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Internally Flawless
幕間 夜想曲『籠の中』 4
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「……あ……?」
一瞬だけ翡翠の意識はそちらに奪われた。
だから、気付かなかなかった。否。そうでなくても、溺れるような快楽の波の中で、周りを気にしている余裕など、翡翠にはなっただろう。
「……っひあっ。ああぁっ」
ぐり。と、何かが身体の中、普段誰にも触れられることなどない、柔らかくて、弱い場所を抉った。
息が詰まるほどの痺れに、高い悲鳴が上がる。もう、それは快楽というよりも、衝撃というのが相応しかった。
「いっ。……あああ! だめっ。いやっあ」
気付かないうちに、男は翡翠の前まで来ていた。足音にも、気配にも気づきはしなかった。そして、その手は翡翠の足の間の淫具を握っていた。もはや、暴きつくされた翡翠の弱い部分にはその先端を押し付けられて、機械的な振動と男の手の動きの両方で攻め立てられる。
散々弄ばれて敏感になった身体は、その快楽を拒む術を持たなかった。ほんの数秒すら堪えることもできず、その白い首を大きく仰け反らせて、翡翠は 何度目かの絶頂を迎えた。
びくびくと、細く傷ついた身体が痙攣する。
「……あ……あ」
その解放感に身を任せていた翡翠は、その男がいつの間にか自分の上にのしかかっていることに気付いても、どうすることもできなかった。気付いていたとしてもどうすることもできないことに変わりはない。
「あ……い……や。やめ……て」
ただ、首を振り、否定することしか、できなかった。
そんな翡翠の姿に男の口がまた、弓形にしなる。その笑顔は、こんな状況だとは信じられないくらいに優しかった。この人が父親だったらどんなによかっただろうと翡翠が思っていた頃の優しい優しい笑顔に、ぞっと脳に嫌悪が突き刺さる。
「……やだ。泰斗さん……こわ……いよ」
する。と、その手が翡翠の頬を撫でた。
優しい笑顔から、想像もできないほどにその手は冷たかった。
「……いや。……いやだ」
湧き上がってくる恐怖に翡翠は何度も首を振る。恐怖に身体が震えて、かちかち。と、歯が鳴った。
「いやだ。いやだ。ばかりだな。翡翠。悪い子だ。何と言えばいいか、教えただろう?」
男の唇が耳元に囁く。
「……ごめ。んなさ……おねが……もう」
やめて。と、言葉は声にならなかった。
「違うだろう?」
男の言葉と同時に、後孔から、乱暴に玩具が引き抜かれる感覚に、意識が一瞬遠のく。しかし、それは一瞬で、次の瞬間には息が詰まるほどの熱量と質量をもった男のソレが彼の胎内を抉っていた。
「あああっ……や……っあっ。ふ……ぁあん」
がちゃがちゃと手錠がパイプとぶつかる音が聞こえる。その音も、血が滲むほど抵抗して擦り切れた手首の痛みも酷く遠い。
慣らすために入れられたローションと男の肉棒が立てる音だけが、まるで耳元で響いているように聞こえる。
「……ぁやっ。ああっ。あっ。……やめ……っ。しん……じゃう……っ」
達したばかりで敏感になっている体内をまるで暴力のような激しい抽挿が犯し尽くす。視界が大きく揺れ、新しい涙が溢れて零れ落ちた。それでも、翡翠自身も数えることを放棄してしまうほど重ねられた行為に慣らされてしまった身体は、そんな乱暴な扱いにまで反応を返してしまう。玩具を巻きつけられたままのソコはいつの間にか緩く立ち上がって、男と翡翠の間で揺さぶられるのに任せて心もとなく揺れていた。
「んんっ……あ。ひう……あ……やだ。やだあ……も。やっ。……きもちよく……なりたく……ああっ。なりた……ないっ」
