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ソックモンキーのモンタロウ
モンタロウの失敗
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《僕はモンタロウ》
《友達のなつみちゃんのお母さんが作ってくれたんだ。なつみちゃんのお母さんは、僕を一足の靴下から作り、なつみちゃんの五歳の誕生日にプレゼントしてくれた、それから僕となつみちゃんはずっと一緒なのさ。
なつみちゃんは、泣き虫だったから保育園に行くときも、そっと黄色の肩掛けカバンの中に入れてくれたんで僕はなつみちゃんと離れる事はなかったし、なつみちゃんもそれを望んでいたんだ。
でも、なつみちゃんが小学校に行くようになってからは、少しつまらない。だって、なつみちゃんには学校の友達ができたから、僕と遊んでくれなくなったからなんだ》
ある日、モンタロウは、なつみちゃんが学校に行っている間に散歩がしたくなり、街まで散歩に出掛ける事にしました。モンタロウが街の玩具店の前まで来た時のことです。
モンタロウは、ショーウインドウに飾られているサルの人形を見つけました。
《なんて、可愛い娘なんだろう》
モンタロウは、その娘に恋をしました。
又、モンタロウは思いました。
《あの娘と友達になれたらな》
そこで、モンタロウは、その娘に声をかけました。
「ねぇ、キミ。僕と友達になってくれないかい?
僕は靴下から作られたソックモンキーだけど、モンタロウという立派な名前だってあるし、サルの仲間の間ではなかなか有名なんだぜ。」
すると、その娘さんはいいました。
「私は、まだ持ち主が決まっていないけれど、保証書付きなのよ。貴方には保証書が付いてるのかしら?」
モンタロウは、答えました。
「僕には、保証書なんてないさ。破れたりしたらなつみちゃんのお母さんが直してくれるから。」
そう言うと家の方へ駆け出しました。
それは、モンタロウが急になつみちゃんに会いたくなったからでしょうか?
それは、保証書なんて言われて急に恥ずかしくなったからでしょうか?
でも、それも少し違いました。
自分と云う存在が、あまりにもちっぽけに思えたからでした。家に帰るとなつみちゃんが学校から帰って来ていました。そこでモンタロウは、なつみちゃんに今日あった出来事を話しました。すると、なつみちゃんは言いました。
「いい考えがあるわ。」
なつみちゃんは、お母さんから、ソックモンキーの作り方を聞くとなんと、女の子のソックモンキーを作り始めました。そうして、モンタロウに友達を作ってくれました。なつみちゃんは、新しい靴下人形にモンコと名前をつけました。
「これからは、私が学校に行っている間は、このモンコさんと遊んでいればいいわ。」
といいました。そして、続けてこうもいいました。
「本当にモンタロウが、ショーウインドウの娘が好きなら、私だってお年玉を貯めてあるから買ってあげることはできたわ。でも、そこから逃げ出したくなったモンタロウの心を考えると同じように保証書なんてないソックモンキーの方が合ってると思ったの。」
モンタロウは《なるほど》と思いました。
自分は手作り人形ということが誇りに思えました。
なぜなら、あの娘にはまだ、持ち主がないと言っていたのを思い出したからでした。《あの娘は、持ち主を待たなくてはならないだから保証書が付いているんだ》とも思いました。《僕にはなつみちゃんがいる、なつみちゃんが作ってくれたモンコさんもいるだから、保証書はなくてもいいんだ》と思いました。
《友達のなつみちゃんのお母さんが作ってくれたんだ。なつみちゃんのお母さんは、僕を一足の靴下から作り、なつみちゃんの五歳の誕生日にプレゼントしてくれた、それから僕となつみちゃんはずっと一緒なのさ。
なつみちゃんは、泣き虫だったから保育園に行くときも、そっと黄色の肩掛けカバンの中に入れてくれたんで僕はなつみちゃんと離れる事はなかったし、なつみちゃんもそれを望んでいたんだ。
でも、なつみちゃんが小学校に行くようになってからは、少しつまらない。だって、なつみちゃんには学校の友達ができたから、僕と遊んでくれなくなったからなんだ》
ある日、モンタロウは、なつみちゃんが学校に行っている間に散歩がしたくなり、街まで散歩に出掛ける事にしました。モンタロウが街の玩具店の前まで来た時のことです。
モンタロウは、ショーウインドウに飾られているサルの人形を見つけました。
《なんて、可愛い娘なんだろう》
モンタロウは、その娘に恋をしました。
又、モンタロウは思いました。
《あの娘と友達になれたらな》
そこで、モンタロウは、その娘に声をかけました。
「ねぇ、キミ。僕と友達になってくれないかい?
僕は靴下から作られたソックモンキーだけど、モンタロウという立派な名前だってあるし、サルの仲間の間ではなかなか有名なんだぜ。」
すると、その娘さんはいいました。
「私は、まだ持ち主が決まっていないけれど、保証書付きなのよ。貴方には保証書が付いてるのかしら?」
モンタロウは、答えました。
「僕には、保証書なんてないさ。破れたりしたらなつみちゃんのお母さんが直してくれるから。」
そう言うと家の方へ駆け出しました。
それは、モンタロウが急になつみちゃんに会いたくなったからでしょうか?
それは、保証書なんて言われて急に恥ずかしくなったからでしょうか?
でも、それも少し違いました。
自分と云う存在が、あまりにもちっぽけに思えたからでした。家に帰るとなつみちゃんが学校から帰って来ていました。そこでモンタロウは、なつみちゃんに今日あった出来事を話しました。すると、なつみちゃんは言いました。
「いい考えがあるわ。」
なつみちゃんは、お母さんから、ソックモンキーの作り方を聞くとなんと、女の子のソックモンキーを作り始めました。そうして、モンタロウに友達を作ってくれました。なつみちゃんは、新しい靴下人形にモンコと名前をつけました。
「これからは、私が学校に行っている間は、このモンコさんと遊んでいればいいわ。」
といいました。そして、続けてこうもいいました。
「本当にモンタロウが、ショーウインドウの娘が好きなら、私だってお年玉を貯めてあるから買ってあげることはできたわ。でも、そこから逃げ出したくなったモンタロウの心を考えると同じように保証書なんてないソックモンキーの方が合ってると思ったの。」
モンタロウは《なるほど》と思いました。
自分は手作り人形ということが誇りに思えました。
なぜなら、あの娘にはまだ、持ち主がないと言っていたのを思い出したからでした。《あの娘は、持ち主を待たなくてはならないだから保証書が付いているんだ》とも思いました。《僕にはなつみちゃんがいる、なつみちゃんが作ってくれたモンコさんもいるだから、保証書はなくてもいいんだ》と思いました。
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