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第1章 異世界転移
第2話
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『………ター、お…………さい! マ…ター! 』
(煩いな…、もう少し寝かせてくれよ……)
『…スター!起き……! マスター!! 』
何だか頭が重い…まるで二日酔いのようだ……。
(二日酔い? ……あれ?昨夜酒なんか飲んだっけ……)
『マスター!! 』
……………………………………
……………………………
………………っつ!?
『マスター!? 良かった!気がついたんですね! 』
《アイ》の声を聞きながら、まだ鈍痛のする頭をおさえて、ゆっくりと身体を起こす。
……う~~、頭が痛い……、マジで二日酔い……か? おかしいな、そんなに飲んだっけ? それに体内プラントなら、この前フィルター交換したばかりのはずだけど
なぁ…? 」
そんなことを考えながら、まだ半分ぼやけた意識のまま視線を巡らせる。
だが、そこに見慣れたものは一切無く……。
「はっ? なんだ!? …………森?」
そう、目が覚めたそこは、いつもの自分の部屋などではなく、何故か森の中だった……。
周りをキョロキョロと見回しまくり、軽くパニクる俺だったが、ぼやけた意識がはっきりと覚醒していくにつれ、だんだん記憶が戻ってきた。
「《アイ》! 俺はどれくらい気を失っていた!? 此処はどこだ!? 現状はどうなっている!! 」
『イエス、マイマスター、マスターが意識を無くされてから、覚醒されるまで、2時間15分32秒経過しました。 現在位置は不明、現状についても不確定要素が多数ある為、回答できません 』
補助AIの《アイ》に、現状報告を求めたが、返ってきたのは何とも要領を得ない返答ばかりだった。
「はあっ!? そんなことは無いだろ? そうだ! 【次元振動炉】はどうなったんだ!? すぐ近くにいた俺が無事だってことは、炉の暴走は大丈夫だったのか? 」
『申し訳ありません、不確定要素の為、私には判断できません。 しかし、直前までのデータを総合した場合、間違いなく【次元振動炉】は暴走し、推定では、およそ50km四方の空間が実験施設と共に消滅したと予測されます 』
何だと!?……じゃあ、親父は!【零】の皆は!?
『また、現在位置についても完全にロスト、各衛星からのGPS信号、全て反応ありません』
動揺している俺の内心をよそに、《アイ》は次々と現状の報告をあげていく。
「そんなバカな!『親父!応答してくれ! 親父!! 』」
電脳通信で親父…、玖珂少佐に呼び掛けてみるが、一切反応がなく、アラン大尉や他のどの同僚達からの応答も無かった……。
「どういう事だ…!? 施設が爆発したのなら、何故、俺は無事なんだ? まさか、爆風で飛ばされたって訳じゃなさそうだし……?」
分からない事だらけだ。あの時は確か、目の前の空間が歪んで、その中に引き摺り込まれて……、
「そうだ!? 大輔は!? アリシアは!? 」
慌てて立ち上がり、周りをもう一度見回してみるが、それらしき姿はどこにも見えなかった。
『落ち着いて下さい、マスター!大輔さんは、……残念ですが、あの時点で脳波の消失、死亡を確認しています。 アリシア・斎藤については、申し訳ありません、私にも分かりません…… 』
俺は、がっくりと肩を落とす。そうか、大輔はもう……。
アホな奴だったし、喧嘩ばかりしていたが、あいつより頼りになる奴はいなかった……。
どんな戦場だって、あいつとだったら何も心配なかったし、安心して背中を任せられた。お互いに絶対認めた事は無かったが、本当の意味での、かけがえの無い”相棒”だった……。
『元気を出して下さい、マスター。 大輔さんのことは残念でしたが、マスターが無事で本当に良かったです… 』
《アイ》が”心配そうに”声をかけてくる。その声には、”心から” 俺を”気遣う気持ち ”が込められていた。
ん? 何かが引っ掛かるな?
