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離縁してあげますわ!
【9】
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「アリア様?」
部屋に入ってきたのはファラだった。ノックの音にも気が付かずにずっとボーッとしていたみたい。
「………ハンクスは?」
下はどうなっているのだろう?
「ミュエル様はギャザが馬車でご自宅へとお連れしました」
「そう、そうなのね」
じゃあここに押し寄せてくることはないのか。
「で、ハンクスは?」
「ハンクス様は……ご自分で怪我の治療をしております」
「怪我?何かあったの?」
「ミュエル様がお暴れになってハンクス様を殴る蹴るで、まぁ擦り傷や打撲をちょっと。自業自得です」
ファラはとても冷たく言い放った。
一階ではそんなことが起こっていたのね。わたしが顔を出せば修羅場になっていたかも。
うん、部屋に閉じこもっていて正解だったわ。
主人であるハンクスの治療は?してはあげなかったのね。ギャザもファラも。
「ハンクスに、話をしたいと言ってもらえるかしら?時間を作ってほしいと伝えてちょうだい」
「かしこまりました。わたしもギャザもアリア様の味方でございます、微力ではありますがアリア様、何かありましたらお声かけください。出来る限りのことをさせていただきたいのです」
「ふふっ、ありがとう。二人にはとても助けられているの。本来ならあなた達はハンクスのために動かないといけないのにわたしにまで気を使わせてしまっているわね、ごめんなさい」
「そんな……ハンクス様がアリア様にされていることを考えましたらどんなにお詫びを言っていいのか」
「ハンクスはハンクスの考えがあるのだと思うわ」
わたしには理解できないけど。
浮気なんてせずにわたしと離縁して愛する人と結ばれたらいいのに。
まあわたしから情報を聞き出せないことは彼が一番わかっていると思うの。わたしは絶対に仕事の話を夫にはしないわ。
それは彼が公爵家で働いていると知った時からプライベートと仕事はきちんと分けると決めていたから。
まさか公爵に頼まれて愛してもいないわたしと結婚するなんて思わなかったけど。
互いのすれ違いから避けてきた離縁話もそろそろ話し合うべき時期がきたのよね。
久しぶりにデイドレスに着替えてファラにメイクをしてもらった。眼鏡を外して髪を結い上げた。
そんな時は見えない時は片眼鏡をかけることで凌ぐ。パーティーの時などたまにこうして過ごすのだけど、学生の時に殿下に
『アリア、君はずっと眼鏡をかけて顔を隠すべきだと思うよ』
と言われてからこの片眼鏡で過ごすのは家の中だけになった。
目が悪くどうしても度の強い眼鏡をずっとかけていると目が疲れやすく、家の中では裸眼でいるために片眼鏡を使うことがある。
今日はせっかく髪を結い上げたし、度の合わなくなった眼鏡をつかれるので裸眼で過ごすつもり。
それにハンクスは『家の中では眼鏡で顔を隠さなくてもいいと思うよ』と言ってくれた。
わたしの顔を殿下のように隠せと言わないでくれたハンクスに好感を持ったのも仕方がないことだと思う。
子供の頃から眼鏡っ子で男の子に揶揄われて過ごした記憶しかなくて、さらにいつも負けてばかりの殿下に顔を隠した方がいいなんて言われてコンプレックスしかない自分に、眼鏡を外すことを勧めてもらえたんだもの。
まぁ外では眼鏡は手放せないので滅多に外さないけど家の中くらいは楽なので片眼鏡で過ごすのは助かる。
「ハンクスがティールームでお待ちしています」
ギャザが声をかけてくれた。
「ギャザ、ファラ、ありがとう。ハンクスと話してくるわ」
二人はなんとも言えない顔をしていた。
わたしは二人に優しく微笑んで「大丈夫よ、ちゃんと話してくるわ。心配しないで」と声をかけて彼の待つティールームへ向かった。
久しぶりに二人っきりで向かい合う。少し緊張はするけど、もう諦めもついた。彼との離縁も心の準備ができた。
それもハンクスのおかげかもしれない。彼がわたしとの寝室で過ごすことを拒否してわたしとの時間を減らして、愛人を作り、とうとうわたしのベッドで交じり合いわたしにその姿を見せつけた。
さらに今日は朝から修羅場を見せつけられた。
わたし、怒ってもいいはずよね?
