18 / 24
貴族男性と平民の町娘の恋の結末
第四話 貴族の既婚男性と不倫関係にある馬鹿な女の結末
しおりを挟む
あのディナーから半年、私は実家から出ることになり、馬車に揺られていた。
奥様にバレて断罪されて島流しにあったからではない。
なんと、彼と一緒に彼の領地に行くための旅の途中なのだ。
自分でも信じられない!!
あの時、レストランで「妻と別れることが決まった。待たせてごめん」と言われたあの瞬間を何度も思い出す。彼はそれから奥様とのことを色々と話してくれた。
奥様がずっとお抱えの商人と不倫していたこと、奥様の不倫を理由に別れ話を切り出しても逆ギレされて進展しなかったこと、それでも奥様を家族として大切に思う気持ちも僅かにあり、放り出せなかったこと。別れ話は根気よく続けていたこと。
そして、奥様と不倫相手の商人との間に子供が出来てあっさりと離婚することになったこと……。
すべてを聞いて妙に納得してしまった。
誘った私が言うのもおかしいが、彼ほど真面目な人間が奥様がいながら長い間不倫をしていることが不思議でしかたがなかった。彼は私に何も話さないことで、変な期待を持たせないようにして私の逃げ道を作っていたのだ。「もう少し待って欲しい」と言った時はお酒が入ってつい本音が出てしまったようだ。
彼と結婚することが決まり、今までの私たちのことを初めて姉や親友に話した。
なんでもっと早く話さないんだと叱られてしまった。
私が断罪されたらと思うと怖くて仕方がないと泣いてくれた。
何より驚いたことが、みんな口を揃えて彼をクズだと言ったことだった。『結婚生活が破綻しているなら早く言えよ』とか『指輪なんて会う時くらい外せよ』とか『子供が出来なかったら別れなかったのかよ』とか、とにかく言いたい放題だった。
それなのに彼を姉と親友に紹介したら、たった一日ですっかり彼のことを気に入ってしまった。私は笑うしかなかった。
何度も羨ましいと言われてなんだかくすぐったい気持ちになった。
貴族の既婚男性と不倫関係にある馬鹿な女の結末なんて、正直とてもつまらないものだと思う。
その考えは今でも変わらない。
それでも私は私の人生を幸せな結末にしてみせる。彼とならそれが出来ると信じている。
=== 完 ===
奥様にバレて断罪されて島流しにあったからではない。
なんと、彼と一緒に彼の領地に行くための旅の途中なのだ。
自分でも信じられない!!
あの時、レストランで「妻と別れることが決まった。待たせてごめん」と言われたあの瞬間を何度も思い出す。彼はそれから奥様とのことを色々と話してくれた。
奥様がずっとお抱えの商人と不倫していたこと、奥様の不倫を理由に別れ話を切り出しても逆ギレされて進展しなかったこと、それでも奥様を家族として大切に思う気持ちも僅かにあり、放り出せなかったこと。別れ話は根気よく続けていたこと。
そして、奥様と不倫相手の商人との間に子供が出来てあっさりと離婚することになったこと……。
すべてを聞いて妙に納得してしまった。
誘った私が言うのもおかしいが、彼ほど真面目な人間が奥様がいながら長い間不倫をしていることが不思議でしかたがなかった。彼は私に何も話さないことで、変な期待を持たせないようにして私の逃げ道を作っていたのだ。「もう少し待って欲しい」と言った時はお酒が入ってつい本音が出てしまったようだ。
彼と結婚することが決まり、今までの私たちのことを初めて姉や親友に話した。
なんでもっと早く話さないんだと叱られてしまった。
私が断罪されたらと思うと怖くて仕方がないと泣いてくれた。
何より驚いたことが、みんな口を揃えて彼をクズだと言ったことだった。『結婚生活が破綻しているなら早く言えよ』とか『指輪なんて会う時くらい外せよ』とか『子供が出来なかったら別れなかったのかよ』とか、とにかく言いたい放題だった。
それなのに彼を姉と親友に紹介したら、たった一日ですっかり彼のことを気に入ってしまった。私は笑うしかなかった。
何度も羨ましいと言われてなんだかくすぐったい気持ちになった。
貴族の既婚男性と不倫関係にある馬鹿な女の結末なんて、正直とてもつまらないものだと思う。
その考えは今でも変わらない。
それでも私は私の人生を幸せな結末にしてみせる。彼とならそれが出来ると信じている。
=== 完 ===
451
あなたにおすすめの小説
婚約破棄寸前、私に何をお望みですか?