「ああ、大丈夫だ。《アイ》、ありがとうな 」
『いえ、一応全身のシステムチェック、脳波、バイタル共に異常はありませんが、ご気分はいかがですか? ……マスターの意識がなかなか戻らなかったので、本当に心配しました…… 』
例えプログラムが言わせている言葉だとしても、《アイ》のその言葉は嬉しかった。
しかし、この時の俺はまだまだ混乱していて、《アイ》の余りにも”自然”な様子に気付いていなかった……。
改めてもう一度周りを見渡すが、とにかく欝蒼とした森?の中のようだ。すぐ背後は岩壁がそそり立ち、ほぼ垂直の断崖絶壁、周りを取り囲む木々もかなりの大木で、高さも相当ありそうだが、枝は深く重なり合い、ほとんど空は見えず木漏れ日しか地上に届いて来ない。
ただ、植生がおかしいような気がするな?もしも爆風に飛ばされて、奇跡的に助かったのだとしても、施設のあった場所は大和の中部エリア、かっては飛騨地方と呼ばれていた辺りだ。
だとすると、生えているのは杉や檜などの針葉樹の筈だが、今この周りに生えているのは広葉樹に見える。雰囲気も、大和の山の中というよりは欧州っぽいような……?
「《アイ》、本当にどのGPS信号も、ネットも反応は無いのか? 」
『はい、大和の物だけでなく、ユーロ連合王国、東西アメリカなど、各国の民間、軍事衛星にアクセスを試みましたが、どの国の衛星からも応答はありません。また、同じようにどのネットのサーバーにも接続出来ませんでした 』
おかしいな?大昔ならともかく、今では各衛星ネットで繋がっているから、どんなに山奥やジャングルの中だろうと、まず繋がらないなんて事は無いはずだ。爆発の影響で磁場が乱れたんだろうか?
いや、そもそも50km四方が消滅する規模の爆発の爆心地に居たはずの俺が、なぜ無傷なのか?
まあいいか、分からない事で悩んでいても仕方がない。とにかく今は現状の把握に努めよう。と、なると、まずは現在位置の確認かな?地形さえ正しく把握できれば、サブ電脳のメモリと照合して、ここが何処なのか掴めるはずだ。
「なるべく高い場所からの方がいいよなぁ…… 」
背後の岩壁を見上げ独りごちる。さて、それではクリフハンガーと参りますか……。
高い場所から見渡せば、現在位置なんか簡単に分かるだろう……なんて考えてた時が俺にもありました。
こう見えても全身義体、それに加えて特殊部隊として、山岳訓練もきちんと受けている。
左腕に仕込んだ特殊装備の甲斐もあり、フリークライミングだろうと大した苦労も無く岩壁を登り切った俺を待っていたものは、想像をはるかに超えるものだった。
「のわああああぁぁっ!? 」
次々と、次々と俺目掛けてプテラノドンモドキドラゴン、〈プテラゴン〉が降ってくる。 いや、突撃をしてくる。
その衝撃たるや、まるでミサイルか迫撃砲か、実際には火薬が炸裂している訳ではないのだが、翼長15~20m、体重はいったい何トンになるかは分からないが、それほどの巨体が上空数十メートルから降ってくるのだ。もしも直撃しようものなら完全にペシャンコだろう。
しかし、空を飛ぶんだから、鳥のように見た目よりも軽いはずだが、これだけのデカさだ。確実に何トン、いや何十トンかはあるだろう。確かカツオドリ?って海鳥が、こんな感じで上空から海面にダイブして狩りをするはずだが、ここは海ではなく硬い地面の上。当然、激突しているプテラゴン自身にも相当の衝撃があるはずなんだが……。
激突で出来たクレーターの中心で、奇妙なオブジェの様に脚を天に向けた少々マヌケな姿で地面に突き立っているプテラゴン達は、長い尻尾をゆらりと揺らめかせながら、やがて逞しい脚と翼と一体化している前脚?を地面に着けて、身体を震わせながら地面から大きな頭部を引き抜いた。
ーーキュロロロロロッッ!!ーー
チッ、元気いっぱいかよ……。 プテラゴン達は、こちらに向かい、苛立たしげに鳴き声を上げた後、大きな翼を広げてはためかせた。
『マスター!? いけません!また飛ぼうとしています! 』
「大丈夫だ。あれだけの巨体だと、地面から直接飛び立つには重過ぎる。崖とか、高い所からじゃないと、飛べ……な……いっ!? 」
アイに説明している途中で、プテラゴン達は何度も大きく羽撃くと、まるで重力を無視するかのように、次々と飛び立って、いや、ふわり、と浮き上がってしまった!?
