なぜか剣聖と呼ばれるようになってしまった見習い魔法使い異世界生活(習作1)

田中寿郎

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第二章 街へ

第14話 ギルド登録試験2

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冒険者登録をしたいと言うと、書類を書くように言われる。

名前、コジロー。年齢・・・二十歳。年齢は何歳なのかゼフトに聞き忘れていたため、適当に書いたのであった。身体の感じから、そう間違ってはいないだろう。

職業(技能)については、「魔法使い」・・・少し考えて「見習い」と付け足した。マロを連れているので「テイマー」も追記しておいた。

「フェンリル?!」

従魔の種類を書いたところ、エイラが驚いた反応をした。

「この子、フェンリルなんですか?!でも・・・・」

「ただの犬、いや狼の子供?ですよね?・・・あ、マロって魔狼ってことですね、てっきり名前かと勘違いしてしまいました。で、名前がフェンリルと。」

なんか変な方向に勘違いしているな。

「いや、多分、フェンリルだと思うんですけどね・・・」

マドリーもそう言ってたし。でもまぁ、別に魔狼で登録しておけばいいか?

などと思っていたら、

「嘘つくんじゃねぇ」

と一人の若い冒険者が絡んできた。実はこの男、エイラに気があり、話しかけるチャンスとばかり絡んできたのだった。

「フェンリルなんてテイムできるわけないだろ?だいたい、滅多に出遭うことだってないのに。死霊の森の奥まで行けば別かもしれないけどな!」

「いや、その、死霊の森から来たのだが・・・」

コジローは森の魔術師の弟子で、武者修行に出されたのだと説明した。

死霊の森から来たと聞いて、絡んできた冒険者の頬が一瞬引き痙ったが、後に引けなくなったのか食い下がる。

「死霊の森から来たってのも本当かどうか・・・仮に本当だったとしても、フェンリルをテイムなんかできるわけないだろ、ランクSモンスターだぞ、一瞬で殺されて終わりだろ!」

「いや、この子は生まれてすぐ迷子になっていたのを保護して、俺が育てたんだ。」

コジローはさすがに自分がテイムしたと言うのは嘘くさいと思い話をでっち上げた。咄嗟の事だったがなかなか良い設定だと思う。

しかし、男はまだ引き下がらない。ただの子犬じゃないか、フェンリルに見えないと言い張る。

「ぐるるるる」

その時、唸り始めた。体の大きさも、戦闘用サイズに変身していく。

頭に角が生え、神々しい白狼の姿になった。その迫力の唸り声に、男は悲鳴をあげて逃げていってしまった。

コジローはマロを撫でて元のサイズに戻るように言う。

「ホンモノだったんですね・・・」

ちょっとエイラも引き攣っている。

魔狼はランクB、複数頭集まるとランクA扱いとなる。そして単体でもランクAのモンスターとなる上位種ならもある。だが、フェンリルはさらにその上、魔狼の最上級種、ランクSのモンスターなのだ。一部では、魔獣ではなく「神獣」と呼ばれている。驚くのは当然だった。



手続きを進める。

「ええっと、登録には面接と適性検査、実技試験があります。」

(テストがあるのか?!知らなかった!大丈夫か?!)

「すみません、ランクを決定するのに必要なんです。」

コジローは思わず驚きが顔に出てしまっていた。

エイラ:「冒険者は危険な職業ですので、実力が伴わない人を参加させるのを避ける必要があるのです。でも大丈夫ですよ、誰でもGランクなら登録できますので。」

コジロー:「Gランクとは?」

エイラ:「町の外に出ない仕事のみを請け負えるランクです。町の外に出て魔獣狩りなどはできませんが、町の中での雑仕事ならなんでも請け負うことができます。」

(ああ、なるほど。)

今日はたまたま暇なのか、いつもそうなのか分からないが、すぐに適性試験をしてくれる事になった。



奥の部屋に通されて、まずはギルドマスターの面接。

冒険者は死んでしまう者も多いため、どこの街でも不足気味である。そのため、街によっては面接や試験もなく、書類申請だけで通ってしまうケースも多い。この街も冒険者は不足しているのは変わらないのだが・・・

少しでも無茶をして死ぬ冒険者を減らしたいという思いから、この街のギルドマスターは自ら面接まで行っているのだった。

ギルドマスターは以外にも妙齢の女性であった。

「私はリエフメヤ、この町のギルドマスターをしている。リエと呼んで。さっそくだけど、あなたはどこから来たの?」

北の魔の森の魔術士の弟子で、この度武者修行のために町に出されたと説明する。

「死霊の森の・・・そう・・・弟子が居たのね。。。」

リエの表情が一瞬曇った気がしたが、まぁ、この反応はお約束になりそうなので、気にしないほうが良いだろう。

「ということはあなたも死霊術を?」

自分は死霊術は使えないと答えると、リエは少し安心した顔をした。

魔術師の弟子ということで、まずは魔力測定をしてみる事になった。

リエが持ってきた大きな水晶玉に手をのせるように指示された。

両手を差し出したが、片手でいいと言われる。

片手を乗せてみると、水晶玉が光り始めた。

リエ:「これは・・・!!」

コジロー:(?!)

リエ:「普通ね。」

リエ:「いや、平均よりは少しは多いわ、まぁ、うん、優秀と言って良いでしょう、大丈夫(笑)」

コジロー:(・・・まぁ、そんなもんだろうと思ってましたけどね。)

リエ:「では実技試験へ移りましょう。魔法と、魔法を使わない戦闘能力も確認させてもらうわ。」

ギルドの裏にある練習場へとコジローとリエは移動した。



リエ:「では、あの的に向けて、得意な攻撃魔法を打ってみせて。」

コジロー:「いや、攻撃魔法はあまり得意ではないんだが・・・。」

リエ:「テストだから、とりあえずやってみて。ファイアーボールくらい出せるでしょ?」

コジローは仕方なく、火球を放ってみるが、飛び出した爪の先程度の火は、的にすら届かず地面に落ちるだけだった・・・

アイスアロー、ウィンドカッター、サンダーブラスト、アースジャベリン・・・指定された魔法をすべてやってみるが、すべてしょぼい結果にしかならない。

リエ:「こ、攻撃魔法は得意じゃないようね。防御魔法は?」

コジロー:「それもあまり・・・」

一応やってみろというので、魔法障壁を張ってみるが、リエが指で突付いたら割れてしまった・・・

リエ:「あらゆる属性の魔法を無詠唱で魔法を発動できるのは凄いのだけど・・・全部、ひたすらしょぼいわね。あなたの師匠の指導方針なのかしら・・・?」

リエ:「でも、一応は有名な魔法使いの弟子なんでしょ?一体何の魔法なら使えるの?」

コジロー:「それは・・・答えたくないと言ったら?」

リエ:「奥の手を秘匿しておきたいのは分かるけど、それだと、魔法も使えない、剣も使えないという事で、一般人扱い、Gランクになってしまうけど、いい?」

それも困る、どうしようかとコジローは焦り、応えた。

「いや、剣は少しだけ使える。」

リエ:「魔法使いじゃなかったの?まぁいいわ、どっちにしても、このギルドでは魔法使いも武器を使った戦闘能力の試験もする決まりになっているから。魔法使いと言えども、武器を使わなければならない局面は必ず出てくるから、まったく使えないというのも困るのよ。」

リエは木刀を持ってきてコジローに渡す。

リエ:「あなた、短剣しか持ってないみたいだけど、短い木刀のほうがいい?」

コジロー:「いや、これでいい。」

「じゃぁ構えて。」

二人は練習場の中央に移動して向き合った。


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