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序章(プロローグ)
第53話 絶縁そして新たな縁?
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俺はジェム達を無視して再び商業ギルドに向かった。
そしてサブギルドマスターのリアンナに告げる。
「スラムの支援はやめるにゃ」
リアンナ「……!
……そう、ですか…。
…まぁこんな騒ぎ(※)も起きましたし…仕方ないですね」
※騎士との乱闘の事らしい。
リアンナ「…もしかして、街を去られますか?」
「そうだにゃぁ、それもいいかもにゃあ、別にこの街に拘る理由もないしにゃあ」
リアンナ「分かりました。短い間でしたが、お取引させて頂いて幸でした。今後のご健勝をお祈りいたしております」
「意外とあっさり引いたにゃ?」
リアンナ「ええ。我々は、これで最後というわけではないでしょうから」
「?」
リアンナ「商業ギルドは世界を股に掛ける組織です。もし他の街に行かれたら、ぜひ、その街の商業ギルドへお声掛け下さい。最大限の便宜を図らせて頂きます、カイト様のVIP情報はすべての支店で共有されておりますので。マスター・ロデスも…
…あの方は神出鬼没ですから、カイト様がいらっしゃると聞けばすぐにその街に現れると思いますよ。というわけで、今後とも商業ギルドをどうぞよろしくお願いします」
「獣人達には支援が打ち切られる事を伝えておいてくれにゃ。既に預けてある金はそのまま支援に当ててくれていいにゃ。……それから、もう少し金を追加で預けておくにゃ。その金を使い切る前に、どうするか、獣人達が自分達で考えるように伝えてくれにゃ」
リアンナ「なんだかんだ言ってお優しいですよね、カイト様は」
一瞬、スラムの幼児達の事を思い出し、追金してしまった。子供が飢えているのを見るのは辛い。それが支援を始めるきかっけではあったのだが…
「支援を打ち切るんにゃ。冷たい猫人にゃ…」
俺は、獣人の子供達がなんとか生き延びてくれるよう祈りながら、商業ギルドを出た。
とりあえず、この街の獣人達とはここで縁切り、これ以上は考えいないようにしよう。
もともと大して善意や正義感が動機にあったかと言われると、そうでもない。金を街に落とすのにちょうど良かっただけだ。
そもそも、こんな世界である。スラムはどこの街にもあるらしい。飢えている子供はきっと世界中にたくさんいる。それをすべて救う事などできはしないのだから。
さて、支援は中止、それは良いとして、これからどうしようか…他の街へ行く? それとも、森の奥で一人きりの野生の生活にに戻る? しかし、色々と人間の街で仕入れができるようになると、今更完全な野生の生活に戻るのも、思い切りが必要である。まぁ、魔法で大抵の事はできるので、原生林で自給自足生活も、自分ならば不可能ではないのだが……そんな事を考えながら歩いていると、三人の男が近づいてきた。
『失礼します、私はグリスと言います。少しお話をよろしいでしょうか?』
「誰にゃ? 喧嘩を売るなら買うにゃよ?」
グリス「いえいえそんな……! 敵対する気はありません。ちょっとお話したいだけです」
「…ああすまんにゃ、ちょっと殺伐とした気分だったにゃ。それで、話とは? 何にゃ?」
グリス「ここでは人の耳もありますので、どこか落ち着ける場所でお話したいのですが…」
「人に聞かれるとまずい話にゃ? てかそれに俺が付き合う必要があるにゃ?」
グリス「はい、是非……あなたにも良い話だと思いますよ」
「そういうふうに言われると胡散臭さが増すにゃ。増すと言う事は最初らから胡散臭いって事だけどにゃ。『良い話がある』とか持ちかけてくるのは大抵詐欺にゃ」
グリス「いえ、違います、詐欺などでは……仕方がない。実はですね……」
グリスは声を小さくして俺の耳に口を近づけてきた。俺は猫なので、耳は顔のではなく頭上である。そこに口を近づけてグリスは囁いた。
グリス「私達はこの国の者ではありません。隣国、ガレリアの者です。実は、我が国の賢者様の命で、人を探しておりまして……」
「ガレリア? どっかで聞いたにゃ…」
グリス「シ~ッ! できれば、あまりその名前を大声で言わないで頂きたいのですが…」
「(この国とは)仲が悪いにゃ?」
グリス「まぁ、良くはない、という感じですかね」
というかガレリアの賢者? どっかで聞いたと思ったが…ああそうだ。この街の騎士団を率いていた魔法使いが、隣国ワレリアに複数属性魔法を使いこなす本物の賢者が居るとか言ってたような…。
ワとガで違うのは方言か何かか?
怪しいとは思いつつも、自分が【賢者猫】だと聞いてからちょっと【賢者】というものに興味があったので、俺は話を聞いてやる事にした。
「話を聞いてやってもいいにゃ。でも、この街にいるとまた騎士に襲われるかもしれんにゃ。それでもいいにゃ?」
グリス「いえ、できたらそういう騒動には巻き込まれたくはない、ですかね…」
グリスは苦笑いしながら言った。
「まぁ、その前に、腹ごしらえにゃ。そろそろ【青空亭】が開く時間にゃ」
グリス達も食べるというので、一緒に青空亭に行った。
ただ、青空亭はコソコソ重要な話をするような雰囲気の場所ではないので、食事が終わってから、どこか場所を変えてゆっくり話をする事にした。
「美味いにゃ!」
今日も青空亭の料理は美味い。
日替わり定食の豚の生姜焼きを食べながら、俺は、人に話を聞かれずに、落ち着いて話ができる場所について考えていたが……
…そんな場所あるか?