「は……?……はぁっ!? いやいや、ちょっと待て!おかしいだろう、色々と!! 」
俺の叫びと驚きを、全く無視して高度を上げていくプテラゴン達。
……そして、第二波攻撃が始まった……。
ドゴオオオォォォォォンッ!!
ズガアアァァァァァアンッ!!
バガァンッ!
ドガァンッ!
「うおおぉぉぉぉっっ!? 」
第二波攻撃は更に激しさを増し、突撃だけではなく、地面スレスレまで高速で接近し、反転する瞬間に太く長い尻尾の先にある棘付きの瘤の部分を叩きつけてくる個体まで現れた。
突撃に比べれば衝撃は少ないが、まるで急降下爆撃機の様な攻撃は、地面に突き刺さらない分切り返しが早く、さっきまでよりも格段に攻撃密度が高くなり、ますます息つく暇も無くなってしまった。
「だあああああああっっ!いい加減キレたぞっ、コンチクショウッ!! 」
連続とはいっても、人間の攻撃、況してや銃器の類いに比べれば、例え数が多いといえども何とか避けることは出来ていた。
しかし、しかしだ。訳の分からない事続きなうえに、この状況。とうとう俺の我慢も限界に達してしまった。と言うかキレた。
視界の端で、また一匹が急降下してくるのが見える。進入角度からみて尻尾攻撃だ。
腰の後ろのホルスターから、拳銃を抜くと、間近に迫ったプテラゴンへと撃ち放った。
「落やがれっ!! 」
ドンッ!ドンッ!ドンッ!!
だが……、
狙いは過たず、全弾プテラゴンに命中したものの、頭部を覆う甲殻に弾かれてしまった!?
「な……っ!? 武装サイボーグ用の強化徹甲弾だぞっ!? 」
衝撃に驚いたのか、一瞬バランスは崩したようだが、撃ち落とすには及ばず、すぐにまた姿勢を取り直して再び飛び去ってしまった。
しかも、今の発砲音に刺激されたのか、他の個体までもさっきまでよりも殺気立ち、ギャアギャアと喚き立てながら一斉に降下を始めてきた。
「チッ、マズいな……、仕方ない、【玖珂流闘氣術・改】、壱乃牙【覚】! 弐乃牙【虚】!」
【玖珂流闘氣術 ・改】……養父より習い鍛えた「氣」を用いて闘う武術。体内で練り上げた「氣」によって潜在能力を覚醒させ、戦闘力を数倍から数十倍へと跳ね上げることが出来る。
奥義発動と共に、思考速度や反応速度が上昇し、周りの景色がゆっくりと流れ出す。それはまるで自分以外の時間の流れがゆっくりになってしまったかのようで、弾け跳ぶ瓦礫や迫り来るプテラゴンも、まるでスローモーションのようだ。
一気に感覚が拡大し、周りの状況の全てが把握できる様になっていく。プテラゴン達の呼吸、筋肉の動き一つまでが鮮明に分かる。
怒り狂ったプテラゴン達が、数の暴力とでも言うべき怒濤の連続攻撃を仕掛けてくるが、その全てが当たらない。まるでプテラゴン達が”わざと”やっているかのように見当違いの場所を攻撃してしまっている。
ドラゴンといえども、結局は野生の獣と同じだろう。野生の獣は攻撃の際にフェイントなど使わない。彼らは人間を遙かに上回る反応速度、第六感とも言うべき超感覚で、最も効果的な場所へと本能的に攻撃をしてくる。
だが、当たらない、当たるはずがない。義体操作の為に増量手術まで施した脳までも「氣」によって強化した俺には、ヤツ等の動きなど手に取るように分かる。
前後左右、もう目で見る必要すらない。プテラゴン達の呼吸を読み切り、動きの緩急をつけてやるだけで面白いように攻撃は外れてしまう。
さっきの銃撃は甲殻に弾かれて効かなかったが、これならどうだ?
左腕に仕込んだ〈糸〉炭素分子を合成した、高分子ポリマー製の極細ワイヤーに「氣」を纏わせ、蜘蛛の巣のように展開したそれを、プテラゴン達に絡みつかせてから一気に引き絞る!
