事故って目が覚めたら自販機だった件

沙々香

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妖怪……だと!?

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~翌日~


自販機生活4日目

(……付喪神とかさぁ……ねぇ……付喪神……そんなの……ありかよ……。)

昨日の会話で、お互い元に戻れるまで何とかうまくやろうという話で纏まったが…………やはり自販機せいねんにはダメージが大きかった。

(……本気でプロの自販機目指そうかなぁ……。)

少し病んで来ている、元に戻れる事に期待はこれっぽっちもしていない様だが、付喪神の方が必死で原因と解決策を考えている、青年の黒歴史の籠った魔のパソコンなどで調べながらねぇ。

(やべーよ俺、付喪神とはいえ暗黒の俺の黒歴史たんまりのパソコン見られんだよ、どんな反応すべきなんだろうか?)

自販機がそう思った時、青年が来た、さて反応は!?!?!?

「あっ……あ、あはは……何かさぁ……いや……本当に御免ね……あの…………陽斗さんの…パソコン…………ゴメン。」

(うがあああああぁぁぁぁぁっ!!!みっ…見られたあああああぁぁぁぁぁっ!恥ずかしい!!!自販機があったら入りたい!!!)

「それは穴じゃあ…………?」

青年、自販機に入りたがる、新しい性癖の一種だろうか。

(あの黒歴史満載のパソコンがあったら風呂に沈めたいいいぃぃぃっ!!!∑(///°[]°///)そして俺も沈められたいいいぃぃぃっ!本当にマジであの時事故で死んでしまえば良かったのにいいいぃぃぃっ!!)

「ま、まあ、落ち着こうよ。」

おい!2人共!自販機に来賓だぞ!

コツコツと足音を立てて、スーツを着た30代前半のサラリーマン風の男が自販機に近寄って来た、メガネをかけており知的な雰囲気である。

青年の姿の妖怪は、すかさずさっとブロック塀の裏側に隠れた。
いや、とっさに隠れてしまった。

しかし元の青年より軽快に動いている。
きっと今ならモテるだろう今ならね、風呂も入ってるから清潔だろうしね!!!

(やかましいっ!風呂くらい毎日入ってたし!!!)

インテリ系サラリーマン風の男がじわりじわりと近づく。
リーマンはメガネを人差し指でクイっと直しながら自販機の真ん前まで距離を詰めた…………。

(うわっ!近っ!)

するとサラリーマン風の男がキョロキョロと辺りを見回して、誰も居無いのを確認すると一人でうんうんと頷いて……。

  

…………!?





…………。





……見たくなかった。





…………マジ見るべきではないし説明もしたくないわ訳よ、この絵面だと。

(解説うううぅぅぅっ!ナレーショーン!おいっ!助けてくれえええぇぇぇっ!)

ごほん!ごほんごほんっ!!!インテリ系サラリーマン風の男が!自販機に頬ずりし始めたのだった!気持ち悪すぎてヤバい!正直ナレーション辞めたい、本当に。
両腕でガッチリ自販機をホールドしているし変態味が強すぎて……。

「!!!これは良い自販機だ!!!自販機マニアとして賞賛するよ!!!ぬふぁあああああぁぁぁぁぁっ!!!!!最高だよ君みたいな自販機って素敵だもんぬぁあああぁぁぁん!!!」

自販機マニアって何ですか……初耳の上に初にお目にかかるのですけれど…………。

インテリ系サラリーマン風の男は相変わらず自販機にしがみ付いている、くねくね動くしなんかタコみたいでキモい。

(うがあああぁぁぁっ!止めろおおおぉぉぉ!)

……自販機、怒涛の拒絶。

「……ははは、いや~……入れ替わって……良かった……ゴメン……。」

自販機、怒涛のツッコミ。

(てんめえええぇぇぇ!自販機妖怪ぃいいい!うぅおおおぉぉぉっ!おのれぇえええぇぇぇ!後で覚えとけよおおオォォォッ!)

「お巡りさん!あそこです!変なサラリーマンがいる所は!」

ひ、一人の少女が!勇気と!警察官を連れて自販機の前に駆け寄って来た!!!この子は素晴らしい我らのメシアだ!

「警察だ!大人しくしろ!」

「うわあっ!やめてください!僕は只、只……他の人よりも自販機を愛しているだけです!!!」

「署まで来てもらおう!」

「うわぁあああぁぁぁっ!!!」

「正義のお縄につけ!」

「ひぃ~~~っ!」

(…………て……天の助けだ……神様もしもいるのならありがとう……。)

自販機は心底喜んだ、私も変なの解説したりナレーションしなくて良いので嬉しい(#^.^#)素晴らしいねお巡りと言うものは。

「よっ…良かった、僕の自販機本体からだが無事で。」

(俺精神的にボロボロだけどな。)



良かった、みんな無事で。
「良かった、みんな無事で。」



(良くねーつってんだろ、俺の心が無事じゃないんだよ。)

「ちょっと、兄さん!」

さっき警察官と共に来た少女だ、恐らく女子高生だろう、黒く滑らかな髪の毛をツインテールにしており超可愛い♡

「兄さん聞いてんの!?」

少女がガシッと妖怪・付喪神さんの腕を掴んだ。

(何で付喪神さんなんだよ、何で付喪神とそんなに親しげなんだよ、何でそんなに敬意を表してるんだよ、なんだよ。)

良いだろ別に、そう呼んだって。

少女は青年の顔を見上げてまだ腕を掴んでいる。

「え、僕の事?!」

え"っ!この可愛い娘って自販機青年……オマエの妹!?

(そうだよ!!!!!)

「兄さん!全く!轢かれるなんて、バカじゃ無いの!!!このドジ!ニート!運動神経ゼロ何だからもっと気を付けてよ!!!」

(おいっ!オマエ全寮制じゃ?!)

全寮制の学校なんて今時あるのね、珍しい。

「え、ちょっと、きみ…………。」

あの娘の定期入れ落ちてた、斎藤 夢ちゃんだってさ。

「ゆ……夢、学校全寮制のはずじゃあ?!」

(勝手に定期入れ見るのはどうかと思うがナイスフォロー!ナレーション的なヤツ!!!)

「馬鹿ね!兄が事故に遭ったって聞いて帰宅許可貰ったのよ!!!心配だから一応様子を見に来たのよ!馬鹿!!!」

(マジ…………。)

おいおい、本当の兄貴は自販機になったのに、つーか働けや、妹のがしっかりしてそうだよ。

「あっ、あぁそうだね、心配かけてゴメン!僕は平気だよ、ありがとう。」

「全く、本当に馬鹿ね!早く安定した仕事しなさいよ!職に就きなさいよね!バカ兄!」

(夢……俺さぁ…遂に安定した仕事に就いたよ、仕事あったよ、俺でも出来る仕事さ…俺の仕事は何だって?ふっ……それは勿論…………自動販売機だよ。)

良かったな……安定職に就いて…………。

「てゆーか早くこっちついてきて!兄さん身体大丈夫?てゆーか!お母さんから聞いたんだけど今日再検査の日だから!忘れてたの?バカねぇ、本当に頭悪い!」

「うっ、うわぁ~~~~~!」

……ぴゅーっと風の如く、少女と青年は去って行った、そして自販機は職に就いた、めでたしめでたし。

(……うん……。)

完結。

(おい、終わらすなよ。)

え?

(おい。)
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