そしてサブギルドマスターのリアンナに告げる。
「スラムの支援はやめるにゃ」
リアンナ「……!
……そう、ですか…。
…まぁこんな騒ぎ(※)も起きましたし…仕方ないですね」
※騎士との乱闘の事らしい。
リアンナ「…もしかして、街を去られますか?」
「そうだにゃぁ、それもいいかもにゃあ、別にこの街に拘る理由もないしにゃあ」
リアンナ「分かりました。短い間でしたが、お取引させて頂いて幸でした。今後のご健勝をお祈りいたしております」
「意外とあっさり引いたにゃ?」
リアンナ「ええ。我々は、これで最後というわけではないでしょうから」
「?」
リアンナ「商業ギルドは世界を股に掛ける組織です。もし他の街に行かれたら、ぜひ、その街の商業ギルドへお声掛け下さい。最大限の便宜を図らせて頂きます、カイト様のVIP情報はすべての支店で共有されておりますので。マスター・ロデスも…
…あの方は神出鬼没ですから、カイト様がいらっしゃると聞けばすぐにその街に現れると思いますよ。というわけで、今後とも商業ギルドをどうぞよろしくお願いします」
「獣人達には支援が打ち切られる事を伝えておいてくれにゃ。既に預けてある金はそのまま支援に当ててくれていいにゃ。……それから、もう少し金を追加で預けておくにゃ。その金を使い切る前に、どうするか、獣人達が自分達で考えるように伝えてくれにゃ」
リアンナ「なんだかんだ言ってお優しいですよね、カイト様は」
一瞬、スラムの幼児達の事を思い出し、追金してしまった。子供が飢えているのを見るのは辛い。それが支援を始めるきかっけではあったのだが…
「支援を打ち切るんにゃ。冷たい猫人にゃ…」
俺は、獣人の子供達がなんとか生き延びてくれるよう祈りながら、商業ギルドを出た。
とりあえず、この街の獣人達とはここで縁切り、これ以上は考えいないようにしよう。
もともと大して善意や正義感が動機にあったかと言われると、そうでもない。金を街に落とすのにちょうど良かっただけだ。
そもそも、こんな世界である。スラムはどこの街にもあるらしい。飢えている子供はきっと世界中にたくさんいる。それをすべて救う事などできはしないのだから。
さて、支援は中止、それは良いとして、これからどうしようか…他の街へ行く? それとも、森の奥で一人きりの野生の生活にに戻る? しかし、色々と人間の街で仕入れができるようになると、今更完全な野生の生活に戻るのも、思い切りが必要である。まぁ、魔法で大抵の事はできるので、原生林で自給自足生活も、自分ならば不可能ではないのだが……そんな事を考えながら歩いていると、三人の男が近づいてきた。
『失礼します、私はグリスと言います。少しお話をよろしいでしょうか?』
「誰にゃ? 喧嘩を売るなら買うにゃよ?」
グリス「いえいえそんな……! 敵対する気はありません。ちょっとお話したいだけです」
「…ああすまんにゃ、ちょっと殺伐とした気分だったにゃ。それで、話とは? 何にゃ?」
グリス「ここでは人の耳もありますので、どこか落ち着ける場所でお話したいのですが…」
「人に聞かれるとまずい話にゃ? てかそれに俺が付き合う必要があるにゃ?」
グリス「はい、是非……あなたにも良い話だと思いますよ」
「そういうふうに言われると胡散臭さが増すにゃ。増すと言う事は最初らから胡散臭いって事だけどにゃ。『良い話がある』とか持ちかけてくるのは大抵詐欺にゃ」
グリス「いえ、違います、詐欺などでは……仕方がない。実はですね……」
グリスは声を小さくして俺の耳に口を近づけてきた。俺は猫なので、耳は顔のではなく頭上である。そこに口を近づけてグリスは囁いた。
グリス「私達はこの国の者ではありません。隣国、ガレリアの者です。実は、我が国の賢者様の命で、人を探しておりまして……」
「ガレリア? どっかで聞いたにゃ…」
グリス「シ~ッ! できれば、あまりその名前を大声で言わないで頂きたいのですが…」
「(この国とは)仲が悪いにゃ?」
グリス「まぁ、良くはない、という感じですかね」
というかガレリアの賢者? どっかで聞いたと思ったが…ああそうだ。この街の騎士団を率いていた魔法使いが、隣国ワレリアに複数属性魔法を使いこなす本物の賢者が居るとか言ってたような…。
ワとガで違うのは方言か何かか?
怪しいとは思いつつも、自分が【賢者猫】だと聞いてからちょっと【賢者】というものに興味があったので、俺は話を聞いてやる事にした。
「話を聞いてやってもいいにゃ。でも、この街にいるとまた騎士に襲われるかもしれんにゃ。それでもいいにゃ?」
グリス「いえ、できたらそういう騒動には巻き込まれたくはない、ですかね…」
グリスは苦笑いしながら言った。
「まぁ、その前に、腹ごしらえにゃ。そろそろ【青空亭】が開く時間にゃ」
グリス達も食べるというので、一緒に青空亭に行った。
ただ、青空亭はコソコソ重要な話をするような雰囲気の場所ではないので、食事が終わってから、どこか場所を変えてゆっくり話をする事にした。
「美味いにゃ!」
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…そんな場所あるか?
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