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全ての始まり
14. 菊生寮 2
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素朴。目の前に映り込んだ寮の建物に対して私が最初に思ったことだ。
屋根が木造だったので軽く嫌な予感はしていた。しかし、予感は見事に的中したのである。
「あのー師匠?」
「なんだよ」
「非常にお聞きしにくいですがね? 建物……くっそ古くない!? 築何年よこれ! 明らかに耐震性能ないだろ! この世界に地震あるのか知らんけど!」
「はあ? 周りをよく見ろ、綺麗じゃないか」
確かに師匠の言う通り寮以外のものはかなり綺麗だった。整備がちゃんとしてあるのだろう。門から寮までの道はしっかり整備されておりレンガ造りである。
ビニールで覆われた畑らしきものもある。それに元の日本では見たことのない駐筝場と書かれている看板が駐輪場の隣に併設されていた。それもちゃんと綺麗である。
辺りを見回してからもう一度師匠を見ると、どうだ? 綺麗だろ? と言わんばかりのドヤ顔だ。
「……フンッ!」
私は師匠の腹に思いっきりボディーブローをかました……がよけられた・
「あっぶな、そんな何発も同じのが食らうと思ってます? アリスさんや」
「……ッチ! でもですよ? どんなに周りがきれいでも住むところがこんなボロボロだったら私住みたくなくなっちまうなー! いくら師匠が私を弟子にしてもー、こんなところに住めって言うんだったらー、私師匠の弟子辞めようかなー!」
ボディーブローが命中しなかった分の嫌味である。先ほどのドヤ顔を返すように渾身のドヤ顔を披露する。
(どうよ! 殴れないなら言葉よ! どうせ殴っても命中しないなら、言葉で殴ればいい! 肉体にダメージが行かなくても精神にダメージが行けばいいんじゃなーい!?)
「はあ……、お前は今日にいたるまで何を見てきたんだ?」
「は? ちょっと何言ってんのかわかんないんだけど? まさか何も言い返せないから負け惜しみ? だっさー!」
「……」
師匠は速足で寮のドアへ歩いていく。
「あれー? おうちに帰っちゃうんですかー? 私ー、どうしようかなー? このままここで暮らせっていうのもあれだしー、師匠の弟子辞めてーほかの国に行っちゃおうかなー? ここよりはましだと思うしー」
「お前は今日、車でここに来るまでいろんな街を通ったな?」
「そうだけど?」
「車の中からいろんな街並みを見たはずだが旧日本の街並みと比べて何か気づかなかったか?」
「う、うーん?」
師匠の言葉で、頭の中を整理してみる……が、雄二さんとの話のせいで街並みはほとんど見てなかった。
「あー、あのー、雄二さんとの話に夢中で外あんま見てなかったかなー」
「そうか、ならしょうがない。ヒントをやろう。どこ行く街も住宅だろうがビルだろうがほとんど形は一緒だったんだ。何故だと思う?」
師匠の手がドアノブを掴んだ。そしてガチャリと回す。
「……なんでだろ? この世界の日本人はあまり見た目を気にしないから?」
「逆だ、旧日本だろうがこの世界の日本人だろうが見た目は気にする」
「じゃあなんで?」
「理由はな……」
師匠はドアを開けた。しかし中の光景は私の想像を軽く超えるものだった。
「魔法で建物の中身好きにできるんなら外観適当で良くね? っていう結論に至ったからだ」
寮の内部は外観の木造とは偉いかけ離れたものであった。というかもはや豪邸と呼べるレベルである。
「え? ……へ? なんで?」
(どゆこと? 外観はあんなにぼろっちかったのに! 中すっげえ豪華じゃん! ていうか超綺麗! 広っ!)
