98 / 184
第二部 ダンジョン攻略編
第98話 妙な噂を吹き込まれたサブマスター
しおりを挟む
ゴーン 「盗んだ?」
ボーサ 「いや、それはキムの想像で、まだ盗んだって決まったわけじゃ…」
キム 「連中は、武器の扱いに慣れていない風でもあった。盗み出した武器の実験を、ダンジョン内でしていたんじゃないのか?」
ゴーン 「だが、そんな話は領主からは来ていないが?」
キム 「もしかしたら秘密にされているのかもしれん。領主にも対面があるからな、表に出ないうちに発見して取り戻すつもりなんじゃないのか?」
ゴーン 「もし秘密にされているのなら、俺が分かるわけがない」
キム 「ギルマスは聞いてるんじゃないのか?」
ゴーン 「…かもしれんが。イマイチ俺はギルマスに信用されてないようでな、貴族同士の情報は、平民の俺にはあまり教えてくれんのだよ。
…というか、確かなのか? 同じ武器を使っていたからといって、それが領主家から盗まれたものだという確証はないだろう?」
キム 「あれは、領主しか持っていない特殊な武器だって話だったはずだ」
ゴーン 「…ああ。魔法が使えない者でも遠距離攻撃ができるとかで、興味を持った冒険者が見せてくれと言ったが、許可された者しか触ることも見ることも許されなかったそうだ」
キム 「実はな、俺はソイツらに話しかけて、武器を見せてもらったんだ。その時に見たんだよ、見えにくい場所にの部品に領主家の紋章がついていたんだ。あれは領主家のモノで間違いない。
…もしかしたら、領主家ではまだ盗まれた事に気づいてすらいないのかも知れないぞ?」
ゴーン 「領主家の関係者って可能性もあるだろう。領主から許可を得て借り受けているんじゃないのか?」
キム 「俺たちはもう七年もこの街に居る。スタンピードの時も領主軍の近くに居たが、あんな奴らは関係者の中に居なかった」
ゴーン 「当時は戦闘に参加していなかった家族とか…」
キム 「いや、領主様には息子が一人しか居ないはずだろ」
ゴーン 「いや、娘も居たはずだ。ただ、すでに他の貴族家に嫁いているはずだがな。ああ、領主には妹も居たな。ただ、その妹は今は王都で王宮騎士団長をしているし、独身のはず。ダンジョンを彷徨いているわけがないな」
キム 「領主の妹ってことは結構な歳のはずだろ? ダンジョンで見たのは若い……というほどもでもなかったな、中年の男だった。(※)他に領主に親類が居るって話は聞いたことがないだろう?」
(※現在クレイは二十九歳である。)
ゴーン 「親類でなくとも、領主の許可を受けた者かもしれんぞ?」
キム 「領主家以外の者に触らせなかった武器を、親類でもない者に与えたというのか?」
ゴーン 「確認してみなければ分からんだろう」
キム 「だから、確認してみてくれって話さ」
ゴーン 「領主に問い合わせろっていうのか? 俺に? 貴族の対応はサイモンの役目だよ」
キム 「ギルマスが戻るのを待ってたら逃げられてしまうかも知れないだろ。騎士団に情報を流して指名手配したほうがいいんじゃないか?」
ゴーン 「証拠もなしに指名手配などできんよ。ギルドマスターが戻ってきたら任せよう。話は以上なら出て言ってくれ」
だが、キム達は部屋を出たところでクレイ達がギルド内に居るのを見つけたのである。
キム 「サブマス、アイツらだ。逃げもせずギルドに顔を出すとはな。一応、探りを入れてみたほうがいいんじゃないか?」
ゴーン 「……」
受付嬢に近づき小声で尋ねるゴーン。
ゴーン 「ロッテ、見ない連中だが、あいつらは?」
ロッテ 「はい? ああ、さっきの。先程冒険者に登録した三人ですね」
ゴーン 「新人冒険者か?」
ロッテ 「本人達は元冒険者だと言ってるんですが。どうだかアヤシイと私はまだ思っていますけどね、ラルクが責任持つって言うので、新規登録させました」
ゴーン 「元冒険者の再登録か」
ロッテ 「男はクレイと言うそうですが……聞いて下さいよ! 二人の獣人の少女はあの男の奴隷だそうですよ! この街で奴隷を使うなんて…」
ゴーン 「この街で奴隷が忌避されている事を知らないとは、余所者か? まぁ見たことない奴だしな」
サブマスターのゴーンは八年前に、受付嬢のロッテは二年前にこの街の冒険者ギルドに異動してきたので、クレイと会った事がないのであった。
ロッテ 「あの男、どうも、怪しいんですよ。元冒険者だと言うんですが、出してきた冒険者証は九年前に死亡報告が上がっていた冒険者のカードでした」
ゴーン 「ほう? 死んだはずの冒険者が、生きていたというわけか?」
ロッテ 「そういう事になりますが……もしかしたら、どこかで死んだ冒険者のギルドカードを手に入れて成り代わろうとしてるんじゃないかと思って…」
ゴーン 「だが、ギルドカードは魔力紋が登録されているんだ、調べれば本人のモノかどうかなんてすぐに分かる事だろう?」
ロッテ 「それが…魔力紋は一致したんですが、読み取り機にエラーが出てしまいまして……」
ゴーン 「エラー?」
ロッテ 「はい、私も見た事がないエラーで。それで、怪しいと思ったんですよね。もしかして、カードに何か細工がされていたのではないかと…」
ゴーン 「なるほど、奴隷の件といい、色々と、たしかに怪しいか……
彼らの買取が終わったら、私のところに連れてきてくれるか?」
ボーサ 「いや、それはキムの想像で、まだ盗んだって決まったわけじゃ…」
キム 「連中は、武器の扱いに慣れていない風でもあった。盗み出した武器の実験を、ダンジョン内でしていたんじゃないのか?」
ゴーン 「だが、そんな話は領主からは来ていないが?」
キム 「もしかしたら秘密にされているのかもしれん。領主にも対面があるからな、表に出ないうちに発見して取り戻すつもりなんじゃないのか?」
ゴーン 「もし秘密にされているのなら、俺が分かるわけがない」
キム 「ギルマスは聞いてるんじゃないのか?」
ゴーン 「…かもしれんが。イマイチ俺はギルマスに信用されてないようでな、貴族同士の情報は、平民の俺にはあまり教えてくれんのだよ。
