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嫌です。別れません
11話
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アイリスさんの家を探して回った。
すぐにわかるだろうと単純に思っていたけど名前と髪の色、ひとみの色、そして20代後半から30代前半であることしかわからない。
あとはわたしよりも妖艶で大人っぽく綺麗な人。そしてちょっと性格キツめの人。
数日間色んな人に尋ねて回った。そして街の外れの寂れた路地に建つアパートに住んでいることがわかった。
建物の前に立つとなんとも趣きのある建物だった。
「お邪魔します」
建物の扉を開けて中に入り階段を上がる。木の階段はギシッと音を立てる。
3階の奥の扉。
コンコンとノックをしてみた。
居るかどうかなんてわからない。とりあえず来てみた。
「はあい」
扉の中から返事が聞こえた。一度会っただけなのでしっかり声は覚えていない。だけどこんな声だった気もする。
「どちら様?」
明るい声で確認もせず扉を開けるアイリスさん。
「は?」
いきなり不機嫌な顔に不機嫌な声。
「あ、あの、わたし、以前お会いしたダンの妻のマナと申します」
「ダンの元妻?」
「いえ、現在も妻のマナです」
そこはしっかり強調した。
「なんでここに来るの?」
「………ダンが死んだとある人に言われたのですが、信じられなくて。探して回っているんです、それであなたにもお話を聞きたくて」
「話すことなんてないわ」
冷たく言い放ち、扉を閉めようとした。
「待って!」
わたしは慌てて扉に足を突っ込んだ。
ーー痛っ!
思いっきり扉を閉めようとしたので足も思いっきり挟まれた。
「なに?用事なんてないから帰って」
「お忙しいのにすみません。でもねどうしても知りたいんです。ダンはあなたのところに毎日通っていたんですよね?あなたを愛していたのですか?わたしという妻がありながら!息子のリオだっていたのに」
ーー愛されていないし、白い結婚だったから他で性欲満たしてたのもわかる。でもわたし達はそれでも家族だったと思ってる。
だからあなたのことをダンは愛していたの?
「はああ、もう!うるさいわね!ダンはわたしのことを愛していたわ。それじゃなければうちで暮らすはずないでしょう?もう、これ以上話すことなんてないの!帰って!」
「かあちゃん、だれ?」
部屋の中からリオよりも年下の男の子が現れた。
「いいから中に入っていなさい」
焦るアイリスさんを見てなんだか違和感を感じる。わたしに子供を見せたくない?どうして?
「おい?誰が来てるんだ?俺が追い返そうか?」
部屋の中から聞こえるのは………
「…………ダン?」
「ち、違うわ!帰って!」
「ダン!ダンなの?」
わたしはなりふり構わずアイリスさんを押し退け叫んだ。
「……………」
中から返事は返ってこない。
「とうちゃん!」
男の子が心配そうに話しかけている。アイリスさんは緊張しているのか青い顔をして強張らせていた。
ーーこれは、修羅場?
わたしここからどうしたらいいの?
ダンは生きていた。
恋人のアイリスさんの家に子供と暮らしてる?
うん?ダンの息子?愛人?
わたし、浮気されてる?
リオを押し付けられて長年放置?
ずっと心配してたのに?ずっと待ってたのに?
そう考えると涙が溢れてきた。
わたし、すっごく、馬鹿?
リオのことは愛しているけど、リオを押し付けて自分は好きな女と暮らして子供作って幸せに暮らしているなんて!!
わたしは玄関で立ったまま、ひたすら涙を流していた。
すぐにわかるだろうと単純に思っていたけど名前と髪の色、ひとみの色、そして20代後半から30代前半であることしかわからない。
あとはわたしよりも妖艶で大人っぽく綺麗な人。そしてちょっと性格キツめの人。
数日間色んな人に尋ねて回った。そして街の外れの寂れた路地に建つアパートに住んでいることがわかった。
建物の前に立つとなんとも趣きのある建物だった。
「お邪魔します」
建物の扉を開けて中に入り階段を上がる。木の階段はギシッと音を立てる。
3階の奥の扉。
コンコンとノックをしてみた。
居るかどうかなんてわからない。とりあえず来てみた。
「はあい」
扉の中から返事が聞こえた。一度会っただけなのでしっかり声は覚えていない。だけどこんな声だった気もする。
「どちら様?」
明るい声で確認もせず扉を開けるアイリスさん。
「は?」
いきなり不機嫌な顔に不機嫌な声。
「あ、あの、わたし、以前お会いしたダンの妻のマナと申します」
「ダンの元妻?」
「いえ、現在も妻のマナです」
そこはしっかり強調した。
「なんでここに来るの?」
「………ダンが死んだとある人に言われたのですが、信じられなくて。探して回っているんです、それであなたにもお話を聞きたくて」
「話すことなんてないわ」
冷たく言い放ち、扉を閉めようとした。
「待って!」
わたしは慌てて扉に足を突っ込んだ。
ーー痛っ!
思いっきり扉を閉めようとしたので足も思いっきり挟まれた。
「なに?用事なんてないから帰って」
「お忙しいのにすみません。でもねどうしても知りたいんです。ダンはあなたのところに毎日通っていたんですよね?あなたを愛していたのですか?わたしという妻がありながら!息子のリオだっていたのに」
ーー愛されていないし、白い結婚だったから他で性欲満たしてたのもわかる。でもわたし達はそれでも家族だったと思ってる。
だからあなたのことをダンは愛していたの?
「はああ、もう!うるさいわね!ダンはわたしのことを愛していたわ。それじゃなければうちで暮らすはずないでしょう?もう、これ以上話すことなんてないの!帰って!」
「かあちゃん、だれ?」
部屋の中からリオよりも年下の男の子が現れた。
「いいから中に入っていなさい」
焦るアイリスさんを見てなんだか違和感を感じる。わたしに子供を見せたくない?どうして?
「おい?誰が来てるんだ?俺が追い返そうか?」
部屋の中から聞こえるのは………
「…………ダン?」
「ち、違うわ!帰って!」
「ダン!ダンなの?」
わたしはなりふり構わずアイリスさんを押し退け叫んだ。
「……………」
中から返事は返ってこない。
「とうちゃん!」
男の子が心配そうに話しかけている。アイリスさんは緊張しているのか青い顔をして強張らせていた。
ーーこれは、修羅場?
わたしここからどうしたらいいの?
ダンは生きていた。
恋人のアイリスさんの家に子供と暮らしてる?
うん?ダンの息子?愛人?
わたし、浮気されてる?
リオを押し付けられて長年放置?
ずっと心配してたのに?ずっと待ってたのに?
そう考えると涙が溢れてきた。
わたし、すっごく、馬鹿?
リオのことは愛しているけど、リオを押し付けて自分は好きな女と暮らして子供作って幸せに暮らしているなんて!!
わたしは玄関で立ったまま、ひたすら涙を流していた。
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