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第五章 コジローの恋
第97話 再会
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モーボヤの村からアルテミルに馬車で向かう道中、森の中で魔獣の群れに襲われている馬車を発見した。
襲っているのは数十体のリザードマンの群れであったが、それだけでなく、ゴブリン数十匹とモンスターボア(魔猪)も居るようだ。
馬車を守る護衛の冒険者―――いやよく見ると騎士か―――が一人で戦っているが、多勢に無勢、魔猪の体当たりを喰らい、倒れたところをリザードマンに襲われて左腕と右足を剣で切り落とされてしまった。
コジローは即座に倒れた騎士の傍に転移、襲っていたリザードマンを斬り捨てる。加速(40倍速)を発動し周囲に居たリザードマンも一瞬にしてバラバラ死体になっていく。
馬車に突進しようとしていた魔猪は、コジローと同時に飛び出していたマロのサンダーブラストで爆散。周囲に残っていたゴブリンやリザードマンも、マロの子供たちが放ったサンダーアローの雨で殲滅された。
魔獣がいなくなり、馬車から女性が飛び出してきて倒れている騎士に駆け寄った。騎士は手足を斬られかなりの重症で、意識が混濁しているようである。コジローが駆け寄り、マジッククローゼットから取り出した高級ポーションを騎士の口に注ぎむと、騎士は少し咽たが、出血は止まり、やがて意識を取り戻したのであった。
意識を取り戻した騎士は、状況を理解するのに一瞬の間があったが、すぐに周囲を見回し馬車から出てきた女性の顔を発見し、声を発した。
「姫!ご無事ですか?!」
姫と呼ばれた女性は、言われてみればかなり良い服を着ている。どこかの貴族が王族の娘なのであろうか?
だが、顔を見た瞬間、コジローに衝撃が走った。いや、コジローだけではないだろう、誰が見ても息を呑むような絶世の美女がそこにいた。一瞬、その女性の顔を見てフリーズしていたコジローだったが、意外な方向から声があがった。
「姉上!!」
その女性の顔を見たマルスが突然走り出し女性に抱きついたのである。
「マルス!無事だったのね!」
女性もマルスの顔を確認し、二人は抱き合い、喜びの涙が目尻に光っていた。どうやら生き別れの姉弟の再会のようである。
コジロー:「え~、おほん、マルス、そちらの方は・・・?」
姫と呼ばれた女性の名はシーラ。隣国、バネダス共和国の旧王族であるという。つまり、マルスは王子だったのである。
とは言え、今のバネダス共和国の支配者は、数年前にクーデターを起こし国を乗っ取った革命政府である。
クーデターを起こしたのは軍属の司令官をしていたバッタという男であった。バッタは平民の出自であったが優秀かつ冷酷無比な軍事手腕を発揮し出世してきた人物である。実は裏で政敵となる人物の暗殺も繰り返して出世してきたが、ついに軍部を掌握し、王族まで手にかけたのである。
クーデター時に王族は全員処刑されたが、当時旅行中だったシーラとマルスは難を逃れた。しかし、旧王族を根絶やしにしようとしたバッタの追撃は激しく、シーラは自ら囮になって弟のマルスだけを隣国であるカデラック帝国に逃したのだという。
護衛の命を失いながらも自身は生き延びたマルスは、ミヤル、ネビルを経由してアルテミルまで流れ着いたのだ。マルスが強くなろうと頑張っていたのは、姉を、両親を、護衛の騎士達を殺した相手を倒し、国を取り戻すためだったのだ。
マルスを逃した後、シーラもレジスタンスの協力で生き延び、行方をくらまし潜伏していたが、国民に人気の高かった王女をなんとしても殺してしまいたかったバッタは、王女の行方を執拗に探し続けていたのである。
国民に人気が高かった王女には支援者も多く、しばらくは国内に潜伏していた。だが、ついに発見され、刺客が送り込まれたのである。しかし、シーラは脱出に成功、護衛の騎士も最後の一人となってしまったが、なんとかカデラック帝国に逃げ込んできたところであったという。