ーーズルリ……。ーー
戦闘用サイボーグの装甲すら貫く徹甲弾をも弾き返した甲殻を纏った頭部が、翼が、胴体が、縦横無尽に切り離され、ばらばらと撒き散らされていく……。
プテラゴン達は、自分達の身に何が起こったのか分からないのだろう。既に唯の肉片と変わり果てたプテラゴンだったモノが、未だ地面の上でのたうち、蠢き続けている。
しばらくは警戒を解かず、残心の構えを保っていたが、立ち上がる者、飛び立つ者はいないようだ。そこまで確認ができたところで、やっと構えを解き、大きく息を吐いた。
「ふう、何とか切り抜く事ができたか~、しかし、何なんだよ、コイツ等は…… 」
『マスター!大丈夫ですか!? お怪我はありませんか!? 』
「ああ、ありがとうな《アイ》。ちょっと吃驚したんで、醜態に曝しちまったけど、特に問題は無…… 」
ーードクンッ!!ーー
突然込み上げてきた脈動や目眩に立っていられずに倒れ込んでしまう。
何だ!?身体が、……痛い?いや、熱い!?
「……がっ!?……っ!! ……何……だ?これは……苦っ!? 」
『マスター!? どうしたんですかっ!? マスターっ!! 」
《アイ》の悲痛な叫びが頭の中で響く。何とか答えてやりたいが、あまりの苦しみに、俺は自分の身体をかき抱きながら呻き悶える事しか出来なかった……。
……どれくらいそうしていたんだろうか?苦しみからの解放は、始まりと同様に、突然呆気なく終わりを迎えた。乱れた息を整えながら、血溜まりの中、ゆっくりと身を起こし立ち上がってみる。
『マスター! 大丈夫ですかっ!? かなり苦しそうでしたが、もう平気なんですか!? 』
《アイ》がかなり取り乱した様子で呼びかけてくる。
「ああ、もう大丈夫?かな。……いや、何だかさっきまでより身体中に力が漲っているような? とにかく、特に異常は感じないか、な? けど《アイ》、一応異常が発生していないかチェックしてみてくれないか? 」
『分かりました。ーー自己精査プログラムを実行しますーー チェック終了しました。 マスターの身体各部に、故障及び異常箇所は見受けられません。また、サブ電脳も問題ありません。脳波、バイタル等、全てオールグリーンです 』
《アイ》のチェック報告をきいて、ほ、っと安堵の溜息を吐く。
「そうか、やれやれ、取り敢えずは一安心か。こんな訳のわからん所で故障なんぞしたら、完全に詰みだからなぁ…… 」
『ですが、マスター、本当に大丈夫ですか?もの凄く苦しそうでしたし、何度呼びかけても答えて下さらないし……”グスッ ”』
ん?《アイ》の反応がおかしいぞ?……まさか……?
「ありがとう《アイ》……なあ、もしかして何だが……泣いてる……のか? 」
『あ!? 申し訳ありません、マスター。でも、もしもこのまま、マスターがどうにかなってしまったら!?って”考えた”ら、もの凄く”怖くなって”しまって……でも、ご無事で本当に良かったです!! 』
”考えた”ら? ”怖くなって”!?
『”可笑しい”ですよね?マスターが強いのは私が一番よく知ってるはずなのに、そんな事を”想像した”ら、とても”怖くて”、”つい慌てて”しまいました 』
……!? ”可笑しい”!? ”想像した”!? ”つい慌てて”しまった!?
全身義体の俺の身体には汗腺はない。だが、もしも生身のままなら、今俺の顔にはびっしりと汗が浮いているんじゃないかと思う……。
「な、なあ、《アイ》、……どうしたんだ? なんと言うか、もの凄く会話が「自然」と言うか、今までよりも、「感情」表現が豊か……と言うか……? 」
『あ!?お気づきになりましたか!?』
《アイ》が、ものスゴく嬉しそうに返事をする。……が、次のセリフを聞いた瞬間、俺はあんぐりと今日一番の大口を開けて、絶句してしまうのだった……。
『喜んで下さい、マスター!私、「生命体」になりましたっ!! 』
……………………………………………………………………………ヤバイ……!?
『あれ?マスター……? どうしたんですか?』
………………ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!?