…というか、確かなのか? 同じ武器を使っていたからといって、それが領主家から盗まれたものだという確証はないだろう?」
キム 「あれは、領主しか持っていない特殊な武器だって話だったはずだ」
ゴーン 「…ああ。魔法が使えない者でも遠距離攻撃ができるとかで、興味を持った冒険者が見せてくれと言ったが、許可された者しか触ることも見ることも許されなかったそうだ」
キム 「実はな、俺はソイツらに話しかけて、武器を見せてもらったんだ。その時に見たんだよ、見えにくい場所にの部品に領主家の紋章がついていたんだ。あれは領主家のモノで間違いない。
…もしかしたら、領主家ではまだ盗まれた事に気づいてすらいないのかも知れないぞ?」
ゴーン 「領主家の関係者って可能性もあるだろう。領主から許可を得て借り受けているんじゃないのか?」
キム 「俺たちはもう七年もこの街に居る。スタンピードの時も領主軍の近くに居たが、あんな奴らは関係者の中に居なかった」
ゴーン 「当時は戦闘に参加していなかった家族とか…」
キム 「いや、領主様には息子が一人しか居ないはずだろ」
ゴーン 「いや、娘も居たはずだ。ただ、すでに他の貴族家に嫁いているはずだがな。ああ、領主には妹も居たな。ただ、その妹は今は王都で王宮騎士団長をしているし、独身のはず。ダンジョンを彷徨いているわけがないな」
キム 「領主の妹ってことは結構な歳のはずだろ? ダンジョンで見たのは若い……というほどもでもなかったな、中年の男だった。(※)他に領主に親類が居るって話は聞いたことがないだろう?」
(※現在クレイは二十九歳である。)
ゴーン 「親類でなくとも、領主の許可を受けた者かもしれんぞ?」
キム 「領主家以外の者に触らせなかった武器を、親類でもない者に与えたというのか?」
ゴーン 「確認してみなければ分からんだろう」
キム 「だから、確認してみてくれって話さ」
ゴーン 「領主に問い合わせろっていうのか? 俺に? 貴族の対応はサイモンの役目だよ」
キム 「ギルマスが戻るのを待ってたら逃げられてしまうかも知れないだろ。騎士団に情報を流して指名手配したほうがいいんじゃないか?」
ゴーン 「証拠もなしに指名手配などできんよ。ギルドマスターが戻ってきたら任せよう。話は以上なら出て言ってくれ」
だが、キム達は部屋を出たところでクレイ達がギルド内に居るのを見つけたのである。
キム 「サブマス、アイツらだ。逃げもせずギルドに顔を出すとはな。一応、探りを入れてみたほうがいいんじゃないか?」
ゴーン 「……」
受付嬢に近づき小声で尋ねるゴーン。
ゴーン 「ロッテ、見ない連中だが、あいつらは?」
ロッテ 「はい? ああ、さっきの。先程冒険者に登録した三人ですね」
ゴーン 「新人冒険者か?」
ロッテ 「本人達は元冒険者だと言ってるんですが。どうだかアヤシイと私はまだ思っていますけどね、ラルクが責任持つって言うので、新規登録させました」
ゴーン 「元冒険者の再登録か」
ロッテ 「男はクレイと言うそうですが……聞いて下さいよ! 二人の獣人の少女はあの男の奴隷だそうですよ! この街で奴隷を使うなんて…」
ゴーン 「この街で奴隷が忌避されている事を知らないとは、余所者か? まぁ見たことない奴だしな」
サブマスターのゴーンは八年前に、受付嬢のロッテは二年前にこの街の冒険者ギルドに異動してきたので、クレイと会った事がないのであった。
ロッテ 「あの男、どうも、怪しいんですよ。元冒険者だと言うんですが、出してきた冒険者証は九年前に死亡報告が上がっていた冒険者のカードでした」
ゴーン 「ほう? 死んだはずの冒険者が、生きていたというわけか?」
ロッテ 「そういう事になりますが……もしかしたら、どこかで死んだ冒険者のギルドカードを手に入れて成り代わろうとしてるんじゃないかと思って…」
ゴーン 「だが、ギルドカードは魔力紋が登録されているんだ、調べれば本人のモノかどうかなんてすぐに分かる事だろう?」
ロッテ 「それが…魔力紋は一致したんですが、読み取り機にエラーが出てしまいまして……」
ゴーン 「エラー?」
ロッテ 「はい、私も見た事がないエラーで。それで、怪しいと思ったんですよね。もしかして、カードに何か細工がされていたのではないかと…」
ゴーン 「なるほど、奴隷の件といい、色々と、たしかに怪しいか……
彼らの買取が終わったら、私のところに連れてきてくれるか?」
12
あなたにおすすめの小説
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
狼になっちゃった!
家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで?
色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!?
……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう?
これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
異世界に転生したら?(改)
まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。
そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。
物語はまさに、その時に起きる!
横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。
そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。
◇
5年前の作品の改稿板になります。
少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。
生暖かい目で見て下されば幸いです。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる