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王子様と元婚約者編②
ランドルを留学させて邪魔ものは消えた。
これで男爵令嬢であるセスティ嬢は俺との噂を否定することができなくなった。
婚約者のミリアは有る事無い事嘘で話を作り上げていた。
そして、ミリアの公爵家から俺の不貞により婚約解消を言ってきた。
俺はニヤッと笑った。
ずっとこれを待っていた。
向こうが動くのを。
公爵は俺の不貞により多額の賠償金を請求してきた。
それが目的でもあったのだろう。
俺はミリアの不貞の証拠をいくつも出した。
何人もの男と体の関係にあったこと。
俺を陥れるために、男爵令嬢であるセスティ嬢との噂話を作り上げたこと。
俺の名誉を著しく害したことで、王族への不敬として公爵家及びミリアを断罪し、婚約解消することに成功した。
もちろんセスティ嬢が何もしていないことも明らかにしたので、俺としてはもう彼女に対して何も感じることはなかった。
元々低位貴族の男爵令嬢だ。
見た目も軽そうなピンクゴールドの髪で男受けする可愛いくあざとそうな女の子だ。
公爵家から巻き上げた金を少し分けてやればそれで終わりだろう。
確か生活が困窮していると聞いた。
俺と関われるから喜んで金に食いつき尻尾を振って俺に媚びるだろう。
そんな安易に考え、従者に金を持たせて屋敷に行かせたが、従者は金を持って帰ってきた。
一切お金を受け取らなかったそうだ。
どう見ても困窮しているのが見てわかる暮らしだったらしい。
だが、彼女は「帰ってください」と言って屋敷の中にも入れてもらえなかったと、スゴスゴと帰ってきた。
「へえ、お金を要らないんだったら放っておけばいい、こちらは誠意を見せたんだ」
俺はもうそれから興味もなく、自分の中では忘れてしまっていた。
セスティ嬢のその後の姿をたまたま見るまでは……
セスティ嬢は俺の一つ下で今高等部の2年生だった。
俺が生徒会室で仕事をしている時に、彼女が数人の女子に囲まれているのを見た。
あんなあざとい子だ。
嫌われて嫌がらせを受けているんだな、仕方がないさ。
だがそれは何日も続いた。
ひどい時は男子も混ざり、数人でバケツの水をかけたり押し倒したりしていた。
セスティ嬢は黙ってそれに耐えていた。
流石に見るに耐えなくて、どうしようかと思案していたら隣にいた生徒会役員の女の子が言った。
「セスティ、また嫌がらせを受けているのね。セスティは何も悪くないのに、あの子達はセスティが殿下に言い寄ったあざとい女の子だから何をしてもいいと思っているんです」
「え?だってきちんと否定したよ?」
俺は驚いた。
まだそんな話を信じている奴がいるなんて。
「嘘でも本当でもあの子達からしたらどっちでもいいんですよ、虐める理由があれば。何度か注意はしたんですけどわたしの話なんて聞いてもくれません」
俺はその後も助けることはせずに彼女の姿を目で追った。
いつも一人で過ごしていた。
静かに本を読んで、一人でお昼を食べて、一人で歩いている。
弟は寮に入れて、自分と関わらないようにしているらしい。弟に被害を与えないようにとの配慮だと聞いた。
それからも彼女は、数人のメンバーに嫌がらせと虐めを受けていた。
これは全て俺があの子との噂を放置して、孤立させてしまった結果だった。
俺は直ぐに教師を呼んで、あの子のいじめをやめさせるように頼んだ。
教師たちは知っていたが、素行の悪いあの子達のストレス発散になるのなら、セスティ嬢が一人犠牲になるのは仕方がないと言った。
何を言っているんだ?
教師だろう?