私は記憶の中から答えを探し出す。そしてその答えはくしくも昨日のホテルでの中にあった。
「……あ! 拡張魔法!」
「そうだよ、それで内装自由にできるんなら外観どうでも良くね! ってなった結果がこれです……おぶへえ!」
今度はクリーンヒットした。
「お……おま……なんで……」
「いやー、あのね? 別にこれでもいいんだよ? すっげえきれいじゃん、これなら私も住みたいって思うわ」
「じゃあなんで殴るんじゃ!」
「外観……適当って言っても限度があるだろうが! いいかい? どんなに内装が素晴らしくても外観がくそだったら誰も寄り付かねえぞ? どんなものでも第一印象ってものがあるでしょう?」
「だがな……ここは転生者専用の建物だ、それ以外の人間は住まない」
「いや、そういう問題じゃないだがうーん……ん?」
「どうした?」
「誰か……来てる?」
気のせいだろうか、気配ではない。そんな能力も特技も持ち合わせてはいない。ただ、足音がした。それも…
「誰か……走ってくる?」
「ああ、それなら……」
「龍くぅぅぅぅぅーん!」
「っ!」
師匠の名前を叫びながらこっちに飛んでくる一人の女性。しかし、最終的に女性が抱き着いたのは師匠ではなく、私だった。
「うにゅう?」
「あれぇ? 龍くん背縮んだー? おかしいなー?」
(や、やばい。女性の胸って気持ちいいいい! 大きいいいい!)
自分の髪がわしゃわしゃされることが気にならないほど、女性の胸が大きく柔らかった。
抱き着きたかってであろう師匠のほうは私のこぶしの影響で今立ち上がった。
「俺はこっちだ」
その声が聞こえたのか女性が私から離れる。少し名残惜しかった。
「あは! やっぱりか! すんなり抱き着かせてくれたからついに私と結婚してくれる気になったのかなって思ったけど残念! ……っで? 君が新しい識人【しきじん】?」
「え? は? 識人?」
「あー、ごめんね! この世界の住人は私たち転生者を識人って呼ぶの。なぜかって? まあ後で教えてあげるわ!」
「あの……えっと……」
「うん? どうしたの?」
「自己紹介ぐらいしたらどうだ? 友里、いきなりのことでアリスの頭が止まってる」
「ああ、そうか! ごめんね! 私は友里。普段は学校の事務員をしてるんだ! よろしく!」
「よ、よろしくお願いします」
差し出された手に対しておとなしく握った。勢いに負けたのである。
「それでー? 君が聖霊魔法のユニーク持ち?」
「へ? え? は? なんで……それを……」
私はあわてて師匠の方見る。師匠は当たり前という顔で口を開く。
「友里には昨日の時点でお前のことは伝えてある。言ったろ? 俺が信頼できる人間には教えていくと、友里はその一人だ。ていうか友里にはちょっとほかの事情があって伝えとかなきゃならなかったというのもある。だから伝えた」
この世界に来てまだ間もなくその辺の事情はよく分からない私は師匠の言葉に承諾せざるを得なかった。
(私の力は世界的に見ても貴重だって言っておきながら、もっと重要人物に秘密を話すと思ってたけどただの学校の事務員よ? よくわからんけどもまあ弟子は師匠の言うことは聞いとくべきか……しょうがない。寮の外装はべつとして!)
「まあ師匠がそういうなら」
「あ、それと準備できてるよー」
そういうと友里さんは廊下の奥へ歩き出す。師匠もそれに続いて歩いて行った。
「ちょちょちょ、ちょっと待って! 何の準備ですか?」
私も慌ててついていった。
着いた先は長いテーブルが置かれた部屋だった。恐らく食事等の時に使われる部屋なのだろう。するとテーブルの上に紙と鉛筆が置いてあった。
「ええと、これはいったい……」
「さて、さっさと書いてもらうぞ? 言っておくがお前に拒否権はない!」
「別に拒否権とかどうでもいいですよ! ただ私はこの紙が何なのか知りたいだけだわ!」
「それはな、学校の入学申請書……正確に言えばステア魔法学校の特別入学許可申請書の紙だ」
(ん? んんんん!? おん? 学校? 魔法学校? あんの?)