「ア……、 」
『「ア 」……? 』
「《アイ》がバグったあああああああああああああああああああああああああっっ!? 」
『ええええええええぇぇぇっ!? 』
(煩いな…、もう少し寝かせてくれよ……)
『…スター!起き……! マスター!! 』
何だか頭が重い…まるで二日酔いのようだ……。
(二日酔い? ……あれ?昨夜酒なんか飲んだっけ……)
『マスター!! 』
……………………………………
……………………………
………………っつ!?
『マスター!? 良かった!気がついたんですね! 』
《アイ》の声を聞きながら、まだ鈍痛のする頭をおさえて、ゆっくりと身体を起こす。
……う~~、頭が痛い……、マジで二日酔い……か? おかしいな、そんなに飲んだっけ? それに体内プラントなら、この前フィルター交換したばかりのはずだけど
なぁ…? 」
そんなことを考えながら、まだ半分ぼやけた意識のまま視線を巡らせる。
だが、そこに見慣れたものは一切無く……。
「はっ? なんだ!? …………森?」
そう、目が覚めたそこは、いつもの自分の部屋などではなく、何故か森の中だった……。
周りをキョロキョロと見回しまくり、軽くパニクる俺だったが、ぼやけた意識がはっきりと覚醒していくにつれ、だんだん記憶が戻ってきた。
「《アイ》! 俺はどれくらい気を失っていた!? 此処はどこだ!? 現状はどうなっている!! 」
『イエス、マイマスター、マスターが意識を無くされてから、覚醒されるまで、2時間15分32秒経過しました。 現在位置は不明、現状についても不確定要素が多数ある為、回答できません 』
補助AIの《アイ》に、現状報告を求めたが、返ってきたのは何とも要領を得ない返答ばかりだった。
「はあっ!? そんなことは無いだろ? そうだ! 【次元振動炉】はどうなったんだ!? すぐ近くにいた俺が無事だってことは、炉の暴走は大丈夫だったのか? 」
『申し訳ありません、不確定要素の為、私には判断できません。 しかし、直前までのデータを総合した場合、間違いなく【次元振動炉】は暴走し、推定では、およそ50km四方の空間が実験施設と共に消滅したと予測されます 』
何だと!?……じゃあ、親父は!【零】の皆は!?
『また、現在位置についても完全にロスト、各衛星からのGPS信号、全て反応ありません』
動揺している俺の内心をよそに、《アイ》は次々と現状の報告をあげていく。
「そんなバカな!『親父!応答してくれ! 親父!! 』」
電脳通信で親父…、玖珂少佐に呼び掛けてみるが、一切反応がなく、アラン大尉や他のどの同僚達からの応答も無かった……。
「どういう事だ…!? 施設が爆発したのなら、何故、俺は無事なんだ? まさか、爆風で飛ばされたって訳じゃなさそうだし……?」
分からない事だらけだ。あの時は確か、目の前の空間が歪んで、その中に引き摺り込まれて……、
「そうだ!? 大輔は!? アリシアは!? 」
慌てて立ち上がり、周りをもう一度見回してみるが、それらしき姿はどこにも見えなかった。
『落ち着いて下さい、マスター!大輔さんは、……残念ですが、あの時点で脳波の消失、死亡を確認しています。 アリシア・斎藤については、申し訳ありません、私にも分かりません…… 』
俺は、がっくりと肩を落とす。そうか、大輔はもう……。
アホな奴だったし、喧嘩ばかりしていたが、あいつより頼りになる奴はいなかった……。
どんな戦場だって、あいつとだったら何も心配なかったし、安心して背中を任せられた。お互いに絶対認めた事は無かったが、本当の意味での、かけがえの無い”相棒”だった……。
『元気を出して下さい、マスター。 大輔さんのことは残念でしたが、マスターが無事で本当に良かったです… 』
《アイ》が”心配そうに”声をかけてくる。その声には、”心から” 俺を”気遣う気持ち ”が込められていた。
ん? 何かが引っ掛かるな?
