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第五章/耐えるようです。
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「あ、あ……あ、ん…………凄い、いっぱい、出て…………はぁ、はぁ…………」
洗い吐息と共に漏らした泉澄の呟きで、俺はやっと自分の失態に気づいた。
「っ……ごめん、つい夢中で……ティッシュ掴む余裕もなかった……」
慌ててボックスティッシュを探すけど、こういうときに限って見つからない。俺の動揺をよそに、泉澄は剥き出しのお腹にこびりついた粘液を指ですくい、観察し始めた。
「……泉澄の、あそこから漏れちゃうのより、濁ってて、ベトベトしてて……これが、精液、なんだね……」
真面目に評論されるのが気恥ずかしくて、俺は黙ってティッシュを探す。
やっと、机の上に置いてあるのを思い出した。剥き出しの股間を引っ込めるみたいに腰を曲げて箱を取りに行き、ベッドに戻ると、泉澄は指にまとわりついた白濁液を、舌でぺろ、と舐めている。
「! お、おい! そんな……口にするなって……」
「……んんん、わ……すごい、イガイガするぅ……」
「食べるものじゃないんだから当たり前だろ。ほら、吐いて」
ティッシュを一枚差し出すが、泉澄はもういちど舌を見せて、悪戯っぽく笑った。
「ちょっと、生臭かった……けど、全然イヤじゃないよ」
「……そうか」
俺は妙にドギマギとしながら、泉澄のお腹に付着した発情の残滓をティッシュで拭う。泉澄は抵抗せず、俺のなすがままに任せていた。
「お兄ちゃんの……血がついちゃってるね」
「え?」一瞬、なにを言っているのか解らなかったけれど、顔を背け、ちらちらと俺の股間に視線を送る仕草でやっと察する。「あ……そうだな。本当に……痛くなかったのか?」
「最初は、けっこう……でも、だんだん、色んな感覚が身体の中でぐちゃぐちゃになって……痛いとか、あんまり気にならなかったよ」
「そうか……」
“なら良かった”と続けようとしたけど、なんだか表現がしっくり来ない気がして、俺は言葉を呑みこんだ。
泉澄のお腹のあたりはだいたい綺麗になったのを確認すると、俺は視線を逸らし気味にして、泉澄の内股にティッシュを近づける。
「あ……そ、そこはいいよ!」
「あ、そ、そうだな。じゃあ、服を――」
「服もいいよ。洗濯しちゃう――っていうか、ティッシュで拭いちゃうと却って染みこんじゃうと思うから」
「……ごめん。なんか面倒かけちゃって」
「謝らないで。お兄ちゃんは、泉澄のお願いに応えてくれただけなんだから」
泉澄はそう言うけれど、カーディガンにねっとりとこびりついた粘液が、いやでも俺の罪悪感を掻き立てた。
「お兄ちゃんの……泉澄が拭いてあげようか?」
「い……いや、いいよ。このあと、シャワー浴びる」
「シャワー……浴びちゃうの?」
「そりゃあ……だって、このまんまじゃ、お互い、ベトベトするだろ?」
俺の言葉に、泉澄は何故か不服そうな表情を浮かべている。なにが気に食わなかったのか、少し考えてみて、俺は恐る恐る提案してみた。
「……泉澄、先に入れば? 泉澄は髪を乾かす時間もあるだろ?」
「あ――うん。そう……だね。じゃあ、そうする」
頷いて、泉澄はベッドから下りる。カーディガンの裾を下に引っ張り、剥き出しの股間のあたりを隠すようにちょこちょことドアの方に歩いていく後ろ姿が可愛すぎて、思わず最後まで見送ってしまった。
羞じらいながら、ひらひら、と手を振ってドアを閉めるのを見届けてから、俺も立ち上がろうとして、は、っとする。
シーツに、コップの水をこぼしたような染みが出来ていた。その中に微かに、濃く黒ずんだ箇所がある。破瓜の血が垂れたあとだ、と気づいた。
――本当に、泉澄の処女を、奪っちゃったんだ。