少しづつここが異世界から離れていくのを感じる私だった。
(ていうか申請書も思いっきり日本語だし……てっきり異世界の言葉とか思った。この世界に異世界の言葉は存在しないんかな……まあ考えてもしょうがないか)
おとなしく椅子に座る。すると師匠が歩き出し部屋を出ようとした。
「あれ? 師匠どこ行くんですか?」
「その紙の書き方は俺より友里に聞け、俺は知らん。それに書くのに多少は時間かかる、それまで荷物を置いてくるだけだ。休憩ぐらいさせてくれ。じゃあ友里よろしく」
「はいはーい!」
そういうと師匠は部屋を後にした。私は鉛筆を手に取り申請書を書きにかかった。
すると、いきなり元の日本ではありえないレイアウトでびっくりする。
「苗字……書くところないんですね」
「この申請書は識人……転生者専用だからね。知ってるでしょ? 転生者たちは例外なく名前はあるけど苗字がないからね、書く必要の無い欄は削除したの。」
(さすがは日本人といったところかな、必要の無いところは削っていく。それがいいところでもあるけど……行き過ぎるのがたまに傷だよねー。行き過ぎた校則とか)
名前を書いていた私だが次の欄ですぐに手を止めてしまった。生年月日の欄である。今日にいたるまで誕生日の概念を忘れていたが年齢は分かるのに誕生日が思い出せなかったのだ。
「あの……友里さん生年月日なんですが……思い出せません」
「大丈夫よ、もう書いてあるから」
「え?何を言って……」
もう一度紙をよく見てみる、するとさっきまで空欄だったはずの生年月日が埋まっていた。自分でも気が付かないうちに。しかし、字はちゃんと自分の字である。ただ月日だけではあったが。
(……何が起きた!? 今必死に思い出そうとしたよな!? それなのにもう書かれてる! なして? 自分で書いた記憶一切ないんだけど! 怖い! いやだわあー)
「この世界に来た人たちが驚くポイントは自分が死んだことだったり魔法が使えることだったりするじゃない? でもね、ここでもちょっと驚くのよね、なぜか年齢しか記憶にないはずの私たちはここで初めていろいろな書類を書くときに誕生日を知るのよ。理由は定かではないけど」
「へ、へえ」
(それはある意味ホラーなのではないかい? 勝手に手が動いたってことだろ? 誰がどう見てもホラーだよ。……でもこれが私の誕生日なんだねちゃんと覚えとこ)
申請用紙の生年月日欄には私の文字で『5月4日』と書かれていた。
いろんな紙を書かされて何分ぐらい経ったろうか、私は友里さんにある質問をした。
「あの、友里さん……さっきから言ってる識人って何ですか?」
「ん? ああ、この世界に住んでる転生者以外の人たちの転生者に対する呼び名かな? ほら私たちってこの世界に転生するとき旧日本や旧世界の知識を持ってくるじゃない? 大抵の新しい転生者は新しい知識を持ってくるから最初は知識人と呼ばれていたらしいけど知識人じゃ呼びずらいし、別にいろんな知識を持ってくるわけじゃない、でもこの世界の住人よりは知識を持ってる、ならちょっと短くして識人っと呼ぶかってなったらしいわよ? 結構昔から呼ばれているらしいから私も詳しくは知らないけど」
「失礼な質問になりますけどおいくつで?」
「しょうがないなあ、今年で30!」
「元の……旧日本に未練とかあります? それとも一回死んだけどこの世界で生きなおそうって割り切れたタイプですか?」
「…………」
(あ、あれ? もしかして結構見え見えの地雷踏んだ?)
「アリスちゃん……」
「ひゃい!」
結構なスピードで周りの空気が重くなっていくのを感じた。
「私ね時々思い出すんだ、誰のかもわからない、もしかしたら親戚かもしれないし友人かもしれない赤ちゃんの顔」
(オーマイガ、おもっくそ地雷踏んどるやん……)
「この世界に転生したとき、何度も思った。記憶の中の男性と私が結婚しててこの赤ちゃんが私のだったら……私は家族を置き去りにしてこの世界に来たってこと……つまりとてつもなく大変なことをしてこの世界にやってきたのかなって、だからねその責任感っていうのかな死のうと思ったこが……」
「それは間違ってます! っとおぶへえ!」
私は何も考えずに立ち上がった。と同時に叫び友里さんに詰め寄った、っと思った。
衝動的に動いたせいで下半身がついて来れずに椅子につまづいて、思いっきりこけて転んでしまった。
(ああ、やっちまったー。かっこよく決めるつもりだったのになー。てか顔痛い)
「って大丈夫? 思いっきり顔ぶつけたけど……」
友里さんから差し出された手を掴み立ち上がる。
「ありがとうございます、いてて。てかそうじゃありません! 友里さん!」
立ち上がるともう一度友里さんに詰め寄る。
「あ、はい」
「友里さんは私が旧日本のこともう忘れたと……割り切れたと思いますか?」
「うーん、ちょっと分からないけど。今日会って少し話した感じ、それはないんじゃないかな? 確証はないけど」
「今の時点では割り切れました。でも、それは昨日いろいろあった結果といいますか……」
昨日の裕也さんの一件を思い出す。師匠に置いてけぼりにされた件はホテルである意味納得はしたがいずれ復讐しようと思う私だ。
「その時に私は両親だとか居たかもしれない兄弟等を置いて先に死んでしまったって思ったらすごく申し訳ない気持ちになりました」
「それはしょうがないね」
「でも思ったんです、いや思うようにしたかな」
「何が?」
「私がこの世界に来たのは何か意味があるんだって。師匠曰く私のユニークは世界的に見ても貴重な存在だって。そう言われたら主人公かもしれないって思うと生きる気力と旧世界の知り合いに死んでごめんなさいでも償いとしてこの世界で頑張って生きていきますと誓ってここにいるんです」
もう自分で何を言っているのかが分からなかった。でもここで反論したいと私の中の誰かが言った。私は主人公であると叫ぶ自分の中の誰かが。
友里さんはこれを聞くと私の頭を優しく撫で始めた。
「え? 友里さん?」
「アリスちゃんはちゃんと考えてるんだなーって。うんそこまで考えてるんなら大丈夫! ちゃんと両親も納得してると思うよ、ちゃんと考えが聞けて安心した」
思わず照れた。
「友里さん一つお願いしてもいいですか?」
「何?」
「その……抱き着いて撫で撫でしてもらってもいいですか」
(女子の特権! 発動するなら今!)
