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第二部 ダンジョン攻略編
第97話 「奴らは盗人だと思う」(ただし根拠の薄い推論です)
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クレイ 「さて、次は狩ってきた素材を売るぞ」
ルル・リリ 「らにゃ!」
クレイ 「やり方は分かるよな?」
ルル 「もちろんにゃ」
クレイ 「やってみろ」
買取カウンターに移動したルルとリリ。クレイは一歩下がって見ている。
リリ 「買い取りお願いするにゃ」
職員 「手ぶらのようだが?」
ルル 「マジックバッグがあるにゃ」
リリ 「たくさんあるから裏の倉庫に出すにゃ」
職員 「ああ、そうしてくれ」
そんなやり取りをするクレイ達を、ギルドの奥の応接室から出てきた者達が見ていた。
先日ダンジョンで見かけた三人組、キム、ボーサ、ズウである。さらにその後から出てきたのはサブギルドマスターのゴーン。
キムはクレイ達の姿を見つけると、小声でゴーンに言った。
キム 「アイツらだ…」
* * * *
時は少し遡り、クレイ達が冒険者ギルドに来る少し前。
キムとボーサ、ズウの三人組パーティ “鉄の爪” が冒険者ギルドに現れ、ギルドマスターに面会を要求した。
受付嬢はギルドマスターは不在であると断ったが、緊急の用件だと三人が強く言うので、サブマスターのゴーンに対応してもらう事にした。
大変重要な話だからと三人はギルドの奥にある遮音された会議室で話すと言った。また、邪魔が入らないようにしてくれと頼んだのだ。
ゴーン 「それで、なんだ、緊急の用件とは?」
ボーサ 「いや、それがですね…。なぁ、やめといたほうがいいんじゃないか…?」
ゴーン 「何だ一体???」
キム 「…俺が話す! 実は、ダンジョンの中で妙な連中を見かけたんだ…」
ダンジョンの中でクレイの武器を奪おうとして窘められたキム。
あの時は「善意からだった」と言い、謝って事なきを得たわけだが、その本心は、嘘半分・本当半分といったところであった。
もちろん、百パーセントの悪意だったわけではない。注意してやろうという気持ちが(親切心というより誂ってやろうという気持ちが強かったにせよ)あったのは事実である。
だが、クレイ達を殺して武器を奪う事も、状況次第ではありかなと思っていたのも事実であった。もちろんそれは、よほど上手くいった場合の話。可能性は高くはないとは思っていたが。
キムという男は、絶対見つからない状況なら平気で悪時を働くしそれに罪悪感もない、倫理観などない男だったのだ。
そしてクズにありがちなプライドの高さから、キムは後になってだんだん腹が立って来たのだ。土下座までさせられた、その事が許せなくなってきたのである。(もちろん、キム達が勝手にやった事で、クレイが土下座を要求したわけではないのだが。)
ダンジョンを出て街へ帰る道すがら、キムはクレイにいつかなんとか仕返ししてやれないかと妄想を巡らせていた。そして嫌がらせを思いつき、渋るボーサとズウを説得し、ギルドマスターに話しに来たのだ。
と言ってもやることは、怪しい者を見たと報告するだけであるが。
ギルドが調べて結果何も問題なしならそれでも良し。単に報告を上げただけの自分たちは、褒められこそすれ、それで咎められる事はない。
だが、ギルドに目をつけられ調べられたら、クレイ達にとっては不愉快だろう。ちょっとした嫌がらせにはなる。もしかしたら、クレイ達がギルドと揉め事になり、ギルドに睨まれるようになるかも知れない。
キム 「俺たちはダンジョンに狩りに行ったんだ。だが、何故かダンジョンの中に魔物がまったく見当たらないんだよ。
おかしいと思いながらも、手ぶらでは帰れねぇから、奥へ奥へと進んでいったんだ。そこでアイツらを見たんだよ」
ゴーン 「アイツら?」
キム 「ああ、階層の魔物を根こそぎ狩っ攫っていっちまう奴らが居たのさ。お陰で他の冒険者は獲物がなくなって困っていたよ。これは重大なマナー違反ってもんだろう? そんな冒険者を放置しておいてギルドとしてはどうなんだ?」
ゴーン 「なるほど、それは迷惑だな。だが……ダンジョンの魔物を全部狩ってはならないというルールもない。迷惑だが、明確な犯罪やルール違反というわけでもないな。というか、人払いまでしてしたかった重要な話というのがソレなのか?」
キム 「いや、話はここからだよ。そいつらはたった三人で階層内の魔物を根こそぎ狩っていたんだ。そいつらに話を聞いたんだが、一人はCランク、残りはEランクだと言っていた。だが、おかしいと思わないか? そんな低ランクの奴らが三人で、オークの上位種が出る六階層の魔物もすべて狩り尽くしていたんだぜ?」
ゴーン 「そうだな、そんな事は、最低でもAランク以上でないと難しいだろうな。だが、ランクに不釣り合いな実力を持っている奴もたまには居るだろう」
キム 「いや、見ていたら、妙な武器を使っていたんだ。その武器が強力でな。あれよあれよと魔物が倒されて行った。その場では思い出せなかったんだが、後で思い出したんだよ。あれは…
…サブマス、以前起きたスタンピードの時、領主とその息子が妙な武器を使っていたのを覚えているか?」
ゴーン 「ああ、先端から魔法を打ち出す杖みたいな魔導具だった、マドウジュウとか言ってたような…」
キム 「そう、その、領主家の武器と同じモノだった。奴らはどこでそれを手にいれたんだ?