王女とマルスの話に、ジョニーもいつのまにかにじり寄ってきていた。絶世の美女とお近づきになりたいのであろう。その後ろで、モニカが苛立った顔をしているが。
コジローはというと、襲ってきた魔物が複数であった事が気になっていた。普通は異なる種類の魔物がお互いに争わずに目標を襲うと言う事はないはずなのだ。
だが、同じような光景をコジローは知っている・・・
コジローは馬車の後ろに刺さっていた矢を引き抜いた。矢にはなにか小さな魔道具が取り付けられていた。そう、以前アルテミルを大量の魔物が襲った時、その魔物を誘導するのに使われていた魔道具である。大分小型ではあるが、見覚えのある形状をしていた。
魔物を使って襲わせる兵器の研究を隣国・バネダス共和国はしているとおい情報があると領主クリスからも聞いていた。誘導装置は以前見た物より小型化していた。研究はかなり進んでいると考えたほうが良いだろう。
コジローは魔道具を次元剣で真っ二つにした。
王女に尋ねたところ、これを放ったものは王女の護衛の騎士によって倒されたらしいが、逃げるのに必死で、矢が刺さったまま放置していたらしい。
とりあえず、シーラと負傷した護衛騎士、そしてシーラの馬車の御者とともに、コジロー達はマドネリ村に帰る事とした。
そこまで行けば、バネダス共和国の刺客も追っては来れないだろう。追手をまくため、結局コジローは転移魔法を使用して、全員を村に移動させたのだった。
隣国の王子・王女を匿ったとなれば、色々と政治的問題にもなりかねない。クリスに相談しても良かったが、国に知られれば、隣国から王子王女を返せと言ってくる可能性もある。その時に、カデラック帝国の王帝がどのような判断をするかは分からない。
とりあえず、死霊の森とマドネリ村は治外法権ということになっている。そこで二人を村人として住まわせても気付かれはしないだろう。移動もコジローの転移を使った。馬車ごと移動してきたので、足跡を追うこともできないはずである。
シーラとマルスが、いずれは国を取り返したいのか、あるいはもうそれはよいと考え別の人生を考えているのかは分からない。しかし、いずれにしても今はどうすることもできない。仮に取り返すにしても、今は隠れ、力を蓄え、機を待つしかないだろう。。。
そんなわけで、シーラとマルスは新たな村の一員として、マドリー&ネリーの家の従業員として働く事となったのである。
襲っているのは数十体のリザードマンの群れであったが、それだけでなく、ゴブリン数十匹とモンスターボア(魔猪)も居るようだ。
馬車を守る護衛の冒険者―――いやよく見ると騎士か―――が一人で戦っているが、多勢に無勢、魔猪の体当たりを喰らい、倒れたところをリザードマンに襲われて左腕と右足を剣で切り落とされてしまった。
コジローは即座に倒れた騎士の傍に転移、襲っていたリザードマンを斬り捨てる。加速(40倍速)を発動し周囲に居たリザードマンも一瞬にしてバラバラ死体になっていく。
馬車に突進しようとしていた魔猪は、コジローと同時に飛び出していたマロのサンダーブラストで爆散。周囲に残っていたゴブリンやリザードマンも、マロの子供たちが放ったサンダーアローの雨で殲滅された。
魔獣がいなくなり、馬車から女性が飛び出してきて倒れている騎士に駆け寄った。騎士は手足を斬られかなりの重症で、意識が混濁しているようである。コジローが駆け寄り、マジッククローゼットから取り出した高級ポーションを騎士の口に注ぎむと、騎士は少し咽たが、出血は止まり、やがて意識を取り戻したのであった。
意識を取り戻した騎士は、状況を理解するのに一瞬の間があったが、すぐに周囲を見回し馬車から出てきた女性の顔を発見し、声を発した。
「姫!ご無事ですか?!」
姫と呼ばれた女性は、言われてみればかなり良い服を着ている。どこかの貴族が王族の娘なのであろうか?
