36 / 87
第36話 逮捕されたはずのチンピラは即日釈放されていた?!
翌日、リューは約束通り警備隊の詰め所に行き、昨日の隊長=ゴランを呼んでもらった。
だが、出てきたゴランは、申し訳無さそうに、昨日捕まえたチンピラたちが夜のうちに釈放されてしまった事をリューに伝えたのだった。
「申し訳無い。」
頭を下げるゴラン。
リュー 「どういうことだ?」
ゴラン 「色々事情があってな……。」
ゴランはそれ以上何も言わない。
そこでリューは、ゴランが隠している“色々”を知るため心を読もうとした。一瞬だけ、リューの瞳が金色に光る。
だが、微かな時間であったにも関わらず、リューの瞳の色が変わったのをゴランは見逃さなかったようだ。
ゴラン 「…君にはどうやら隠し事はできないようだね。魔眼かい?」
だが、何も答えずゴランをじっと見るリュー。
ゴラン 「ええっと……いや、もともとボーダータウンは我々(第三警備隊)の管轄ではなく、第一警備隊の管轄でね。。。」
渋々話し始めるゴラン。
昨日はたまたま、ボーダータウンの近くをパトロール中の第三警備隊のところに女性が助けを求めてきたので駆けつけたのだと言う。
ゴラン 「だが、自分たちの管轄地域で我々が犯罪者を逮捕したという話を聞きつけた第一警備隊の隊長ボルトが、身柄を引き渡せと言ってきたのだ。やむを得ず引き渡したところ、証拠不十分だと言い出して釈放してしまったらしい。」
リュー 「まるでその隊長はチンピラの仲間みたいだな。」
おそらく、裏でスラムの犯罪組織と繋がっているのだろう、金でも貰って犯罪を見逃しているというところか。
これまで不可侵だったボーダータウンに縄張りを広げようとしてるのも、警備隊を抱き込んだので可能と踏んだのだろう。
ゴラン 「…ボルトには以前からそういう噂はあってな。探りを入れてはいるのだが、証拠がないのだ……。」
どうやらゴランとしてはボルトの不正を糾弾したいのはやまやまなのだが、証拠が掴めないという事らしい。
リュー 「ならば、証人を連れてくれば断罪できるか?」
ゴラン 「…?…そりゃ、まぁ、できるが、連中を捕らえても口を割らないと思うぞ?警備隊より組織からの報復のほうが怖いらしい。」
リューはニヤっと笑った。
リュー 「帰らせてもらうぞ。釈放したチンピラ共が仕返しに来るかもしれんからな、待っててやらないとな。」
ゴラン 「おい、危ないんじゃないか?しばらくどこかに隠れていたほうがいいのでは…?」
リュー 「問題ない。しつこいようなら潰すだけだ。」
ゴラン 「そ、そうか……聞いているよ、君の活躍は。ドラゴンスレイヤーで、東のダンジョンも簡単に踏破してしまったとか?」
だが、リューは自分の話には一切答えず、席を立って出ていってしまった。
・
・
・
・
・
― ― ― ― ― ― ― ―
「それで、おめおめ逃げ帰ってきたのか!」
リューに懲らしめられたチンピラABCDがケンゴに怒鳴られている。
どうやらチンピラ達はケンゴのチームの人間だった。
昼間、ケンゴ自身がリューに痛い目に合わされた事もあり、ケンゴは怒り狂っていた。
ケンゴ達は犯罪組織というほどのものではなく、チンピラが数人集まって始まった愚連隊が、徐々に仲間を増やしてきたにすぎない、所詮はチンピラである。
だが、いい加減、ケンゴも脱チンピラを目指していた。そのために、スラムの三大犯罪組織のひとつ「四夜蝶」の仲間になろうと、その周辺をうろついているのだった。
四夜蝶のほうは、ケンゴ達を仲間と認めたわけではないが、利用できる時は利用している(つまり状況によっては使い捨てにする)という状態である。
縄張りの拡張は、明確に四夜蝶が指示した形ではなく、成果を出せたら正式に仲間にしてやるとケンゴを唆した結果であった。
逮捕されたチンピラ達の釈放は、四夜蝶と裏で繋がっている第一警備隊隊長ボルドの独自判断でやった事なのだが、後でボルトが四夜蝶に恩着せがましく言って金をせびってくるのは間違いないだろう。
結果的に、ケンゴ達は四夜蝶に借りを作る形となってしまう。
四夜蝶の中でのし上がる事を目標としているケンゴには面白くない結果となってしまった。
なんとか挽回しなければならない。
それに、気弱な優男だったリューごときに舐められては、スラム街でやっていけない。
ケンゴは以前から、リューに絡んで、誂ったり時には暴力を奮ったりもしていた。仲間に入れてやろうと誘ってやったのに断られたので、リューを皆でリンチにかけた事もあった。
ただ、今回は、以前のように甘い処罰で済ませる気はない。徹底的に痛めつけ、その後で殺してスラムに晒し上げる。
ケンゴ達のチームの力をスラムの連中に示さなければならないのだ。