自分の声が何と言っているかも、よくわからなかった。ただ、それが堪らないほどに気持ちがいいのだと認めたくはなかった。
一瞬だけ翡翠の意識はそちらに奪われた。
だから、気付かなかなかった。否。そうでなくても、溺れるような快楽の波の中で、周りを気にしている余裕など、翡翠にはなっただろう。
「……っひあっ。ああぁっ」
ぐり。と、何かが身体の中、普段誰にも触れられることなどない、柔らかくて、弱い場所を抉った。
息が詰まるほどの痺れに、高い悲鳴が上がる。もう、それは快楽というよりも、衝撃というのが相応しかった。
「いっ。……あああ! だめっ。いやっあ」
気付かないうちに、男は翡翠の前まで来ていた。足音にも、気配にも気づきはしなかった。そして、その手は翡翠の足の間の淫具を握っていた。もはや、暴きつくされた翡翠の弱い部分にはその先端を押し付けられて、機械的な振動と男の手の動きの両方で攻め立てられる。
散々弄ばれて敏感になった身体は、その快楽を拒む術を持たなかった。ほんの数秒すら堪えることもできず、その白い首を大きく仰け反らせて、翡翠は 何度目かの絶頂を迎えた。
びくびくと、細く傷ついた身体が痙攣する。
「……あ……あ」
その解放感に身を任せていた翡翠は、その男がいつの間にか自分の上にのしかかっていることに気付いても、どうすることもできなかった。気付いていたとしてもどうすることもできないことに変わりはない。
「あ……い……や。やめ……て」
ただ、首を振り、否定することしか、できなかった。
そんな翡翠の姿に男の口がまた、弓形にしなる。その笑顔は、こんな状況だとは信じられないくらいに優しかった。この人が父親だったらどんなによかっただろうと翡翠が思っていた頃の優しい優しい笑顔に、ぞっと脳に嫌悪が突き刺さる。
「……やだ。泰斗さん……こわ……いよ」
する。と、その手が翡翠の頬を撫でた。
優しい笑顔から、想像もできないほどにその手は冷たかった。
「……いや。……いやだ」
湧き上がってくる恐怖に翡翠は何度も首を振る。恐怖に身体が震えて、かちかち。と、歯が鳴った。
「いやだ。いやだ。ばかりだな。翡翠。悪い子だ。何と言えばいいか、教えただろう?」
男の唇が耳元に囁く。
「……ごめ。んなさ……おねが……もう」
やめて。と、言葉は声にならなかった。
「違うだろう?」
男の言葉と同時に、後孔から、乱暴に玩具が引き抜かれる感覚に、意識が一瞬遠のく。しかし、それは一瞬で、次の瞬間には息が詰まるほどの熱量と質量をもった男のソレが彼の胎内を抉っていた。
「あああっ……や……っあっ。ふ……ぁあん」
がちゃがちゃと手錠がパイプとぶつかる音が聞こえる。その音も、血が滲むほど抵抗して擦り切れた手首の痛みも酷く遠い。
慣らすために入れられたローションと男の肉棒が立てる音だけが、まるで耳元で響いているように聞こえる。
「……ぁやっ。ああっ。あっ。……やめ……っ。しん……じゃう……っ」
達したばかりで敏感になっている体内をまるで暴力のような激しい抽挿が犯し尽くす。視界が大きく揺れ、新しい涙が溢れて零れ落ちた。それでも、翡翠自身も数えることを放棄してしまうほど重ねられた行為に慣らされてしまった身体は、そんな乱暴な扱いにまで反応を返してしまう。玩具を巻きつけられたままのソコはいつの間にか緩く立ち上がって、男と翡翠の間で揺さぶられるのに任せて心もとなく揺れていた。
「んんっ……あ。ひう……あ……やだ。やだあ……も。やっ。……きもちよく……なりたく……ああっ。なりた……ないっ」
自分の声が何と言っているかも、よくわからなかった。ただ、それが堪らないほどに気持ちがいいのだと認めたくはなかった。
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