動機は不純である。
「いいよ! おいで!」
そう言われた瞬間、思いっきり友里さんに抱き着いた。
「ふふ、かわいい、よしよし」
「ふふへへ」
(やっべーやわらけー! いい匂いすりゅううう! おっきいいい! きもちいいい!)
「ほう、アリスはそっちが趣味か」
聞きなれた声を聴いた瞬間、顔だけ声の主に向けた。師匠だ。
「違いますー! 女の子のスキンシップですー! ねえ? 友里さん!」
「そうだよー、龍君も来る?」
「いや、俺は遠慮しておく」
「もう弟子の前だからって恥ずかしがらないの! 二人きりの時はいつも求めてくるのにー」
「存在しない歴史と作るな! 俺がいつお前を求めたよ」
「えー? ひどいー! アリスちゃん! 龍君ひどくない!?」
「ひどいですよ師匠! 謝ってください! 友里さん泣いちゃいますよ?」
「びえーん」
「お前らなあ……ったく、アリスは必要なものは書けたのか?」
そういうと師匠は私が書いた書類に目を通していく。
「ちょっとー話をそらさないでくれますー? ……紙はちゃんと書きました」
「そうだよー、ちゃんと謝ってー。……問題なく書いてあるよ」
「そうか、アリス今日はもう自由だ。友里に寮を案内してもらうといい、これからずっと暮らして行くからな」
師匠は部屋を出ようとした。方向は出口の方向だ。
「師匠どこ行くんですか?」
「俺は残っている仕事があるんだ、今から転生局に行ってくる。オブザーバー……観察者って言っても転生者を保護してここまで連れてくるだけが俺の仕事ではないんだ」
「は、はあ」
「じゃあアリスちゃんは私と一緒に寮の中を少し歩こっか」
「はーい」
「あ、そうだ言い忘れてた。明日も朝早いからな、7時起床。明日もいろいろ準備がいっぱいあるんだ」
「7時って早くない? 何しに行くの?」
「お前が書いた書類の一枚…魔法学校の入学式が明後日行われる。明日は学校に必要なものをそろえに行くんだよ」
「え!? 明後日!? って今日は何日ですか入学の準備ってもう少し前からやるんじゃないの?」
「今日は4月3日だ、転生者は必ず月のはじめ……一日にやってくる……性別も年齢も分からないんだ、準備のしようがない。だから明日一日で終わらせる」
「わーお、急や」
「じゃあな明日起きてろよ、まあ起きなくても起こすが……」
そういうと師匠は私が書いたものの数枚を手に取り、足早に寮を出ていった。
「もう勝手だなー」
「まあアリスちゃんが思っているより龍君の仕事内容はハードだよ? 休日なんてほとんどないんじゃないかな」
「その仕事に私を強制的に就かせようとしてんすけど」
「主人公なんでしょ? それぐらい我慢しなきゃ、主人公は自ら困難に立ち向かっていくものじゃない!」
「……」
「でも今更やっぱ主人公じゃないってのは通用しないよ? 君のユニークを見る限り、龍君とはまた違う主人公の素質持ってるから誰が見ても主人公だね」
(逃げ道がない……オワタ)
その後、私と友里さんは菊生寮観光の旅に出た。
屋根が木造だったので軽く嫌な予感はしていた。しかし、予感は見事に的中したのである。
「あのー師匠?」
「なんだよ」
「非常にお聞きしにくいですがね? 建物……くっそ古くない!? 築何年よこれ! 明らかに耐震性能ないだろ! この世界に地震あるのか知らんけど!」
「はあ? 周りをよく見ろ、綺麗じゃないか」
確かに師匠の言う通り寮以外のものはかなり綺麗だった。整備がちゃんとしてあるのだろう。門から寮までの道はしっかり整備されておりレンガ造りである。
ビニールで覆われた畑らしきものもある。それに元の日本では見たことのない駐筝場と書かれている看板が駐輪場の隣に併設されていた。それもちゃんと綺麗である。
辺りを見回してからもう一度師匠を見ると、どうだ? 綺麗だろ? と言わんばかりのドヤ顔だ。
「……フンッ!」
