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ロイズとわたし
ラウルと離縁して父との話し合いが終わり、わたしはもうすぐシャノンになる。
今は先生のところでお手伝いを午前中だけさせてもらっている。
午後からは大学入試の猛勉強中である。
受験すると決めてからは怒濤の如く流れた。
ただ、そんな中、久しぶりにロイズが大学から帰って来た。
「シャノン聞いたよ、アイリスやウィリアムの事件のこと。僕は全然そばにいてあげられなかった、ごめんね」
「心配かけてごめんなさい」
「ラウルとは離縁したんだね」
「そうね。終わったわ」
「彼を愛していたんだろう?」
「愛していたと思うわ。でも、本当の夫婦にはなれなかったの。お互い本心を言い合えない夫婦では無理だったのよ」
「そうなんだ…」
「侯爵家とも除籍することを選ぶなんて……平民になるということはこれからの人生苦労することになるんだぞ、まだ撤回は出来る」
「もちろん、わかっているわ。
でも振り回される人生は嫌なの。これからは自分で選んだ人生を歩んでみたいの」
ロイズを見て言った。
「わたし、来年からロイズと同じ大学に通うわ。そして医者になりたいの」
「大変だよ。あ~」
ロイズは頭をボリボリ掻きながら
「シャノン、勉強だけは得意だった。僕なんか追い抜かして飛び級で卒業しそうだ……ハァ~」
どこか遠くを見ながら溜息をついた。
「わたし、2年以内で卒業する予定なの」
「シャノンは後期の試験を受けるから僕より1年半遅れの入学になるだろう?2年で卒業したら僕より先に卒業になるじゃないか!」
我が国の大学は前期と後期に分かれて年に2回入試試験があり春と秋に入学が出来る。
わたしが狙っているのは秋の入学。
1年前まで学生だったし、この国で1番の学園で1番の成績だったわたしは、落ちる気はしない。
「シャノン、応援するよ。シャノンは変なところで頑固だからな」
しばらくロイズは頭をポリポリ掻いたり俯いたり溜息をしたりと忙しなかった。
そしてロイズはじっと考えてからわたしを見つめた。
「一度だけ言わせて欲しい。………君をずっと忘れられなかった。
………愛していた。シャノン、僕が君を幸せにすることはもう出来ないけど君の幸せを祈っているよ」
わたしは思ってもいなかったことを言われて驚いた。
「・・・・・」
「ロイズ、貴方はわたしの初恋の人でした、ありがとう。
わたし、自分の力で幸せになるわ」
わたしはお礼を言った。
「………やっと僕の初恋が終わった……シャノン、ありがとう」
ロイズは部屋を後にした。
わたしはその後ろ姿を見送った。
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