だが、顔を見た瞬間、コジローに衝撃が走った。いや、コジローだけではないだろう、誰が見ても息を呑むような絶世の美女がそこにいた。一瞬、その女性の顔を見てフリーズしていたコジローだったが、意外な方向から声があがった。
「姉上!!」
その女性の顔を見たマルスが突然走り出し女性に抱きついたのである。
「マルス!無事だったのね!」
女性もマルスの顔を確認し、二人は抱き合い、喜びの涙が目尻に光っていた。どうやら生き別れの姉弟の再会のようである。
コジロー:「え~、おほん、マルス、そちらの方は・・・?」
姫と呼ばれた女性の名はシーラ。隣国、バネダス共和国の旧王族であるという。つまり、マルスは王子だったのである。
とは言え、今のバネダス共和国の支配者は、数年前にクーデターを起こし国を乗っ取った革命政府である。
クーデターを起こしたのは軍属の司令官をしていたバッタという男であった。バッタは平民の出自であったが優秀かつ冷酷無比な軍事手腕を発揮し出世してきた人物である。実は裏で政敵となる人物の暗殺も繰り返して出世してきたが、ついに軍部を掌握し、王族まで手にかけたのである。
クーデター時に王族は全員処刑されたが、当時旅行中だったシーラとマルスは難を逃れた。しかし、旧王族を根絶やしにしようとしたバッタの追撃は激しく、シーラは自ら囮になって弟のマルスだけを隣国であるカデラック帝国に逃したのだという。
護衛の命を失いながらも自身は生き延びたマルスは、ミヤル、ネビルを経由してアルテミルまで流れ着いたのだ。マルスが強くなろうと頑張っていたのは、姉を、両親を、護衛の騎士達を殺した相手を倒し、国を取り戻すためだったのだ。
マルスを逃した後、シーラもレジスタンスの協力で生き延び、行方をくらまし潜伏していたが、国民に人気の高かった王女をなんとしても殺してしまいたかったバッタは、王女の行方を執拗に探し続けていたのである。
国民に人気が高かった王女には支援者も多く、しばらくは国内に潜伏していた。だが、ついに発見され、刺客が送り込まれたのである。しかし、シーラは脱出に成功、護衛の騎士も最後の一人となってしまったが、なんとかカデラック帝国に逃げ込んできたところであったという。
王女とマルスの話に、ジョニーもいつのまにかにじり寄ってきていた。絶世の美女とお近づきになりたいのであろう。その後ろで、モニカが苛立った顔をしているが。
コジローはというと、襲ってきた魔物が複数であった事が気になっていた。普通は異なる種類の魔物がお互いに争わずに目標を襲うと言う事はないはずなのだ。
だが、同じような光景をコジローは知っている・・・
コジローは馬車の後ろに刺さっていた矢を引き抜いた。矢にはなにか小さな魔道具が取り付けられていた。そう、以前アルテミルを大量の魔物が襲った時、その魔物を誘導するのに使われていた魔道具である。大分小型ではあるが、見覚えのある形状をしていた。
魔物を使って襲わせる兵器の研究を隣国・バネダス共和国はしているとおい情報があると領主クリスからも聞いていた。誘導装置は以前見た物より小型化していた。研究はかなり進んでいると考えたほうが良いだろう。
コジローは魔道具を次元剣で真っ二つにした。
王女に尋ねたところ、これを放ったものは王女の護衛の騎士によって倒されたらしいが、逃げるのに必死で、矢が刺さったまま放置していたらしい。
とりあえず、シーラと負傷した護衛騎士、そしてシーラの馬車の御者とともに、コジロー達はマドネリ村に帰る事とした。
そこまで行けば、バネダス共和国の刺客も追っては来れないだろう。追手をまくため、結局コジローは転移魔法を使用して、全員を村に移動させたのだった。
隣国の王子・王女を匿ったとなれば、色々と政治的問題にもなりかねない。クリスに相談しても良かったが、国に知られれば、隣国から王子王女を返せと言ってくる可能性もある。その時に、カデラック帝国の王帝がどのような判断をするかは分からない。
とりあえず、死霊の森とマドネリ村は治外法権ということになっている。そこで二人を村人として住まわせても気付かれはしないだろう。移動もコジローの転移を使った。馬車ごと移動してきたので、足跡を追うこともできないはずである。
シーラとマルスが、いずれは国を取り返したいのか、あるいはもうそれはよいと考え別の人生を考えているのかは分からない。しかし、いずれにしても今はどうすることもできない。仮に取り返すにしても、今は隠れ、力を蓄え、機を待つしかないだろう。。。
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