ケンゴは仲間を全員集めて、リューの住んでおるアパートに向かった。
・
・
・
・
・
― ― ― ― ― ― ― ―
アパートに帰ったリューはベッドで眠っていたが、予知能力が危険を知らせたため目を覚ました。
リューは神眼の能力でアパートの周囲を探査、ケンゴ達が居る事を把握する。
深夜に騒ぎを起こされても、他の住民にも迷惑なので、リューは自分から出ていく事にした。
「こんな夜中に何のようだ?」
アパートを取り囲んでいたケンゴは、奇襲が失敗した事は悔しかったが、同時に、逃げればいいものを、リューがわざわざ自分から出てきた事については嘲笑も沸いてきた。
ケンゴ 「舐めた真似しやがって!ただで済むと思うなよ!!」
リュー 「大声を出すな、迷惑だろ?」
次の瞬間、ケンゴ達は森の中に居た。リューが転移魔法で全員まとめて移動させたのだ。
もともと薄暗い中であったので、なにかおかしな感覚はあったものの、転移した事にケンゴ達はしばらく気づかなかった。
深夜の森の奥深く、以前リューが焼き払ってしまった事があり、少し開けた草原となっている場所である。明かりなどないが、満月の月明かりで意外と明るく見えている。
「……ここはどこだ?!?!?!」
― ― ― ― ― ― ― ―
次回予告
リューを夜襲しようとしたチンピラ達とリューが戦う
乞うご期待!
だが、出てきたゴランは、申し訳無さそうに、昨日捕まえたチンピラたちが夜のうちに釈放されてしまった事をリューに伝えたのだった。
「申し訳無い。」
頭を下げるゴラン。
リュー 「どういうことだ?」
ゴラン 「色々事情があってな……。」
ゴランはそれ以上何も言わない。
そこでリューは、ゴランが隠している“色々”を知るため心を読もうとした。一瞬だけ、リューの瞳が金色に光る。
だが、微かな時間であったにも関わらず、リューの瞳の色が変わったのをゴランは見逃さなかったようだ。
ゴラン 「…君にはどうやら隠し事はできないようだね。魔眼かい?」
だが、何も答えずゴランをじっと見るリュー。
ゴラン 「ええっと……いや、もともとボーダータウンは我々(第三警備隊)の管轄ではなく、第一警備隊の管轄でね。。。」
渋々話し始めるゴラン。
昨日はたまたま、ボーダータウンの近くをパトロール中の第三警備隊のところに女性が助けを求めてきたので駆けつけたのだと言う。
ゴラン 「だが、自分たちの管轄地域で我々が犯罪者を逮捕したという話を聞きつけた第一警備隊の隊長ボルトが、身柄を引き渡せと言ってきたのだ。やむを得ず引き渡したところ、証拠不十分だと言い出して釈放してしまったらしい。」
リュー 「まるでその隊長はチンピラの仲間みたいだな。」
おそらく、裏でスラムの犯罪組織と繋がっているのだろう、金でも貰って犯罪を見逃しているというところか。
これまで不可侵だったボーダータウンに縄張りを広げようとしてるのも、警備隊を抱き込んだので可能と踏んだのだろう。
ゴラン 「…ボルトには以前からそういう噂はあってな。探りを入れてはいるのだが、証拠がないのだ……。」
どうやらゴランとしてはボルトの不正を糾弾したいのはやまやまなのだが、証拠が掴めないという事らしい。
リュー 「ならば、証人を連れてくれば断罪できるか?」
ゴラン 「…?…そりゃ、まぁ、できるが、連中を捕らえても口を割らないと思うぞ?警備隊より組織からの報復のほうが怖いらしい。」
リューはニヤっと笑った。
リュー 「帰らせてもらうぞ。釈放したチンピラ共が仕返しに来るかもしれんからな、待っててやらないとな。」
ゴラン 「おい、危ないんじゃないか?しばらくどこかに隠れていたほうがいいのでは…?」
リュー 「問題ない。しつこいようなら潰すだけだ。」
ゴラン 「そ、そうか……聞いているよ、君の活躍は。ドラゴンスレイヤーで、東のダンジョンも簡単に踏破してしまったとか?」
だが、リューは自分の話には一切答えず、席を立って出ていってしまった。
・
・
・
・
・
― ― ― ― ― ― ― ―
「それで、おめおめ逃げ帰ってきたのか!」
リューに懲らしめられたチンピラABCDがケンゴに怒鳴られている。
どうやらチンピラ達はケンゴのチームの人間だった。
昼間、ケンゴ自身がリューに痛い目に合わされた事もあり、ケンゴは怒り狂っていた。
ケンゴ達は犯罪組織というほどのものではなく、チンピラが数人集まって始まった愚連隊が、徐々に仲間を増やしてきたにすぎない、所詮はチンピラである。
だが、いい加減、ケンゴも脱チンピラを目指していた。そのために、スラムの三大犯罪組織のひとつ「四夜蝶」の仲間になろうと、その周辺をうろついているのだった。