私は師匠の腹に思いっきりボディーブローをかました……がよけられた・
「あっぶな、そんな何発も同じのが食らうと思ってます? アリスさんや」
「……ッチ! でもですよ? どんなに周りがきれいでも住むところがこんなボロボロだったら私住みたくなくなっちまうなー! いくら師匠が私を弟子にしてもー、こんなところに住めって言うんだったらー、私師匠の弟子辞めようかなー!」
ボディーブローが命中しなかった分の嫌味である。先ほどのドヤ顔を返すように渾身のドヤ顔を披露する。
(どうよ! 殴れないなら言葉よ! どうせ殴っても命中しないなら、言葉で殴ればいい! 肉体にダメージが行かなくても精神にダメージが行けばいいんじゃなーい!?)
「はあ……、お前は今日にいたるまで何を見てきたんだ?」
「は? ちょっと何言ってんのかわかんないんだけど? まさか何も言い返せないから負け惜しみ? だっさー!」
「……」
師匠は速足で寮のドアへ歩いていく。
「あれー? おうちに帰っちゃうんですかー? 私ー、どうしようかなー? このままここで暮らせっていうのもあれだしー、師匠の弟子辞めてーほかの国に行っちゃおうかなー? ここよりはましだと思うしー」
「お前は今日、車でここに来るまでいろんな街を通ったな?」
「そうだけど?」
「車の中からいろんな街並みを見たはずだが旧日本の街並みと比べて何か気づかなかったか?」
「う、うーん?」
師匠の言葉で、頭の中を整理してみる……が、雄二さんとの話のせいで街並みはほとんど見てなかった。
「あー、あのー、雄二さんとの話に夢中で外あんま見てなかったかなー」
「そうか、ならしょうがない。ヒントをやろう。どこ行く街も住宅だろうがビルだろうがほとんど形は一緒だったんだ。何故だと思う?」
師匠の手がドアノブを掴んだ。そしてガチャリと回す。
「……なんでだろ? この世界の日本人はあまり見た目を気にしないから?」
「逆だ、旧日本だろうがこの世界の日本人だろうが見た目は気にする」
「じゃあなんで?」
「理由はな……」
師匠はドアを開けた。しかし中の光景は私の想像を軽く超えるものだった。
「魔法で建物の中身好きにできるんなら外観適当で良くね? っていう結論に至ったからだ」
寮の内部は外観の木造とは偉いかけ離れたものであった。というかもはや豪邸と呼べるレベルである。
「え? ……へ? なんで?」
(どゆこと? 外観はあんなにぼろっちかったのに! 中すっげえ豪華じゃん! ていうか超綺麗! 広っ!)
私は記憶の中から答えを探し出す。そしてその答えはくしくも昨日のホテルでの中にあった。
「……あ! 拡張魔法!」
「そうだよ、それで内装自由にできるんなら外観どうでも良くね! ってなった結果がこれです……おぶへえ!」
今度はクリーンヒットした。
「お……おま……なんで……」
「いやー、あのね? 別にこれでもいいんだよ? すっげえきれいじゃん、これなら私も住みたいって思うわ」
「じゃあなんで殴るんじゃ!」
「外観……適当って言っても限度があるだろうが! いいかい? どんなに内装が素晴らしくても外観がくそだったら誰も寄り付かねえぞ? どんなものでも第一印象ってものがあるでしょう?」
「だがな……ここは転生者専用の建物だ、それ以外の人間は住まない」
「いや、そういう問題じゃないだがうーん……ん?」
「どうした?」
「誰か……来てる?」
気のせいだろうか、気配ではない。そんな能力も特技も持ち合わせてはいない。ただ、足音がした。それも…
「誰か……走ってくる?」
「ああ、それなら……」
「龍くぅぅぅぅぅーん!」
「っ!」
師匠の名前を叫びながらこっちに飛んでくる一人の女性。しかし、最終的に女性が抱き着いたのは師匠ではなく、私だった。
「うにゅう?」
「あれぇ? 龍くん背縮んだー? おかしいなー?」
(や、やばい。女性の胸って気持ちいいいい! 大きいいいい!)
