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第三章 アルテミルの街とその領主
第46話 領主の招待2
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だが、男の残した伝言は、まずは会って直接説明させてほしいのでコジローの都合が良い日時を教えてくれとの事であった。
以前のように、こちらの都合を一切聞かず、有無を言わさずという雰囲気ではなさそうだ。
それに、先日の騒動で、住民の前に立ち、キチンと間違いは正すと語った真摯な姿勢は、嘘では無いだろうと思った。
話くらいは聞いてもよいかとコジローは思い、夜ならいつでもいいと伝えてくれと女将に伝えたところ、今日でもいいか?と聞き返された。女将が困ったようにコジローの後ろを見ていたので振り返ると、食堂に居た男が頭を下げた。
アレキシはコジローが戻るのを、宿の食堂で待っていたのだ。
もちろん、コジローが後日を指定したなら今日は帰るつもりだったが、今日でも良いというのなら、話は少しでも早くしたい。
宿の部屋は狭いのでどうしようかと思ったが、食堂では話にくいとの事だったので、部屋で話を聞くことにした。
* * * *
男は領政官のアレキシ・バイミルトと名乗った。
要件は、領主がもろもろのお礼と謝罪をしたいので、領主の館に来てほしいとの事だった。
「以前、領主の館に連れて行かれた時は、説明もなくそのまま牢に案内されたんだが(笑)」
とコジローが言うと、その件についてアレキシは平身低頭という姿勢で謝罪をしたのだった。
そして、今回の招待はその件のお詫びも兼ねているとの事だった。
コジローは冗談のつもりで言ったのだが、少し嫌味であったか。
領主の代理相手に嫌味を言うなど失礼にあたってしまったかも知れないと思い、コジローは慌てて、
「礼などいらない、気持ちは受け取ったからもう気にしないでほしい。」
と領主に伝えるてくれるよう言った。
しかし、アレキシもそれで引き下がって帰るわけにも行かない。
是非とも招待に応じてくれ、前のような酷い扱いは絶対にしないと約束する、承諾してくれるまで日参すると言われ、コジローは困ってしまった。
アレキシは、クリスの片腕として信頼されている男である。戦闘能力はないが、事務処理や外交、戦略に関しては、極めて優秀な頭脳を持つ領政官であある。当然、コジローの興味を引くネタをいくつか用意してきていた。
アレキシは、そのうちの一つ、リヴロットの名前を出した。リヴロットも会いたがっていると言ったのである。
コジローは、その話に興味を惹かれてしまった。貴族の令嬢など高値の花過ぎて、女性として関心などはまったく抱く事はないのだが、剣士として興味があったのだ。
「未来予知能力」を持つ剣士・・・あの時は嫌々戦っていてわざと負けて終わらせてしまったけれど、本気で戦ったらどうなるだろうか?とあれから時折、妄想を膨らませていたのである。
常識的に考えれば勝てるわけがない。そもそも、素の剣の腕はコジローは未だ三流剣士というところだろう。しかし、魔法による補助を使って戦った時にどうなるか?コジローにはマジックシールドもある。例えば相打ち覚悟で斬りに行ったら・・・?
リヴロットと本気で戦う機会など今後もおそらくありえないだろうが、もし戦ったらどうなるだろう?というのは、戦いのシミュレーションとしては非常に面白いものだったのである。
もう少し、リヴロットと話してみたい。
果たして、コジローはあっさり陥落、招待を受けることにした。
以前のように、こちらの都合を一切聞かず、有無を言わさずという雰囲気ではなさそうだ。
それに、先日の騒動で、住民の前に立ち、キチンと間違いは正すと語った真摯な姿勢は、嘘では無いだろうと思った。
話くらいは聞いてもよいかとコジローは思い、夜ならいつでもいいと伝えてくれと女将に伝えたところ、今日でもいいか?と聞き返された。女将が困ったようにコジローの後ろを見ていたので振り返ると、食堂に居た男が頭を下げた。
アレキシはコジローが戻るのを、宿の食堂で待っていたのだ。
もちろん、コジローが後日を指定したなら今日は帰るつもりだったが、今日でも良いというのなら、話は少しでも早くしたい。
宿の部屋は狭いのでどうしようかと思ったが、食堂では話にくいとの事だったので、部屋で話を聞くことにした。
* * * *
男は領政官のアレキシ・バイミルトと名乗った。
要件は、領主がもろもろのお礼と謝罪をしたいので、領主の館に来てほしいとの事だった。
「以前、領主の館に連れて行かれた時は、説明もなくそのまま牢に案内されたんだが(笑)」
とコジローが言うと、その件についてアレキシは平身低頭という姿勢で謝罪をしたのだった。
そして、今回の招待はその件のお詫びも兼ねているとの事だった。
コジローは冗談のつもりで言ったのだが、少し嫌味であったか。
領主の代理相手に嫌味を言うなど失礼にあたってしまったかも知れないと思い、コジローは慌てて、
「礼などいらない、気持ちは受け取ったからもう気にしないでほしい。」
と領主に伝えるてくれるよう言った。
しかし、アレキシもそれで引き下がって帰るわけにも行かない。
是非とも招待に応じてくれ、前のような酷い扱いは絶対にしないと約束する、承諾してくれるまで日参すると言われ、コジローは困ってしまった。
アレキシは、クリスの片腕として信頼されている男である。戦闘能力はないが、事務処理や外交、戦略に関しては、極めて優秀な頭脳を持つ領政官であある。当然、コジローの興味を引くネタをいくつか用意してきていた。
アレキシは、そのうちの一つ、リヴロットの名前を出した。リヴロットも会いたがっていると言ったのである。
コジローは、その話に興味を惹かれてしまった。貴族の令嬢など高値の花過ぎて、女性として関心などはまったく抱く事はないのだが、剣士として興味があったのだ。
「未来予知能力」を持つ剣士・・・あの時は嫌々戦っていてわざと負けて終わらせてしまったけれど、本気で戦ったらどうなるだろうか?とあれから時折、妄想を膨らませていたのである。
常識的に考えれば勝てるわけがない。そもそも、素の剣の腕はコジローは未だ三流剣士というところだろう。しかし、魔法による補助を使って戦った時にどうなるか?コジローにはマジックシールドもある。例えば相打ち覚悟で斬りに行ったら・・・?
リヴロットと本気で戦う機会など今後もおそらくありえないだろうが、もし戦ったらどうなるだろう?というのは、戦いのシミュレーションとしては非常に面白いものだったのである。
もう少し、リヴロットと話してみたい。
果たして、コジローはあっさり陥落、招待を受けることにした。
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