――俺が、泉澄の最初の“男”になったんだ。
複雑な感情が胸の中で渦を巻く。もやもやとした背徳感のなかに、確実に悦びが含まれているのが解るから、よけいに罪の意識が際立つのを感じた――
洗い吐息と共に漏らした泉澄の呟きで、俺はやっと自分の失態に気づいた。
「っ……ごめん、つい夢中で……ティッシュ掴む余裕もなかった……」
慌ててボックスティッシュを探すけど、こういうときに限って見つからない。俺の動揺をよそに、泉澄は剥き出しのお腹にこびりついた粘液を指ですくい、観察し始めた。
「……泉澄の、あそこから漏れちゃうのより、濁ってて、ベトベトしてて……これが、精液、なんだね……」
真面目に評論されるのが気恥ずかしくて、俺は黙ってティッシュを探す。
やっと、机の上に置いてあるのを思い出した。剥き出しの股間を引っ込めるみたいに腰を曲げて箱を取りに行き、ベッドに戻ると、泉澄は指にまとわりついた白濁液を、舌でぺろ、と舐めている。
「! お、おい! そんな……口にするなって……」
「……んんん、わ……すごい、イガイガするぅ……」
「食べるものじゃないんだから当たり前だろ。ほら、吐いて」
ティッシュを一枚差し出すが、泉澄はもういちど舌を見せて、悪戯っぽく笑った。
「ちょっと、生臭かった……けど、全然イヤじゃないよ」
「……そうか」
俺は妙にドギマギとしながら、泉澄のお腹に付着した発情の残滓をティッシュで拭う。泉澄は抵抗せず、俺のなすがままに任せていた。
「お兄ちゃんの……血がついちゃってるね」
「え?」一瞬、なにを言っているのか解らなかったけれど、顔を背け、ちらちらと俺の股間に視線を送る仕草でやっと察する。「あ……そうだな。本当に……痛くなかったのか?」
「最初は、けっこう……でも、だんだん、色んな感覚が身体の中でぐちゃぐちゃになって……痛いとか、あんまり気にならなかったよ」
「そうか……」
“なら良かった”と続けようとしたけど、なんだか表現がしっくり来ない気がして、俺は言葉を呑みこんだ。
泉澄のお腹のあたりはだいたい綺麗になったのを確認すると、俺は視線を逸らし気味にして、泉澄の内股にティッシュを近づける。
「あ……そ、そこはいいよ!」
「あ、そ、そうだな。じゃあ、服を――」
「服もいいよ。洗濯しちゃう――っていうか、ティッシュで拭いちゃうと却って染みこんじゃうと思うから」
「……ごめん。なんか面倒かけちゃって」
「謝らないで。お兄ちゃんは、泉澄のお願いに応えてくれただけなんだから」
泉澄はそう言うけれど、カーディガンにねっとりとこびりついた粘液が、いやでも俺の罪悪感を掻き立てた。
「お兄ちゃんの……泉澄が拭いてあげようか?」
「い……いや、いいよ。このあと、シャワー浴びる」
「シャワー……浴びちゃうの?」
「そりゃあ……だって、このまんまじゃ、お互い、ベトベトするだろ?」
俺の言葉に、泉澄は何故か不服そうな表情を浮かべている。なにが気に食わなかったのか、少し考えてみて、俺は恐る恐る提案してみた。
「……泉澄、先に入れば? 泉澄は髪を乾かす時間もあるだろ?」
「あ――うん。そう……だね。じゃあ、そうする」
頷いて、泉澄はベッドから下りる。カーディガンの裾を下に引っ張り、剥き出しの股間のあたりを隠すようにちょこちょことドアの方に歩いていく後ろ姿が可愛すぎて、思わず最後まで見送ってしまった。
羞じらいながら、ひらひら、と手を振ってドアを閉めるのを見届けてから、俺も立ち上がろうとして、は、っとする。
シーツに、コップの水をこぼしたような染みが出来ていた。その中に微かに、濃く黒ずんだ箇所がある。破瓜の血が垂れたあとだ、と気づいた。
――本当に、泉澄の処女を、奪っちゃったんだ。
――俺が、泉澄の最初の“男”になったんだ。
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