四夜蝶のほうは、ケンゴ達を仲間と認めたわけではないが、利用できる時は利用している(つまり状況によっては使い捨てにする)という状態である。
縄張りの拡張は、明確に四夜蝶が指示した形ではなく、成果を出せたら正式に仲間にしてやるとケンゴを唆した結果であった。
逮捕されたチンピラ達の釈放は、四夜蝶と裏で繋がっている第一警備隊隊長ボルドの独自判断でやった事なのだが、後でボルトが四夜蝶に恩着せがましく言って金をせびってくるのは間違いないだろう。
結果的に、ケンゴ達は四夜蝶に借りを作る形となってしまう。
四夜蝶の中でのし上がる事を目標としているケンゴには面白くない結果となってしまった。
なんとか挽回しなければならない。
それに、気弱な優男だったリューごときに舐められては、スラム街でやっていけない。
ケンゴは以前から、リューに絡んで、誂ったり時には暴力を奮ったりもしていた。仲間に入れてやろうと誘ってやったのに断られたので、リューを皆でリンチにかけた事もあった。
ただ、今回は、以前のように甘い処罰で済ませる気はない。徹底的に痛めつけ、その後で殺してスラムに晒し上げる。
ケンゴ達のチームの力をスラムの連中に示さなければならないのだ。
ケンゴは仲間を全員集めて、リューの住んでおるアパートに向かった。
・
・
・
・
・
― ― ― ― ― ― ― ―
アパートに帰ったリューはベッドで眠っていたが、予知能力が危険を知らせたため目を覚ました。
リューは神眼の能力でアパートの周囲を探査、ケンゴ達が居る事を把握する。
深夜に騒ぎを起こされても、他の住民にも迷惑なので、リューは自分から出ていく事にした。
「こんな夜中に何のようだ?」
アパートを取り囲んでいたケンゴは、奇襲が失敗した事は悔しかったが、同時に、逃げればいいものを、リューがわざわざ自分から出てきた事については嘲笑も沸いてきた。
ケンゴ 「舐めた真似しやがって!ただで済むと思うなよ!!」
リュー 「大声を出すな、迷惑だろ?」
次の瞬間、ケンゴ達は森の中に居た。リューが転移魔法で全員まとめて移動させたのだ。
もともと薄暗い中であったので、なにかおかしな感覚はあったものの、転移した事にケンゴ達はしばらく気づかなかった。
深夜の森の奥深く、以前リューが焼き払ってしまった事があり、少し開けた草原となっている場所である。明かりなどないが、満月の月明かりで意外と明るく見えている。
「……ここはどこだ?!?!?!」
― ― ― ― ― ― ― ―
次回予告
リューを夜襲しようとしたチンピラ達とリューが戦う
乞うご期待!
あなたにおすすめの小説
クラス転移したからクラスの奴に復讐します
wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。
ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。
だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。
クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。
まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。
閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。
追伸、
雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。
気になった方は是非読んでみてください。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
他サイトにも投稿しております。
※本作品をAIの学習教材として使用することを禁じます。
※無断著作物利用禁止
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。
なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!
冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。
ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。
そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す
名無し
ファンタジー
パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。