えたところで、またマロが唸り声をあげた。
マロは森の方を見ている。
森に目をやると、新たなゴブリンの群れが現れ、こちらに向かっているのが見えた。
まだかなり距離があるので、マドリーとコジローは柵の中に戻る余裕があった。マロの感覚が鋭いので助かる。
今度も数が多い、30か、いや50以上か。
「おかしいわ、こんなに一日何度も襲撃されるなんて!近くにゴブリンの巣でもできたの?!」
戻ったマドリーにネリーが言う。
「数が多くても同じさ、また殲滅するだけだ」
とマドリー。
マドリーの言う通り、また先程と同じ展開であった。
電撃の柵まで引きつけ、槍で攻撃する。近寄ってこなくなったら弓に持ち変えて追撃する。
しかし、今回は少し展開が違った。不意に、ゴブリンのほうから矢が飛んできて、マドリーの肩に当たったのだ。
ゴブリン数十匹の後方から、三匹のゴブリンが弓を使っている。ゴブリンアーチャーだ。
さらに数十匹のゴブリンも追加で現れている。
魔物は柵を通過できないが、矢は素通りしてしまうらしい。人間と魔物を識別ができるのだから、矢も識別して入れないようにできそうな気もするのだが、想定外だったのだろう。
マドリーは予想外の攻撃に反応が遅れてしまった。
「くそっ、この辺にゴブリンアーチャーが出たことはなかったのに・・・」
ネリーとマドリーは木箱の影に隠れる。コジローも近くの木箱の影に入った。
ネリーは矢の攻撃の合間を見て、かなりの早撃ちで矢を放っていく。
ゴブリンが柵を越える事はないが、矢を放ってくるのは少々やっかいである。
「ゴブリンアーチャーは俺に任せてくれ」
コジローが言った。
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