みこと。
恋愛
男爵令嬢マチルダが現れてから、王子ベイジルとセシリアの仲はこじれるばかり。
婚約破棄も時間の問題かと危ぶまれる中、ある日王宮から、公爵家のセシリアに呼び出しがかかる。
なんとベイジルが王家の禁術を用い、過去の自分と精神を入れ替えたという。
(つまり今目の前にいる十八歳の王子の中身は、八歳の、私と仲が良かった頃の殿下?)
ベイジルの真意とは。そしてセシリアとの関係はどうなる?
※他サイトにも掲載しています。
とある侯爵令息の婚約と結婚
ふじよし
恋愛
ノーリッシュ侯爵の令息ダニエルはリグリー伯爵の令嬢アイリスと婚約していた。けれど彼は婚約から半年、アイリスの義妹カレンと婚約することに。社交界では格好の噂になっている。
今回のノーリッシュ侯爵とリグリー伯爵の縁を結ぶための結婚だった。政略としては婚約者が姉妹で入れ替わることに問題はないだろうけれど……
【完結済み】妹の婚約者に、恋をした
鈴蘭
恋愛
妹を溺愛する母親と、仕事ばかりしている父親。
刺繍やレース編みが好きなマーガレットは、両親にプレゼントしようとするが、何時も妹に横取りされてしまう。
可愛がって貰えず、愛情に飢えていたマーガレットは、気遣ってくれた妹の婚約者に恋をしてしまった。
無事完結しました。
妹と王子殿下は両想いのようなので、私は身を引かせてもらいます。
木山楽斗
恋愛
侯爵令嬢であるラナシアは、第三王子との婚約を喜んでいた。
民を重んじるというラナシアの考えに彼は同調しており、良き夫婦になれると彼女は考えていたのだ。
しかしその期待は、呆気なく裏切られることになった。
第三王子は心の中では民を見下しており、ラナシアの妹と結託して侯爵家を手に入れようとしていたのである。
婚約者の本性を知ったラナシアは、二人の計画を止めるべく行動を開始した。
そこで彼女は、公爵と平民との間にできた妾の子の公爵令息ジオルトと出会う。
その出自故に第三王子と対立している彼は、ラナシアに協力を申し出てきた。
半ば強引なその申し出をラナシアが受け入れたことで、二人は協力関係となる。
二人は王家や公爵家、侯爵家の協力を取り付けながら、着々と準備を進めた。
その結果、妹と第三王子が計画を実行するよりも前に、ラナシアとジオルトの作戦が始まったのだった。
悪役令嬢の私が転校生をイジメたといわれて断罪されそうです
白雨あめ
恋愛
「君との婚約を破棄する! この学園から去れ!」
国の第一王子であるシルヴァの婚約者である伯爵令嬢アリン。彼女は転校生をイジメたという理由から、突然王子に婚約破棄を告げられてしまう。
目の前が真っ暗になり、立ち尽くす彼女の傍に歩み寄ってきたのは王子の側近、公爵令息クリスだった。
※2話完結。
乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!
ユウ
恋愛
平凡な伯爵令嬢のリネットは優しい婚約者と妹と穏やかで幸福な日々を送っていた。
相手は公爵家の嫡男であり第一王子殿下の側近で覚えもめでたく社交界の憧れの漆黒の騎士と呼ばれる貴族令息だった。
結婚式前夜、婚約者の妹に会いに学園に向かったが、そこで事件が起きる。
現在学園で騒動を起こしている第二王子とその友人達に勘違いから暴行を受け階段から落ちてしまう…
その時に前世の記憶を取り戻すのだった…
「悪役令嬢の兄の婚約者って…」
なんとも微妙なポジション。
しかも結婚前夜で傷物になる失態を犯してしまったリネットは婚約解消を望むのだが、悪役令嬢の義妹が王子に婚約破棄を突きつける事件に発展してしまう。
婚約破棄した王子は年下の幼馴染を溺愛「彼女を本気で愛してる結婚したい」国王「許さん!一緒に国外追放する」
佐藤 美奈
恋愛
「僕はアンジェラと婚約破棄する!本当は幼馴染のニーナを愛しているんだ」
アンジェラ・グラール公爵令嬢とロバート・エヴァンス王子との婚約発表および、お披露目イベントが行われていたが突然のロバートの主張で会場から大きなどよめきが起きた。
「お前は何を言っているんだ!頭がおかしくなったのか?」
アンドレア国王の怒鳴り声が響いて静まった会場。その舞台で親子喧嘩が始まって収拾のつかぬ混乱ぶりは目を覆わんばかりでした。
気まずい雰囲気が漂っている中、婚約披露パーティーは早々に切り上げられることになった。アンジェラの一生一度の晴れ舞台は、婚約者のロバートに台なしにされてしまった。
【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜
くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。
味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。
――けれど、彼らは知らなかった。
彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。
すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、
復讐ではなく「関わらない」という選択。
だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる