異世界転生したプログラマー、魔法は使えないけれど魔法陣プログラミングで無双する?(ベータ版)

田中寿郎

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第一部 転生編

第47話 ラース子爵家へGO

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ブランド 「実はな、ケリー殿は、元貴族なのだ」

その言葉だけで何かを察したクレイは、『ああ、そういう系のやつかぁ』という顔をした。

ブランド 「とある貴族家の出身なのだが、魔力が少ないことで、家から出されて平民になったそうだ。ただ、通常なら、魔力が少ない子は生まれてすぐに孤児院などに出されるものだが、ケリー殿はかなり大きくなるまで家で育てられ、その後、家を出されたらしい」

クレイ 「まぁ! どっかで聞いたようなお話!」

ブランド 「うむ…。私は別にお前を追い出したつもりはないんだがな…」

クレイ 「分かってますよ、ケリー様も両親が良い方だったのですね」

ブランド 「いや…それがそうでもない話のようでな…。ケリー殿は、赤ん坊の時の鑑定では、魔力量が多く、魔法系のスキルもあり、かなり期待されたようなのだ。だが何故か、常に魔力欠乏状態だったのだそうな。いずれ覚醒するかも知れないと言う事で、暫くの間育てられたのだが、結局 “器” だけはあるが、魔力を生成できない体質と判断されて、役立たずとして追放されたらしいのだ」

クレイ 「魔力を生成できない系の障害?」

なるほど、それなら、魔力を吸収する魔法陣を身体に刻めば、もしかしたら……

ブランド 「もちろん秘密は守ると言っている。それに…私達はラース子爵には借りがあるからな」

実は、クレイが幼い時、生活に使うための魔導具の調達などで、ラース子爵が協力してくれた事が何度もあったのだそうだ。それをクレイも聞いて知っていた。

クレイ 「分かりました。そういう事であれば…まぁやってみないとどうなるかは分かりませんが…」




-

――
――――
――――――――
――――――――――――――――

クレイ 「はい! というわけで! 今日は隣町、ラース子爵が治める街に来ております! 町の名はラース! そのまんまですね! まぁ領主と町の名が同じなのはヴァレットも一緒なんですけどね」

……なんとなく、配信風の独り言を言ってみたクレイであったが、その行為に特に意味はない。ふと、思い出して言ってみただけである。(もちろんカメラもネットもこの世界には存在しない。)

屋敷に着くと門番には既に話がついていたようで、すぐに執事が出てきてすんなり応接室に通され、すぐにラース子爵がやってきた。

ラース子爵 「久しぶりだね、すっかり立派になって!」

クレイ 「ご無沙汰しております、閣下」

ラース子爵 「閣下などと…以前のようにゲオルクおじさんと呼んでくれて良いのだぞ?」

クレイ 「いえ、今は平民ですから。線引きはきちっとしておかないと」

ラース子爵 「平民だからと言って気にする事はないよ、知っての通り、私の妻ケリーも平民だ」

クレイ 「奥様は、もとは貴族家の出身だと伺いましたが」

ラース子爵 「うむ、既に話は聞いてるようだな。そう、君と同じだ」

クレイ 「はぁ…」

そこに、ケリーとケイト、ヴィオレが入ってきた。

ケイト 「あ、クレイ!」

クレイ 「やぁ」

ケリー 「はじめまして、ケリーと申します」

カーテシーをする母親を見て、慌てて真似をするケイトが微笑ましい。

ケリーはまだ二十代と聞いているが、その美しく優しげな顔に、クレイも目を惹かれてしまう。なるほど、ラーズ子爵が惚れ込んでいるのも理解できると思うクレイであった。

ラース子爵 「それで、妻と娘の魔力障害を治療する方法を知っているのか? そうなら是非、教えてもらえないか? この通りだ、もちろん秘密は守る」

クレイ 「頭をお上げ下さい、閣下。私は治療法を知っているわけではないのです…」

そして、どのような事をするのか具体的に詳しく説明するクレイ。

ケリー 「魔導具に刻む魔法陣を身体に……」

ラース子爵 「その、それは、何か、身体に悪い事はないのか?」

クレイ 「分かりません。私自身は何年もこの状態で、特に不具合はありませんが…」

ラース子爵 「無害だと、自身の身体で証明できているわけだな」

クレイ 「いえ、今は大丈夫でも、もっと長く経過してから、何かしらの不具合が出る可能性はありますし」

クレイ 「それに、臨床例も私一人だけではなんとも言えないでしょう。そもそも、私も少々、いえかなり・・・特殊な体質なので…」

クレイ 「…私にはどうやら、普通の人間なら多かれ少なかれ持っているはずの、“魔力を生成する器官” が欠落しているようなのです。おまけに魔力を保持する事もできない。そもそも鑑定で魔力ゼロと診断されたのですから。魔力があると鑑定された方とは条件が違いますので、どうなるかはなんとも…」

ケリー 「構いませんわ、やってみましょう! それで上手くいくなら、ケイトにも…」

そういえば、先程ラース子爵は妻と娘と言っていた。つまり…

ケリー 「そうなのです、娘のケイトも私とまったく同じ症状でして。鑑定では魔力があると診断されているのに、魔力がほとんどない状態なのです…」

ケリーは、自身が魔力がない事はそれほど気にしてはいないのだが、娘の将来のためにと、実験的な試みを自身の身体で試すつもりであったのだ。

結局、夫人ケリーの強い希望で、早速魔法陣を夫人の身体に描いてみる事となった。


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