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しおりを挟む半分以上減ったコーヒーをかき回す。向かいに座った葉津希はいつもの柔らかい表情に戻っていた。
「今、春のところにいるんだろう?」
「あー、うん…」
春のことを聞かれてここ数日の幸せな記憶ともやもやした記憶が蘇る。
「春となんかあったか。」
志津希も葉津希もなんでわかるんだよ。奈津希は少しだけ悪態をつく。春との間になにかあるとふたりはわかるらしい。誰かの不安を感じ取ることはあるけど奈津希にとって春の存在はそんなに大きなことなのだろうか。
「迷惑いっぱいかけてるのに、なんにも返せないなぁ…って思って。近くにいてちょっと不安になってるだけ」
ぽつんと奈津希が話すと葉津希は少し考えて口を開いた。
「奈津希に気にするなって言っても気になるんだろうけど春は奈津希のこと迷惑なんて微塵も思ってないと思うぞ。」
「そ、なのかな?」
「あぁ。絶対そうだ。むしろもっと甘えてこいって思ってるだろうな。」
そうなんだろうか。いつか春に葉津希と同じことを言われたけど春にとって奈津希の存在はきっと邪魔でしかないと思ってしまう。春は誰にでも優しいから。奈津希が首をひねっていると葉津希は少しだけ笑ってコーヒーカップを手に取った。
「春にとって奈津希は間違いなく特別だ。だから自信持てばいいんだよ。」
「…葉津希?」
奈津希が春の特別。違う、春はみんな平等。いつだって三つ子のお兄ちゃんだ。そう言おうとして口を開きかけたとき携帯の着信音が軽快になった。
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