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問の答え
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短かった春休みが明け、高校生活2年目が始まる。今日からクラスが変わ
る。カズや美桜と顔を合わせる機会も文芸部での活動の時だけになってしまうかもしれない。少し寂しい気がする。それに先生とも…
「えっと、俺は、2年B組か」
自分が何組であるかと、どの教室に行けばいいのか確認した。知ってる人がいたらいいななんて考えながら、足早にB組の教室へ入っていった。
「待ってたぜ」
「え?」
カズが笑顔でこっちを見ていた。
「え?なんでカズがここにいんの?」
「お前、自分の以外見てねぇのかよ。俺も、そんで美桜も同じクラスだ」
そんな奇跡があるのか? いや、実にその奇跡が今起こっているのだが、暫く会えなくなると寂寥の感に浸っていたのだが、そんな必要は無かったらしい。
周りを見渡すと、カズと美桜以外には顔見知りは居ないようで、毎年恒例の顔合わせの交流タイムが始まっていた。
「てかさ、今年の俺らの担任って誰なの?」
「え?お前知らないの?今年も…」
「みんな!席についてください」
この展開。どこかで見た覚えがある。昨年もこんなふうに、ガヤガヤうるさい教室を、一声で静まらせ、教室に先生が入ってきた。昨年はそこで、サキ先生と出会い恋をしたのだが、今年はきっと、サキ先生じゃない誰かなのだろう。今度こそ寂しさと悲しさを感じずにはいられなかった。
そんな寂寥の感で心が一瞬で満たされた翔斗は、新しい先生の事なんて興味もわかず。1人顔を伏せていた。
「今年度、このクラスの担任を務めます…」
ものすごく聞き覚えがあり、愛しささえも感じる声だった。顔を伏せたままでも、分かる、とても愛おしい人の声だった。少し驚きの色の混じった顔を上げた。
「奥村咲です。1年間よろしくお願いします」
周りは、サキ先生の人気から、喜びの声が上がったり、ザワザワし始めたが、翔斗は思わぬ奇跡が一度に起こりすぎて、呆気にとられていた。
驚いている翔斗を見て、サキ先生が、こちらに微笑みかけてきた気がした。それは翔斗の気の所為かもしれないが、その笑顔で、翔斗の心を一瞬で幸せの色で塗り替えられた。そして、悩みの雲は一瞬にして晴れていった。
後悔しない方法、考えればすぐそこにあるものだった。ここで再び先生と再開していなければ気づいていなかっただろう。何もせずに終わらせるな。不可能に近くても行動するんだ。それが1番公開しないで済む方法だ。
る。カズや美桜と顔を合わせる機会も文芸部での活動の時だけになってしまうかもしれない。少し寂しい気がする。それに先生とも…
「えっと、俺は、2年B組か」
自分が何組であるかと、どの教室に行けばいいのか確認した。知ってる人がいたらいいななんて考えながら、足早にB組の教室へ入っていった。
「待ってたぜ」
「え?」
カズが笑顔でこっちを見ていた。
「え?なんでカズがここにいんの?」
「お前、自分の以外見てねぇのかよ。俺も、そんで美桜も同じクラスだ」
そんな奇跡があるのか? いや、実にその奇跡が今起こっているのだが、暫く会えなくなると寂寥の感に浸っていたのだが、そんな必要は無かったらしい。
周りを見渡すと、カズと美桜以外には顔見知りは居ないようで、毎年恒例の顔合わせの交流タイムが始まっていた。
「てかさ、今年の俺らの担任って誰なの?」
「え?お前知らないの?今年も…」
「みんな!席についてください」
この展開。どこかで見た覚えがある。昨年もこんなふうに、ガヤガヤうるさい教室を、一声で静まらせ、教室に先生が入ってきた。昨年はそこで、サキ先生と出会い恋をしたのだが、今年はきっと、サキ先生じゃない誰かなのだろう。今度こそ寂しさと悲しさを感じずにはいられなかった。
そんな寂寥の感で心が一瞬で満たされた翔斗は、新しい先生の事なんて興味もわかず。1人顔を伏せていた。
「今年度、このクラスの担任を務めます…」
ものすごく聞き覚えがあり、愛しささえも感じる声だった。顔を伏せたままでも、分かる、とても愛おしい人の声だった。少し驚きの色の混じった顔を上げた。
「奥村咲です。1年間よろしくお願いします」
周りは、サキ先生の人気から、喜びの声が上がったり、ザワザワし始めたが、翔斗は思わぬ奇跡が一度に起こりすぎて、呆気にとられていた。
驚いている翔斗を見て、サキ先生が、こちらに微笑みかけてきた気がした。それは翔斗の気の所為かもしれないが、その笑顔で、翔斗の心を一瞬で幸せの色で塗り替えられた。そして、悩みの雲は一瞬にして晴れていった。
後悔しない方法、考えればすぐそこにあるものだった。ここで再び先生と再開していなければ気づいていなかっただろう。何もせずに終わらせるな。不可能に近くても行動するんだ。それが1番公開しないで済む方法だ。
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