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自分の家に戻った。
遺体が発見された風呂場はすでに処理されている。
龍斗はレンくんの部屋に置いて、とりあえずあるだけのお小遣いなどを持っていこうとした。
「…ねぇ、あんた春原悠里?」
振り返ると、人がいる。
焦りすぎて、玄関の鍵を閉め忘れたか。
「もうさぁ、どうやって侵入するかーとか考えさせてよね」
「あの、あなたは?」
「ちょっと話があって」
茶髪のボブカットの女の子、かと思えばその割に胸が小さく格好もボーイッシュ。
この人苦手かも、直感でそう思った。
「おい、勝手に入んなよ!」
またも突然私の部屋に現れた人は、短髪で細身の男性だった。
白Tにジーパンなので少し龍斗と重なるけれど、龍斗とは違って、少し幼さやあどけなさといったものがある。
「まあまあ、2人とも落ち着いて。」
最後に現れたのは、拳銃を持った男性だ。
2人に比べると高身長で落ち着きがあることから、リーダーのようなものなのかと思う。
黒のロングジャケットを着こなす姿は、まるでハリウッド俳優のよう。
「俺のことはリンゴって呼んで。
白Tがユウタ、イケメンがジンね」
「待てよ、俺がイケメンじゃないみたいに…」
「ところで君のお母さんから依頼があって」
ガン無視されたユウタさんはわかりやすく落ち込んでいる。
「依頼って、なんのですか」
「殺しの」
「そうですか」
「驚かないの?」
「親の職業柄、そういうこともあるかなって」
「で、君のお母さんは死んだんだけど、支払いの保証人が春原悠里、つまりあんたなの。
600万払ってもらわないと任務が遂行できないってわけ。さぁ、早く出して」
「そんなお金ないです!」
家の中に残されていたすべての貯金などを集めたって30万程度だ。我が家は"貧乏"になってしまったのだから。
「へー、どうする?あんたが払わないと…」
「ラブ、もうやめとけ」
「600万分、身体売ってくれる?」
「いい加減にしろ、今日のお前変だぞ」
「なに?ハンドはこの子に同情するつもり?」
「だって、弟だっていることだし、それに…」
「ハンドはなにもわかってない」
「はぁ!?お前が勝手に話進めてさ、その言い方はねぇだろ!!」
「はい、ストップ!!!」
リンゴさんとユウタさんの口論に呆れた顔を見せるジンさん。
「だいたい話の流れはわかった?」
「みなさんは、殺し屋ってことですか」
「そうとも言う、かな」
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自分の家に戻った。
遺体が発見された風呂場はすでに処理されている。
龍斗はレンくんの部屋に置いて、とりあえずあるだけのお小遣いなどを持っていこうとした。
「…ねぇ、あんた春原悠里?」
振り返ると、人がいる。
焦りすぎて、玄関の鍵を閉め忘れたか。
「もうさぁ、どうやって侵入するかーとか考えさせてよね」
「あの、あなたは?」
「ちょっと話があって」
茶髪のボブカットの女の子、かと思えばその割に胸が小さく格好もボーイッシュ。
この人苦手かも、直感でそう思った。
「おい、勝手に入んなよ!」
またも突然私の部屋に現れた人は、短髪で細身の男性だった。
白Tにジーパンなので少し龍斗と重なるけれど、龍斗とは違って、少し幼さやあどけなさといったものがある。
「まあまあ、2人とも落ち着いて。」
最後に現れたのは、拳銃を持った男性だ。
2人に比べると高身長で落ち着きがあることから、リーダーのようなものなのかと思う。
黒のロングジャケットを着こなす姿は、まるでハリウッド俳優のよう。
「俺のことはリンゴって呼んで。
白Tがユウタ、イケメンがジンね」
「待てよ、俺がイケメンじゃないみたいに…」
「ところで君のお母さんから依頼があって」
ガン無視されたユウタさんはわかりやすく落ち込んでいる。
「依頼って、なんのですか」
「殺しの」
「そうですか」
「驚かないの?」
「親の職業柄、そういうこともあるかなって」
「で、君のお母さんは死んだんだけど、支払いの保証人が春原悠里、つまりあんたなの。
600万払ってもらわないと任務が遂行できないってわけ。さぁ、早く出して」
「そんなお金ないです!」
家の中に残されていたすべての貯金などを集めたって30万程度だ。我が家は"貧乏"になってしまったのだから。
「へー、どうする?あんたが払わないと…」
「ラブ、もうやめとけ」
「600万分、身体売ってくれる?」
「いい加減にしろ、今日のお前変だぞ」
「なに?ハンドはこの子に同情するつもり?」
「だって、弟だっていることだし、それに…」
「ハンドはなにもわかってない」
「はぁ!?お前が勝手に話進めてさ、その言い方はねぇだろ!!」
「はい、ストップ!!!」
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「そうとも言う、かな」
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