部屋に入った瞬間、彼の顔はぼやけてよく見えない。
だからこそ言えたのかもしれない。
「離縁してあげますわ」と。
部屋に入ってきたのはファラだった。ノックの音にも気が付かずにずっとボーッとしていたみたい。
「………ハンクスは?」
下はどうなっているのだろう?
「ミュエル様はギャザが馬車でご自宅へとお連れしました」
「そう、そうなのね」
じゃあここに押し寄せてくることはないのか。
「で、ハンクスは?」
「ハンクス様は……ご自分で怪我の治療をしております」
「怪我?何かあったの?」
「ミュエル様がお暴れになってハンクス様を殴る蹴るで、まぁ擦り傷や打撲をちょっと。自業自得です」
ファラはとても冷たく言い放った。
一階ではそんなことが起こっていたのね。わたしが顔を出せば修羅場になっていたかも。
うん、部屋に閉じこもっていて正解だったわ。
主人であるハンクスの治療は?してはあげなかったのね。ギャザもファラも。
「ハンクスに、話をしたいと言ってもらえるかしら?時間を作ってほしいと伝えてちょうだい」
「かしこまりました。わたしもギャザもアリア様の味方でございます、微力ではありますがアリア様、何かありましたらお声かけください。出来る限りのことをさせていただきたいのです」
「ふふっ、ありがとう。二人にはとても助けられているの。本来ならあなた達はハンクスのために動かないといけないのにわたしにまで気を使わせてしまっているわね、ごめんなさい」
「そんな……ハンクス様がアリア様にされていることを考えましたらどんなにお詫びを言っていいのか」
「ハンクスはハンクスの考えがあるのだと思うわ」
わたしには理解できないけど。
浮気なんてせずにわたしと離縁して愛する人と結ばれたらいいのに。
まあわたしから情報を聞き出せないことは彼が一番わかっていると思うの。わたしは絶対に仕事の話を夫にはしないわ。
それは彼が公爵家で働いていると知った時からプライベートと仕事はきちんと分けると決めていたから。
まさか公爵に頼まれて愛してもいないわたしと結婚するなんて思わなかったけど。
互いのすれ違いから避けてきた離縁話もそろそろ話し合うべき時期がきたのよね。
久しぶりにデイドレスに着替えてファラにメイクをしてもらった。眼鏡を外して髪を結い上げた。
そんな時は見えない時は片眼鏡をかけることで凌ぐ。パーティーの時などたまにこうして過ごすのだけど、学生の時に殿下に
『アリア、君はずっと眼鏡をかけて顔を隠すべきだと思うよ』
と言われてからこの片眼鏡で過ごすのは家の中だけになった。
目が悪くどうしても度の強い眼鏡をずっとかけていると目が疲れやすく、家の中では裸眼でいるために片眼鏡を使うことがある。
今日はせっかく髪を結い上げたし、度の合わなくなった眼鏡をつかれるので裸眼で過ごすつもり。
それにハンクスは『家の中では眼鏡で顔を隠さなくてもいいと思うよ』と言ってくれた。
わたしの顔を殿下のように隠せと言わないでくれたハンクスに好感を持ったのも仕方がないことだと思う。
子供の頃から眼鏡っ子で男の子に揶揄われて過ごした記憶しかなくて、さらにいつも負けてばかりの殿下に顔を隠した方がいいなんて言われてコンプレックスしかない自分に、眼鏡を外すことを勧めてもらえたんだもの。
まぁ外では眼鏡は手放せないので滅多に外さないけど家の中くらいは楽なので片眼鏡で過ごすのは助かる。
「ハンクスがティールームでお待ちしています」
ギャザが声をかけてくれた。
「ギャザ、ファラ、ありがとう。ハンクスと話してくるわ」
二人はなんとも言えない顔をしていた。
わたしは二人に優しく微笑んで「大丈夫よ、ちゃんと話してくるわ。心配しないで」と声をかけて彼の待つティールームへ向かった。
久しぶりに二人っきりで向かい合う。少し緊張はするけど、もう諦めもついた。彼との離縁も心の準備ができた。
それもハンクスのおかげかもしれない。彼がわたしとの寝室で過ごすことを拒否してわたしとの時間を減らして、愛人を作り、とうとうわたしのベッドで交じり合いわたしにその姿を見せつけた。
さらに今日は朝から修羅場を見せつけられた。
わたし、怒ってもいいはずよね?
部屋に入った瞬間、彼の顔はぼやけてよく見えない。
だからこそ言えたのかもしれない。
「離縁してあげますわ」と。
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