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巻1*5人の美人殺し屋たち
Mission.5 そのハートを射抜け!
しおりを挟むカメリアは腕を組んで
態度悪く俺の隣に立つ。
「機嫌悪いな。」
「そりゃ悪いわよ。
どうして私がマゼンダの婚約者を
出迎えたりしないといけないわけ?
ってゆうか!
あいつらが来てから調子狂いっぱなし!
ミッションと関係ない爆破が起きたり、
銃の種類がやたらと増えたり!」
「ライムとヤリそうになったり?」
カメリアは俺を見上げると
顔を真っ赤にして
何か言おうとしてから唇を噛んだ。
「シラサギから聞いたぞ。
俺とアッシュは口に触れなかったが、
どんな感覚だった?」
「言いたくないわ」
「濡れたか?」
カメリアが投げてきた短刀を交わす。
しばらくするとボスが来て
カメリアの投げた短刀を壁から抜き
カメリアに渡した。
「カメリアっていつになったら
的に当てられるようになるの?
銃もナイフも、当たってるの見たことないんだけど。
マゼンダ、教育怠ってる?」
ボスが俺に銃を突きつける。
隣でカメリアは焦るが
俺は冷静に本当のことを答える。
「教育を怠ってるつもりはありません。
ただ、カメリアが俺の予想を上回って下手なだけです」
「どうでも良いけど、
使えないなら早く死んで欲しい」
ボスの銃口がカメリアに向く。
焦るカメリアを見て、俺はボスの銃を掴み、下げさせた。
ボスは少しだけ笑って銃をしまう。
「今日はマゼンダの四人目の婚約者が
この道を通るからな。血塗れにするなよ」
「なんか、他の子達と扱いが違いません?」
カメリアの言葉に
ボスは口角を少し上げた。
「彼女は特別だからね」
ボスがそう告げた後、
ロータリーには豪勢なリムジンが停まる。
そして、そこからは
アジアン系のドレスを纏った
黒と赤の混じった様な髪色の、細くて色の白い女が降りてくる。
その女を囲う様に警護も配置された。
「初めまして、ミスターマゼンダ。
こちら、我がファミリー“シィン・ユエ”のボス、ツクヨミ様のご令嬢、カグヤ様でございます。
この度はご婚約おめでとう御座います。
つまらないものではございますが、
こちら、お納めください。」
桐箱の中身は小刀だった。
俺がそれを手にした瞬間、
警護が一気に俺に襲い掛かる。
俺は手にした小刀で
手近な連中の喉元を順に切っていき、
刃がこぼれたところで
腰に用意していた拳銃で全員を射殺する。
ロータリーには数名の死体が
バタバタと転がり落ちた。
カグヤと呼ばれた女性は
その死体を見て愉快そうに笑った後
ガーターベルトに刺してあったのであろう短刀を
後ろから追いかけてきた男の
おでこに突き刺さるように投げる。
男の身体は叫んだのち、
そのまま血を流して倒れた。
「こんな愉快なお出迎えは初めて。」
そう言ってカグヤは微笑みながら
俺に右手を差し出した。
「你好。
私はカグヤ。貴方の婚約者候補よ。
肩書きはさっき説明のあった通り。
こう見えて、マフィアの令嬢なの。
たった今、捨てられたけれど。」
笑えなかった。
隣でカメリアも
困惑した様な表情をしている。
ボスだけが楽しそうに拍手をしてから
カグヤに軽く会釈した。
「どーも、ミス・カグヤ。
私はMr.サンシャイン。
君のお父上のファミリーの末端に
スパイが紛れていると聞いてね。
まあでもこれだけ死んでしまっては
どれがどれか、分からないな。」
「えぇ。スパイだったのは恐らく、
最初にマゼンダに飛びかかった愚かな男でございます。
彼はいつも率先して私の世話をしたがっておりました。
父から詳しくは聞いておりませんが
私はその、末端スパイ駆除の取引の報酬として
ミスターマゼンダに差し出されると考えてよろしいのでしょうか。」
ボスはカグヤの言葉に頷いた。
カメリアは隣で今も尚、
青ざめた表情でカグヤを呆然と見つめている。
カグヤはカメリアを一瞥すると
カメリアの手を握った。
「大丈夫ですか?
顔色が悪いです。」
カグヤの言葉にカメリアは
伸びた髪をかき上げた後、カグヤの手を払う。
「あ、あなた…。…自分で何言ってるか分かってるの?」
「えぇ。
私は私なりに深く理解しております。
女に生まれた者が交渉の材料にされることなど、
1000年以上も昔からある、ありきたりなことですよ。」
潔い態度は好感が持てる。
好意は口にしなければ。
「俺も、殺し屋に生まれた身として
自分が死ぬことや条件に利用されることに
何も抵抗がない。
プロ意識が似ている部分は
カグヤと話が合いそうだ。」
「まあ、嬉しい。
私も、せっかく婚姻関係を結ぶなら
愛し合えるのが最善だと思ってます。」
気持ちは素直に伝える。
それは恋愛において
最も大切なルールなのである。
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