自分の髪がわしゃわしゃされることが気にならないほど、女性の胸が大きく柔らかった。
抱き着きたかってであろう師匠のほうは私のこぶしの影響で今立ち上がった。
「俺はこっちだ」
その声が聞こえたのか女性が私から離れる。少し名残惜しかった。
「あは! やっぱりか! すんなり抱き着かせてくれたからついに私と結婚してくれる気になったのかなって思ったけど残念! ……っで? 君が新しい識人【しきじん】?」
「え? は? 識人?」
「あー、ごめんね! この世界の住人は私たち転生者を識人って呼ぶの。なぜかって? まあ後で教えてあげるわ!」
「あの……えっと……」
「うん? どうしたの?」
「自己紹介ぐらいしたらどうだ? 友里、いきなりのことでアリスの頭が止まってる」
「ああ、そうか! ごめんね! 私は友里。普段は学校の事務員をしてるんだ! よろしく!」
「よ、よろしくお願いします」
差し出された手に対しておとなしく握った。勢いに負けたのである。
「それでー? 君が聖霊魔法のユニーク持ち?」
「へ? え? は? なんで……それを……」
私はあわてて師匠の方見る。師匠は当たり前という顔で口を開く。
「友里には昨日の時点でお前のことは伝えてある。言ったろ? 俺が信頼できる人間には教えていくと、友里はその一人だ。ていうか友里にはちょっとほかの事情があって伝えとかなきゃならなかったというのもある。だから伝えた」
この世界に来てまだ間もなくその辺の事情はよく分からない私は師匠の言葉に承諾せざるを得なかった。
(私の力は世界的に見ても貴重だって言っておきながら、もっと重要人物に秘密を話すと思ってたけどただの学校の事務員よ? よくわからんけどもまあ弟子は師匠の言うことは聞いとくべきか……しょうがない。寮の外装はべつとして!)
「まあ師匠がそういうなら」
「あ、それと準備できてるよー」
そういうと友里さんは廊下の奥へ歩き出す。師匠もそれに続いて歩いて行った。
「ちょちょちょ、ちょっと待って! 何の準備ですか?」
私も慌ててついていった。
着いた先は長いテーブルが置かれた部屋だった。恐らく食事等の時に使われる部屋なのだろう。するとテーブルの上に紙と鉛筆が置いてあった。
「ええと、これはいったい……」
「さて、さっさと書いてもらうぞ? 言っておくがお前に拒否権はない!」
「別に拒否権とかどうでもいいですよ! ただ私はこの紙が何なのか知りたいだけだわ!」
「それはな、学校の入学申請書……正確に言えばステア魔法学校の特別入学許可申請書の紙だ」
(ん? んんんん!? おん? 学校? 魔法学校? あんの?)