いや、俺も変わらない。
俺の婚約解消のため、この子を犠牲にした。
好きあっている婚約者との婚約を無理やり解消させて留学させた。
見た目が軽そうな子だから、この子が傷ついてもこの子が悪いんだと思っていた。
俺は愕然とした。
「貴方達は教師でしょう?一人の生徒を犠牲にして数人の生徒のストレス発散の生贄にしているのですか?」
「い、いや、その……」
「わかりました、父と話し合い、その数人の親達に全て話すことにします」
「や、やめてください!そこに何故陛下が関わるのですか?そんなことになったらわたしの首は?」
「だったらあの生徒達を止めてください、出来ないのならこちらで対処するまでです」
「わかりました、あの子達は高位貴族のご子息とご令嬢なんですが、殿下の言葉があれは止めることもできると思います」
「わかった、わたしからだと伝えてくれ」
俺は間違っていた。
あの子はいじめられた後、いつもずっと上を向いている。
そしてグッと手を握りしめて、前を向いて歩き出す。
どんなに水浸しになっていても泥で汚れていても、泣かないで耐えていた。
俺はなんてひどいことをしたんだろう。
これで男爵令嬢であるセスティ嬢は俺との噂を否定することができなくなった。
婚約者のミリアは有る事無い事嘘で話を作り上げていた。
そして、ミリアの公爵家から俺の不貞により婚約解消を言ってきた。
俺はニヤッと笑った。
ずっとこれを待っていた。
向こうが動くのを。
公爵は俺の不貞により多額の賠償金を請求してきた。
それが目的でもあったのだろう。
俺はミリアの不貞の証拠をいくつも出した。
何人もの男と体の関係にあったこと。
俺を陥れるために、男爵令嬢であるセスティ嬢との噂話を作り上げたこと。
俺の名誉を著しく害したことで、王族への不敬として公爵家及びミリアを断罪し、婚約解消することに成功した。
もちろんセスティ嬢が何もしていないことも明らかにしたので、俺としてはもう彼女に対して何も感じることはなかった。
元々低位貴族の男爵令嬢だ。
見た目も軽そうなピンクゴールドの髪で男受けする可愛いくあざとそうな女の子だ。
公爵家から巻き上げた金を少し分けてやればそれで終わりだろう。
確か生活が困窮していると聞いた。
俺と関われるから喜んで金に食いつき尻尾を振って俺に媚びるだろう。
そんな安易に考え、従者に金を持たせて屋敷に行かせたが、従者は金を持って帰ってきた。
一切お金を受け取らなかったそうだ。
どう見ても困窮しているのが見てわかる暮らしだったらしい。
だが、彼女は「帰ってください」と言って屋敷の中にも入れてもらえなかったと、スゴスゴと帰ってきた。
「へえ、お金を要らないんだったら放っておけばいい、こちらは誠意を見せたんだ」
俺はもうそれから興味もなく、自分の中では忘れてしまっていた。
セスティ嬢のその後の姿をたまたま見るまでは……
セスティ嬢は俺の一つ下で今高等部の2年生だった。
俺が生徒会室で仕事をしている時に、彼女が数人の女子に囲まれているのを見た。
あんなあざとい子だ。
嫌われて嫌がらせを受けているんだな、仕方がないさ。
だがそれは何日も続いた。
ひどい時は男子も混ざり、数人でバケツの水をかけたり押し倒したりしていた。
セスティ嬢は黙ってそれに耐えていた。
流石に見るに耐えなくて、どうしようかと思案していたら隣にいた生徒会役員の女の子が言った。
「セスティ、また嫌がらせを受けているのね。セスティは何も悪くないのに、あの子達はセスティが殿下に言い寄ったあざとい女の子だから何をしてもいいと思っているんです」
「え?だってきちんと否定したよ?」
俺は驚いた。
まだそんな話を信じている奴がいるなんて。
「嘘でも本当でもあの子達からしたらどっちでもいいんですよ、虐める理由があれば。何度か注意はしたんですけどわたしの話なんて聞いてもくれません」
俺はその後も助けることはせずに彼女の姿を目で追った。
いつも一人で過ごしていた。
静かに本を読んで、一人でお昼を食べて、一人で歩いている。
弟は寮に入れて、自分と関わらないようにしているらしい。弟に被害を与えないようにとの配慮だと聞いた。
それからも彼女は、数人のメンバーに嫌がらせと虐めを受けていた。
これは全て俺があの子との噂を放置して、孤立させてしまった結果だった。
俺は直ぐに教師を呼んで、あの子のいじめをやめさせるように頼んだ。
教師たちは知っていたが、素行の悪いあの子達のストレス発散になるのなら、セスティ嬢が一人犠牲になるのは仕方がないと言った。
何を言っているんだ?
教師だろう?
いや、俺も変わらない。
俺の婚約解消のため、この子を犠牲にした。
好きあっている婚約者との婚約を無理やり解消させて留学させた。
見た目が軽そうな子だから、この子が傷ついてもこの子が悪いんだと思っていた。
俺は愕然とした。
「貴方達は教師でしょう?一人の生徒を犠牲にして数人の生徒のストレス発散の生贄にしているのですか?」
「い、いや、その……」
「わかりました、父と話し合い、その数人の親達に全て話すことにします」
「や、やめてください!そこに何故陛下が関わるのですか?そんなことになったらわたしの首は?」
「だったらあの生徒達を止めてください、出来ないのならこちらで対処するまでです」
「わかりました、あの子達は高位貴族のご子息とご令嬢なんですが、殿下の言葉があれは止めることもできると思います」
「わかった、わたしからだと伝えてくれ」
俺は間違っていた。
あの子はいじめられた後、いつもずっと上を向いている。
そしてグッと手を握りしめて、前を向いて歩き出す。
どんなに水浸しになっていても泥で汚れていても、泣かないで耐えていた。
俺はなんてひどいことをしたんだろう。
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