「ああ、大丈夫だ。《アイ》、ありがとうな 」
『いえ、一応全身のシステムチェック、脳波、バイタル共に異常はありませんが、ご気分はいかがですか? ……マスターの意識がなかなか戻らなかったので、本当に心配しました…… 』
例えプログラムが言わせている言葉だとしても、《アイ》のその言葉は嬉しかった。
しかし、この時の俺はまだまだ混乱していて、《アイ》の余りにも”自然”な様子に気付いていなかった……。
改めてもう一度周りを見渡すが、とにかく欝蒼とした森?の中のようだ。すぐ背後は岩壁がそそり立ち、ほぼ垂直の断崖絶壁、周りを取り囲む木々もかなりの大木で、高さも相当ありそうだが、枝は深く重なり合い、ほとんど空は見えず木漏れ日しか地上に届いて来ない。
ただ、植生がおかしいような気がするな?もしも爆風に飛ばされて、奇跡的に助かったのだとしても、施設のあった場所は大和の中部エリア、かっては飛騨地方と呼ばれていた辺りだ。
だとすると、生えているのは杉や檜などの針葉樹の筈だが、今この周りに生えているのは広葉樹に見える。雰囲気も、大和の山の中というよりは欧州っぽいような……?
「《アイ》、本当にどのGPS信号も、ネットも反応は無いのか? 」
『はい、大和の物だけでなく、ユーロ連合王国、東西アメリカなど、各国の民間、軍事衛星にアクセスを試みましたが、どの国の衛星からも応答はありません。また、同じようにどのネットのサーバーにも接続出来ませんでした 』
おかしいな?大昔ならともかく、今では各衛星ネットで繋がっているから、どんなに山奥やジャングルの中だろうと、まず繋がらないなんて事は無いはずだ。爆発の影響で磁場が乱れたんだろうか?
いや、そもそも50km四方が消滅する規模の爆発の爆心地に居たはずの俺が、なぜ無傷なのか?
まあいいか、分からない事で悩んでいても仕方がない。とにかく今は現状の把握に努めよう。と、なると、まずは現在位置の確認かな?地形さえ正しく把握できれば、サブ電脳のメモリと照合して、ここが何処なのか掴めるはずだ。
「なるべく高い場所からの方がいいよなぁ…… 」
背後の岩壁を見上げ独りごちる。さて、それではクリフハンガーと参りますか……。
高い場所から見渡せば、現在位置なんか簡単に分かるだろう……なんて考えてた時が俺にもありました。
こう見えても全身義体、それに加えて特殊部隊として、山岳訓練もきちんと受けている。
左腕に仕込んだ特殊装備の甲斐もあり、フリークライミングだろうと大した苦労も無く岩壁を登り切った俺を待っていたものは、想像をはるかに超えるものだった。
「のわああああぁぁっ!? 」
次々と、次々と俺目掛けてプテラノドンモドキドラゴン、〈プテラゴン〉が降ってくる。 いや、突撃をしてくる。
その衝撃たるや、まるでミサイルか迫撃砲か、実際には火薬が炸裂している訳ではないのだが、翼長15~20m、体重はいったい何トンになるかは分からないが、それほどの巨体が上空数十メートルから降ってくるのだ。もしも直撃しようものなら完全にペシャンコだろう。
しかし、空を飛ぶんだから、鳥のように見た目よりも軽いはずだが、これだけのデカさだ。確実に何トン、いや何十トンかはあるだろう。確かカツオドリ?って海鳥が、こんな感じで上空から海面にダイブして狩りをするはずだが、ここは海ではなく硬い地面の上。当然、激突しているプテラゴン自身にも相当の衝撃があるはずなんだが……。
激突で出来たクレーターの中心で、奇妙なオブジェの様に脚を天に向けた少々マヌケな姿で地面に突き立っているプテラゴン達は、長い尻尾をゆらりと揺らめかせながら、やがて逞しい脚と翼と一体化している前脚?を地面に着けて、身体を震わせながら地面から大きな頭部を引き抜いた。
ーーキュロロロロロッッ!!ーー
チッ、元気いっぱいかよ……。 プテラゴン達は、こちらに向かい、苛立たしげに鳴き声を上げた後、大きな翼を広げてはためかせた。
『マスター!? いけません!また飛ぼうとしています! 』
「大丈夫だ。あれだけの巨体だと、地面から直接飛び立つには重過ぎる。崖とか、高い所からじゃないと、飛べ……な……いっ!? 」
アイに説明している途中で、プテラゴン達は何度も大きく羽撃くと、まるで重力を無視するかのように、次々と飛び立って、いや、ふわり、と浮き上がってしまった!?