少しづつここが異世界から離れていくのを感じる私だった。
(ていうか申請書も思いっきり日本語だし……てっきり異世界の言葉とか思った。この世界に異世界の言葉は存在しないんかな……まあ考えてもしょうがないか)
おとなしく椅子に座る。すると師匠が歩き出し部屋を出ようとした。
「あれ? 師匠どこ行くんですか?」
「その紙の書き方は俺より友里に聞け、俺は知らん。それに書くのに多少は時間かかる、それまで荷物を置いてくるだけだ。休憩ぐらいさせてくれ。じゃあ友里よろしく」
「はいはーい!」
そういうと師匠は部屋を後にした。私は鉛筆を手に取り申請書を書きにかかった。
すると、いきなり元の日本ではありえないレイアウトでびっくりする。
「苗字……書くところないんですね」
「この申請書は識人……転生者専用だからね。知ってるでしょ? 転生者たちは例外なく名前はあるけど苗字がないからね、書く必要の無い欄は削除したの。」
(さすがは日本人といったところかな、必要の無いところは削っていく。それがいいところでもあるけど……行き過ぎるのがたまに傷だよねー。行き過ぎた校則とか)
名前を書いていた私だが次の欄ですぐに手を止めてしまった。生年月日の欄である。今日にいたるまで誕生日の概念を忘れていたが年齢は分かるのに誕生日が思い出せなかったのだ。
「あの……友里さん生年月日なんですが……思い出せません」
「大丈夫よ、もう書いてあるから」
「え?何を言って……」
もう一度紙をよく見てみる、するとさっきまで空欄だったはずの生年月日が埋まっていた。自分でも気が付かないうちに。しかし、字はちゃんと自分の字である。ただ月日だけではあったが。
(……何が起きた!? 今必死に思い出そうとしたよな!? それなのにもう書かれてる! なして? 自分で書いた記憶一切ないんだけど! 怖い! いやだわあー)
「この世界に来た人たちが驚くポイントは自分が死んだことだったり魔法が使えることだったりするじゃない? でもね、ここでもちょっと驚くのよね、なぜか年齢しか記憶にないはずの私たちはここで初めていろいろな書類を書くときに誕生日を知るのよ。理由は定かではないけど」
「へ、へえ」
(それはある意味ホラーなのではないかい? 勝手に手が動いたってことだろ? 誰がどう見てもホラーだよ。……でもこれが私の誕生日なんだねちゃんと覚えとこ)
申請用紙の生年月日欄には私の文字で『5月4日』と書かれていた。
いろんな紙を書かされて何分ぐらい経ったろうか、私は友里さんにある質問をした。
「あの、友里さん……さっきから言ってる識人って何ですか?」
「ん? ああ、この世界に住んでる転生者以外の人たちの転生者に対する呼び名かな? ほら私たちってこの世界に転生するとき旧日本や旧世界の知識を持ってくるじゃない? 大抵の新しい転生者は新しい知識を持ってくるから最初は知識人と呼ばれていたらしいけど知識人じゃ呼びずらいし、別にいろんな知識を持ってくるわけじゃない、でもこの世界の住人よりは知識を持ってる、ならちょっと短くして識人っと呼ぶかってなったらしいわよ? 結構昔から呼ばれているらしいから私も詳しくは知らないけど」
「失礼な質問になりますけどおいくつで?」
「しょうがないなあ、今年で30!」
「元の……旧日本に未練とかあります? それとも一回死んだけどこの世界で生きなおそうって割り切れたタイプですか?」
「…………」
(あ、あれ? もしかして結構見え見えの地雷踏んだ?)
「アリスちゃん……」
「ひゃい!」
結構なスピードで周りの空気が重くなっていくのを感じた。
「私ね時々思い出すんだ、誰のかもわからない、もしかしたら親戚かもしれないし友人かもしれない赤ちゃんの顔」
(オーマイガ、おもっくそ地雷踏んどるやん……)
「この世界に転生したとき、何度も思った。記憶の中の男性と私が結婚しててこの赤ちゃんが私のだったら……私は家族を置き去りにしてこの世界に来たってこと……つまりとてつもなく大変なことをしてこの世界にやってきたのかなって、だからねその責任感っていうのかな死のうと思ったこが……」
「それは間違ってます! っとおぶへえ!」
私は何も考えずに立ち上がった。と同時に叫び友里さんに詰め寄った、っと思った。
衝動的に動いたせいで下半身がついて来れずに椅子につまづいて、思いっきりこけて転んでしまった。
(ああ、やっちまったー。かっこよく決めるつもりだったのになー。てか顔痛い)
「って大丈夫? 思いっきり顔ぶつけたけど……」
友里さんから差し出された手を掴み立ち上がる。
「ありがとうございます、いてて。てかそうじゃありません! 友里さん!」
立ち上がるともう一度友里さんに詰め寄る。
「あ、はい」
「友里さんは私が旧日本のこともう忘れたと……割り切れたと思いますか?」
「うーん、ちょっと分からないけど。今日会って少し話した感じ、それはないんじゃないかな? 確証はないけど」
「今の時点では割り切れました。でも、それは昨日いろいろあった結果といいますか……」
昨日の裕也さんの一件を思い出す。師匠に置いてけぼりにされた件はホテルである意味納得はしたがいずれ復讐しようと思う私だ。
「その時に私は両親だとか居たかもしれない兄弟等を置いて先に死んでしまったって思ったらすごく申し訳ない気持ちになりました」
「それはしょうがないね」
「でも思ったんです、いや思うようにしたかな」
「何が?」
「私がこの世界に来たのは何か意味があるんだって。師匠曰く私のユニークは世界的に見ても貴重な存在だって。そう言われたら主人公かもしれないって思うと生きる気力と旧世界の知り合いに死んでごめんなさいでも償いとしてこの世界で頑張って生きていきますと誓ってここにいるんです」
もう自分で何を言っているのかが分からなかった。でもここで反論したいと私の中の誰かが言った。私は主人公であると叫ぶ自分の中の誰かが。
友里さんはこれを聞くと私の頭を優しく撫で始めた。
「え? 友里さん?」
「アリスちゃんはちゃんと考えてるんだなーって。うんそこまで考えてるんなら大丈夫! ちゃんと両親も納得してると思うよ、ちゃんと考えが聞けて安心した」
思わず照れた。
「友里さん一つお願いしてもいいですか?」
「何?」
「その……抱き着いて撫で撫でしてもらってもいいですか」
(女子の特権! 発動するなら今!)
