【完結】どうして殺されたのですか?貴方達の愛はもう要りません  

たろ

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番外編  ユイナ・ミレーヌ編

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わたしは、マリーナ様を敬愛していた。

綺麗でいつも凛として、公爵令嬢でありトップである素敵な令嬢。

微笑みは美しく、いつも周りには沢山の人に囲まれていた華やかなお方。

マリーナ様の目にわたしを見てもらえるだけで幸せだった。

彼女のお側にいられるだけで幸せだった。

マリーナ様に相応しいのはクロード殿下だと思っていた。

この国一番の令嬢のマリーナ様につり合うのは、王位継承権第一位にして優秀で眉目秀麗なクロード殿下しかいない。

お二人が婚約されるのは当たり前のはず。

なのに殿下が求めたのは、何故か孤児院に暮らすエリーゼ様だった。


マリーナ様はクロード殿下に媚薬を盛り、既成事実を作ろうとしたが、未遂で終わった。
薬を盛るという王族への犯罪は罪が重たい。

更にマリーナ様はエリーゼ様に毒を盛り拐った犯人として処刑された。

何故?何故マリーナ様が処刑されなければいけないの?

クロード殿下がマリーナ様を選ばないのがいけないのよ!

わたしは、マリーナ様の意思を継いで、自分がクロード殿下と結婚するのだと誓った。

邪魔なエリーゼ様を排除すると決めて、そのために2年ほどエリーゼ様の動きを見張り続けた。

確実に殺そうと準備をしていた。

エリーゼ様はふざけている。

何様のつもり?

婚約の打診をされて断るなんて!

あの人を見ているとイライラする。

いつも人に囲まれてみんなから大切にされている。

あんな女よりマリーナ様の方がもっと尊いお方だ。

わたしはあの女を殺すことだけを夢見て学園に入学した。

学園に入るとやはりあの女にムカついた。

いつも友人に囲まれて守られている。

その中には学園でも人気のあるノア・バーグやセスやダニー達男の子ともいつも一緒にいる。

あんな風に過ごすのは、わたしの敬愛していたマリーナ様がするべきだった。

エリーゼ様の……いやエリーゼの所為で、マリーナ様は亡くなられたのだ。

全ての悪はあの女だ。
あの女さえいなくなれば全てが上手くいく。

悪は排除しなければならない。

マリーナ様も喜んでくれるはず。

(あぁ、早く、早くあんな女なんか、この世界から消えて無くなればいいのに)

わたしは、エリーゼの姿を見るたびに、あの女が苦しみもがく姿を想像しては、悦に入った。

そしておの女を葬り去ることに成功した。

…はずだったのにあの「影」が執拗にわたしに自白を求めた。

左の指を全部折ると右の指に行く。流石に痛みが酷いくて声が出た。

「グッ……」
それでもわたしは答えようとしない。

剣を持って来て腕に斬りつけた。

「グッ……うっ、うぅ……」

「次は腕を切り落とす。それでも吐かなければ足を切り落とす」

流石に痛みと恐怖でガタガタと震え出した。

動かない指を使いポケットから小瓶を出した。

それを影に渡そうとして顔を見た。

影が受け取ろうとした時、その毒の小瓶をわたしは自身にかけようとした。

「影」はそれを素手で受け止めて、「影」にかけてしまった。

「影」はかかった毒を無視して、
「言え!次はお前の腕を切り落とすぞ」
と言いながら、首に剣の先を当ててきた。

殺人のプロでもある影たちは、そう言うと反対の腕を切りつけた。

「あっ、あぁ……い、痛い……」

「だったら毒の名前を言え!」

「あ……これは植物の ……」



「エリーゼ様のもとへ戻る」
「影」はふらつきながらも急ぎエリーゼの元へ向かった。

「これが毒の見本です、植物の毒でした、後よろしくおねが……」

それだけ言うと「影」は倒れた。

エリーゼ様と同じように呼吸が荒く顔色も土色になってきた。

この毒は北部にある山に咲いている花で百合科の植物。この花は人を殺すためのものだ。

エリーゼなんかの側にいる奴らなんてみんな死んでしまえばいい。

わたしは、エリーゼを殺し損ねたかもしれないがもうどうでもよかった。

だってだって、ここまでやり遂げたのだから!

「影」なんてなんの役にも立たない!護衛なんてついていても守ることすらできなかった。

ざまあみろ!だわ‼︎

なのに、なんで?

死刑にならないの?

マリーナ様のもとへ逝かせてよ!

わたしの体は得体の知れない毒で手はどす黒くなって変形している。

「もう殺して!死にたい!死にたいの!」

わたしは叫ぶ。

歩けない足……足が腐っていく。

もう食欲すらない、眠ることもできない。

わたしの映る姿は……化け物…

「もうやめて!わたしはもう死にたい!」

どんなに叫んでも泣いても死ねない……死なせてくれない…

わたしは新薬や毒薬の人体実験をさせられている。

この地獄はわたしの体が、命が、ある限り続く。

毒薬を与えられて苦しんでも、薬で治される。

そしてまた新しい毒。

ふざけんな!わたしはモルモットじゃないんだから!

なのにもう声が出なくなった。

歩くこともできない。

なのにまだ続く……

そう、死ぬまで……

マリーナ様、早く側に逝きたい……

わたしがどんな罪を犯したと言うの?

エリーゼ、全てはあんたの所為だ……












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