…これは俺の想像似すぎないんだんが、奴らはそれを領主の屋敷から盗んだんじゃないかと思う」
ルル・リリ 「らにゃ!」
クレイ 「やり方は分かるよな?」
ルル 「もちろんにゃ」
クレイ 「やってみろ」
買取カウンターに移動したルルとリリ。クレイは一歩下がって見ている。
リリ 「買い取りお願いするにゃ」
職員 「手ぶらのようだが?」
ルル 「マジックバッグがあるにゃ」
リリ 「たくさんあるから裏の倉庫に出すにゃ」
職員 「ああ、そうしてくれ」
そんなやり取りをするクレイ達を、ギルドの奥の応接室から出てきた者達が見ていた。
先日ダンジョンで見かけた三人組、キム、ボーサ、ズウである。さらにその後から出てきたのはサブギルドマスターのゴーン。
キムはクレイ達の姿を見つけると、小声でゴーンに言った。
キム 「アイツらだ…」
* * * *
時は少し遡り、クレイ達が冒険者ギルドに来る少し前。
キムとボーサ、ズウの三人組パーティ “鉄の爪” が冒険者ギルドに現れ、ギルドマスターに面会を要求した。
受付嬢はギルドマスターは不在であると断ったが、緊急の用件だと三人が強く言うので、サブマスターのゴーンに対応してもらう事にした。
大変重要な話だからと三人はギルドの奥にある遮音された会議室で話すと言った。また、邪魔が入らないようにしてくれと頼んだのだ。
ゴーン 「それで、なんだ、緊急の用件とは?」
ボーサ 「いや、それがですね…。なぁ、やめといたほうがいいんじゃないか…?」
ゴーン 「何だ一体???」
キム 「…俺が話す! 実は、ダンジョンの中で妙な連中を見かけたんだ…」
ダンジョンの中でクレイの武器を奪おうとして窘められたキム。
あの時は「善意からだった」と言い、謝って事なきを得たわけだが、その本心は、嘘半分・本当半分といったところであった。
もちろん、百パーセントの悪意だったわけではない。注意してやろうという気持ちが(親切心というより誂ってやろうという気持ちが強かったにせよ)あったのは事実である。
だが、クレイ達を殺して武器を奪う事も、状況次第ではありかなと思っていたのも事実であった。もちろんそれは、よほど上手くいった場合の話。可能性は高くはないとは思っていたが。
キムという男は、絶対見つからない状況なら平気で悪時を働くしそれに罪悪感もない、倫理観などない男だったのだ。
そしてクズにありがちなプライドの高さから、キムは後になってだんだん腹が立って来たのだ。土下座までさせられた、その事が許せなくなってきたのである。(もちろん、キム達が勝手にやった事で、クレイが土下座を要求したわけではないのだが。)
ダンジョンを出て街へ帰る道すがら、キムはクレイにいつかなんとか仕返ししてやれないかと妄想を巡らせていた。そして嫌がらせを思いつき、渋るボーサとズウを説得し、ギルドマスターに話しに来たのだ。
と言ってもやることは、怪しい者を見たと報告するだけであるが。
ギルドが調べて結果何も問題なしならそれでも良し。単に報告を上げただけの自分たちは、褒められこそすれ、それで咎められる事はない。
だが、ギルドに目をつけられ調べられたら、クレイ達にとっては不愉快だろう。ちょっとした嫌がらせにはなる。もしかしたら、クレイ達がギルドと揉め事になり、ギルドに睨まれるようになるかも知れない。
キム 「俺たちはダンジョンに狩りに行ったんだ。だが、何故かダンジョンの中に魔物がまったく見当たらないんだよ。
おかしいと思いながらも、手ぶらでは帰れねぇから、奥へ奥へと進んでいったんだ。そこでアイツらを見たんだよ」
ゴーン 「アイツら?」
キム 「ああ、階層の魔物を根こそぎ狩っ攫っていっちまう奴らが居たのさ。お陰で他の冒険者は獲物がなくなって困っていたよ。これは重大なマナー違反ってもんだろう? そんな冒険者を放置しておいてギルドとしてはどうなんだ?」
ゴーン 「なるほど、それは迷惑だな。だが……ダンジョンの魔物を全部狩ってはならないというルールもない。迷惑だが、明確な犯罪やルール違反というわけでもないな。というか、人払いまでしてしたかった重要な話というのがソレなのか?」
キム 「いや、話はここからだよ。そいつらはたった三人で階層内の魔物を根こそぎ狩っていたんだ。そいつらに話を聞いたんだが、一人はCランク、残りはEランクだと言っていた。だが、おかしいと思わないか? そんな低ランクの奴らが三人で、オークの上位種が出る六階層の魔物もすべて狩り尽くしていたんだぜ?」
ゴーン 「そうだな、そんな事は、最低でもAランク以上でないと難しいだろうな。だが、ランクに不釣り合いな実力を持っている奴もたまには居るだろう」
キム 「いや、見ていたら、妙な武器を使っていたんだ。その武器が強力でな。あれよあれよと魔物が倒されて行った。その場では思い出せなかったんだが、後で思い出したんだよ。あれは…
…サブマス、以前起きたスタンピードの時、領主とその息子が妙な武器を使っていたのを覚えているか?」
ゴーン 「ああ、先端から魔法を打ち出す杖みたいな魔導具だった、マドウジュウとか言ってたような…」
キム 「そう、その、領主家の武器と同じモノだった。奴らはどこでそれを手にいれたんだ?
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