「は……?……はぁっ!? いやいや、ちょっと待て!おかしいだろう、色々と!! 」
俺の叫びと驚きを、全く無視して高度を上げていくプテラゴン達。
……そして、第二波攻撃が始まった……。
ドゴオオオォォォォォンッ!!
ズガアアァァァァァアンッ!!
バガァンッ!
ドガァンッ!
「うおおぉぉぉぉっっ!? 」
第二波攻撃は更に激しさを増し、突撃だけではなく、地面スレスレまで高速で接近し、反転する瞬間に太く長い尻尾の先にある棘付きの瘤の部分を叩きつけてくる個体まで現れた。
突撃に比べれば衝撃は少ないが、まるで急降下爆撃機の様な攻撃は、地面に突き刺さらない分切り返しが早く、さっきまでよりも格段に攻撃密度が高くなり、ますます息つく暇も無くなってしまった。
「だあああああああっっ!いい加減キレたぞっ、コンチクショウッ!! 」
連続とはいっても、人間の攻撃、況してや銃器の類いに比べれば、例え数が多いといえども何とか避けることは出来ていた。
しかし、しかしだ。訳の分からない事続きなうえに、この状況。とうとう俺の我慢も限界に達してしまった。と言うかキレた。
視界の端で、また一匹が急降下してくるのが見える。進入角度からみて尻尾攻撃だ。
腰の後ろのホルスターから、拳銃を抜くと、間近に迫ったプテラゴンへと撃ち放った。
「落やがれっ!! 」
ドンッ!ドンッ!ドンッ!!
だが……、
狙いは過たず、全弾プテラゴンに命中したものの、頭部を覆う甲殻に弾かれてしまった!?
「な……っ!? 武装サイボーグ用の強化徹甲弾だぞっ!? 」
衝撃に驚いたのか、一瞬バランスは崩したようだが、撃ち落とすには及ばず、すぐにまた姿勢を取り直して再び飛び去ってしまった。
しかも、今の発砲音に刺激されたのか、他の個体までもさっきまでよりも殺気立ち、ギャアギャアと喚き立てながら一斉に降下を始めてきた。
「チッ、マズいな……、仕方ない、【玖珂流闘氣術・改】、壱乃牙【覚】! 弐乃牙【虚】!」
【玖珂流闘氣術 ・改】……養父より習い鍛えた「氣」を用いて闘う武術。体内で練り上げた「氣」によって潜在能力を覚醒させ、戦闘力を数倍から数十倍へと跳ね上げることが出来る。
奥義発動と共に、思考速度や反応速度が上昇し、周りの景色がゆっくりと流れ出す。それはまるで自分以外の時間の流れがゆっくりになってしまったかのようで、弾け跳ぶ瓦礫や迫り来るプテラゴンも、まるでスローモーションのようだ。
一気に感覚が拡大し、周りの状況の全てが把握できる様になっていく。プテラゴン達の呼吸、筋肉の動き一つまでが鮮明に分かる。
怒り狂ったプテラゴン達が、数の暴力とでも言うべき怒濤の連続攻撃を仕掛けてくるが、その全てが当たらない。まるでプテラゴン達が”わざと”やっているかのように見当違いの場所を攻撃してしまっている。
ドラゴンといえども、結局は野生の獣と同じだろう。野生の獣は攻撃の際にフェイントなど使わない。彼らは人間を遙かに上回る反応速度、第六感とも言うべき超感覚で、最も効果的な場所へと本能的に攻撃をしてくる。
だが、当たらない、当たるはずがない。義体操作の為に増量手術まで施した脳までも「氣」によって強化した俺には、ヤツ等の動きなど手に取るように分かる。
前後左右、もう目で見る必要すらない。プテラゴン達の呼吸を読み切り、動きの緩急をつけてやるだけで面白いように攻撃は外れてしまう。
さっきの銃撃は甲殻に弾かれて効かなかったが、これならどうだ?
左腕に仕込んだ〈糸〉炭素分子を合成した、高分子ポリマー製の極細ワイヤーに「氣」を纏わせ、蜘蛛の巣のように展開したそれを、プテラゴン達に絡みつかせてから一気に引き絞る!