動機は不純である。
「いいよ! おいで!」
そう言われた瞬間、思いっきり友里さんに抱き着いた。
「ふふ、かわいい、よしよし」
「ふふへへ」
(やっべーやわらけー! いい匂いすりゅううう! おっきいいい! きもちいいい!)
「ほう、アリスはそっちが趣味か」
聞きなれた声を聴いた瞬間、顔だけ声の主に向けた。師匠だ。
「違いますー! 女の子のスキンシップですー! ねえ? 友里さん!」
「そうだよー、龍君も来る?」
「いや、俺は遠慮しておく」
「もう弟子の前だからって恥ずかしがらないの! 二人きりの時はいつも求めてくるのにー」
「存在しない歴史と作るな! 俺がいつお前を求めたよ」
「えー? ひどいー! アリスちゃん! 龍君ひどくない!?」
「ひどいですよ師匠! 謝ってください! 友里さん泣いちゃいますよ?」
「びえーん」
「お前らなあ……ったく、アリスは必要なものは書けたのか?」
そういうと師匠は私が書いた書類に目を通していく。
「ちょっとー話をそらさないでくれますー? ……紙はちゃんと書きました」
「そうだよー、ちゃんと謝ってー。……問題なく書いてあるよ」
「そうか、アリス今日はもう自由だ。友里に寮を案内してもらうといい、これからずっと暮らして行くからな」
師匠は部屋を出ようとした。方向は出口の方向だ。
「師匠どこ行くんですか?」
「俺は残っている仕事があるんだ、今から転生局に行ってくる。オブザーバー……観察者って言っても転生者を保護してここまで連れてくるだけが俺の仕事ではないんだ」
「は、はあ」
「じゃあアリスちゃんは私と一緒に寮の中を少し歩こっか」
「はーい」
「あ、そうだ言い忘れてた。明日も朝早いからな、7時起床。明日もいろいろ準備がいっぱいあるんだ」
「7時って早くない? 何しに行くの?」
「お前が書いた書類の一枚…魔法学校の入学式が明後日行われる。明日は学校に必要なものをそろえに行くんだよ」
「え!? 明後日!? って今日は何日ですか入学の準備ってもう少し前からやるんじゃないの?」
「今日は4月3日だ、転生者は必ず月のはじめ……一日にやってくる……性別も年齢も分からないんだ、準備のしようがない。だから明日一日で終わらせる」
「わーお、急や」
「じゃあな明日起きてろよ、まあ起きなくても起こすが……」
そういうと師匠は私が書いたものの数枚を手に取り、足早に寮を出ていった。
「もう勝手だなー」
「まあアリスちゃんが思っているより龍君の仕事内容はハードだよ? 休日なんてほとんどないんじゃないかな」
「その仕事に私を強制的に就かせようとしてんすけど」
「主人公なんでしょ? それぐらい我慢しなきゃ、主人公は自ら困難に立ち向かっていくものじゃない!」
「……」
「でも今更やっぱ主人公じゃないってのは通用しないよ? 君のユニークを見る限り、龍君とはまた違う主人公の素質持ってるから誰が見ても主人公だね」
(逃げ道がない……オワタ)
その後、私と友里さんは菊生寮観光の旅に出た。
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