ーーズルリ……。ーー
戦闘用サイボーグの装甲すら貫く徹甲弾をも弾き返した甲殻を纏った頭部が、翼が、胴体が、縦横無尽に切り離され、ばらばらと撒き散らされていく……。
プテラゴン達は、自分達の身に何が起こったのか分からないのだろう。既に唯の肉片と変わり果てたプテラゴンだったモノが、未だ地面の上でのたうち、蠢き続けている。
しばらくは警戒を解かず、残心の構えを保っていたが、立ち上がる者、飛び立つ者はいないようだ。そこまで確認ができたところで、やっと構えを解き、大きく息を吐いた。
「ふう、何とか切り抜く事ができたか~、しかし、何なんだよ、コイツ等は…… 」
『マスター!大丈夫ですか!? お怪我はありませんか!? 』
「ああ、ありがとうな《アイ》。ちょっと吃驚したんで、醜態に曝しちまったけど、特に問題は無…… 」
ーードクンッ!!ーー
突然込み上げてきた脈動や目眩に立っていられずに倒れ込んでしまう。
何だ!?身体が、……痛い?いや、熱い!?
「……がっ!?……っ!! ……何……だ?これは……苦っ!? 」
『マスター!? どうしたんですかっ!? マスターっ!! 」
《アイ》の悲痛な叫びが頭の中で響く。何とか答えてやりたいが、あまりの苦しみに、俺は自分の身体をかき抱きながら呻き悶える事しか出来なかった……。
……どれくらいそうしていたんだろうか?苦しみからの解放は、始まりと同様に、突然呆気なく終わりを迎えた。乱れた息を整えながら、血溜まりの中、ゆっくりと身を起こし立ち上がってみる。
『マスター! 大丈夫ですかっ!? かなり苦しそうでしたが、もう平気なんですか!? 』
《アイ》がかなり取り乱した様子で呼びかけてくる。
「ああ、もう大丈夫?かな。……いや、何だかさっきまでより身体中に力が漲っているような? とにかく、特に異常は感じないか、な? けど《アイ》、一応異常が発生していないかチェックしてみてくれないか? 」
『分かりました。ーー自己精査プログラムを実行しますーー チェック終了しました。 マスターの身体各部に、故障及び異常箇所は見受けられません。また、サブ電脳も問題ありません。脳波、バイタル等、全てオールグリーンです 』
《アイ》のチェック報告をきいて、ほ、っと安堵の溜息を吐く。
「そうか、やれやれ、取り敢えずは一安心か。こんな訳のわからん所で故障なんぞしたら、完全に詰みだからなぁ…… 」
『ですが、マスター、本当に大丈夫ですか?もの凄く苦しそうでしたし、何度呼びかけても答えて下さらないし……”グスッ ”』
ん?《アイ》の反応がおかしいぞ?……まさか……?
「ありがとう《アイ》……なあ、もしかして何だが……泣いてる……のか? 」
『あ!? 申し訳ありません、マスター。でも、もしもこのまま、マスターがどうにかなってしまったら!?って”考えた”ら、もの凄く”怖くなって”しまって……でも、ご無事で本当に良かったです!! 』
”考えた”ら? ”怖くなって”!?
『”可笑しい”ですよね?マスターが強いのは私が一番よく知ってるはずなのに、そんな事を”想像した”ら、とても”怖くて”、”つい慌てて”しまいました 』
……!? ”可笑しい”!? ”想像した”!? ”つい慌てて”しまった!?
全身義体の俺の身体には汗腺はない。だが、もしも生身のままなら、今俺の顔にはびっしりと汗が浮いているんじゃないかと思う……。
「な、なあ、《アイ》、……どうしたんだ? なんと言うか、もの凄く会話が「自然」と言うか、今までよりも、「感情」表現が豊か……と言うか……? 」
『あ!?お気づきになりましたか!?』
《アイ》が、ものスゴく嬉しそうに返事をする。……が、次のセリフを聞いた瞬間、俺はあんぐりと今日一番の大口を開けて、絶句してしまうのだった……。
『喜んで下さい、マスター!私、「生命体」になりましたっ!! 』
……………………………………………………………………………ヤバイ……!?
『あれ?マスター……? どうしたんですか?』
………………ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!?
「ア……、 」
『「ア 」……? 』
「《アイ》がバグったあああああああああああああああああああああああああっっ!? 」
『ええええええええぇぇぇっ!? 』
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