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嫌です。別れません
24話
リオが帰ってくるまで、ソファに座っていたが、やはり体が怠くまたベッドに横たわることにした。
数日眠っていただけなのに、体調が良くなった今、リオに会うのは久しぶりのような気分だった。
最近キツくてリオのこともしっかりみてあげられなかったもの。
ダンのことでショックを受けて国を出て、新しい暮らしに慣れようとしていたばかりだったのに。
リオがまさか余命僅かだったなんて……気がついてよかった。わたしに癒しの力がなければリオの寿命の短さに気が付かなかった。
神よ、リオを見守ってくださりありがとうございます。
わたしにとってリオはかけがえのない息子で失うことなど考えられない。1歳の時からずっとそばにいてリオの成長だけを楽しみに過ごしてきた。
リオが笑えばわたしも幸せな気持ちになれた。
ダンへの執着は愛だったと思う。だけどそれは家族のいなかったわたしにとって、家族としての愛だったのかもしれない。
あの神殿からわたしを救い出してくれてお嫁さんにしてくれて、リオという息子をくれて、わたしに家族をくれた。
ダンとの生活は温かい家庭とはいえなかったけど、リオと魔女さんと三人で暮らす日々は家族として暮らしていた気がする。
ダンの浮気はとても辛かったし、帰ってこないダンを待つのも、妻として相手にしてもらえなかった日々も今は懐かしい思い出になってきた……気がする。うん、そう思い込もう!
早くリオに会いたい。
わたしはリオを待っていたはずなのに疲れてウトウトとまた眠りにつき始めた。
「母さん」
知らない人の声が聞こえる。
誰?
まだ意識がはっきりとしない中、耳のそばでわたしを呼ぶ。
『母さん』?
いつものリオは子供らしい声で『かあちゃん』と呼ぶのに。
わたしの手をギュッと握り締め、わたしの頬に温かい雫が落ちてきた。
「……………」
少しずつ目を開けると……
「………………だ…れ?」
知らない男の人がわたしの顔を覗き込んで目を真っ赤にして泣いていた。
知らないのに、不思議に怖いと感じない。
「母さん……いや、かあちゃん……目を覚ましたんだね……よかった……」
「かあちゃん?………」
まさか………リオ?
でもリオはまだ8歳のはず。
今目の前にいる男の人はどう見ても20歳を過ぎている立派な大人……だわ。
「母さん、魔女さんからなにも聞いていないの?」
「魔女さんから?魔女さんはリオが帰ってくるとしか言わなくて。なにを聞いても笑って教えてくれなかったわ。魔女さんは気分屋さんだから」
「ははっ、魔女さんらしい」
「あなたは、リオなの?」
「うん、母さん……いや、マナはずっと眠っていたんだ。あなただけ、時を止めていたんだ。死なないようにね。僕はもう小さなリオじゃない。マナ、あなたと歳は変わらなくなっているんだ。僕はもう23歳だよ。あなたはまだ25歳のままだけどね?」
「……リオが23歳?わたし……15年も眠り続けていたの?魔女さんは変わらないのは…魔女さんだから?」
「あら?あたしは老けたよ。あんたに寿命を分けてやったからね……ヒャヒャヒャッ」
魔女さんが笑いながら言った。
「マナのその顔がみたかったんだ!15年の苦労がやっと報われたよ」
魔女さんはわたしの驚く顔を見るのが楽しみだったとまた笑った。
リオはそんな魔女さんを呆れながらも一緒に笑った。
◆ ◆ ◆
この話もあと少し。
読んでいただきありがとうございます。
数日眠っていただけなのに、体調が良くなった今、リオに会うのは久しぶりのような気分だった。
最近キツくてリオのこともしっかりみてあげられなかったもの。
ダンのことでショックを受けて国を出て、新しい暮らしに慣れようとしていたばかりだったのに。
リオがまさか余命僅かだったなんて……気がついてよかった。わたしに癒しの力がなければリオの寿命の短さに気が付かなかった。
神よ、リオを見守ってくださりありがとうございます。
わたしにとってリオはかけがえのない息子で失うことなど考えられない。1歳の時からずっとそばにいてリオの成長だけを楽しみに過ごしてきた。
リオが笑えばわたしも幸せな気持ちになれた。
ダンへの執着は愛だったと思う。だけどそれは家族のいなかったわたしにとって、家族としての愛だったのかもしれない。
あの神殿からわたしを救い出してくれてお嫁さんにしてくれて、リオという息子をくれて、わたしに家族をくれた。
ダンとの生活は温かい家庭とはいえなかったけど、リオと魔女さんと三人で暮らす日々は家族として暮らしていた気がする。
ダンの浮気はとても辛かったし、帰ってこないダンを待つのも、妻として相手にしてもらえなかった日々も今は懐かしい思い出になってきた……気がする。うん、そう思い込もう!
早くリオに会いたい。
わたしはリオを待っていたはずなのに疲れてウトウトとまた眠りにつき始めた。
「母さん」
知らない人の声が聞こえる。
誰?
まだ意識がはっきりとしない中、耳のそばでわたしを呼ぶ。
『母さん』?
いつものリオは子供らしい声で『かあちゃん』と呼ぶのに。
わたしの手をギュッと握り締め、わたしの頬に温かい雫が落ちてきた。
「……………」
少しずつ目を開けると……
「………………だ…れ?」
知らない男の人がわたしの顔を覗き込んで目を真っ赤にして泣いていた。
知らないのに、不思議に怖いと感じない。
「母さん……いや、かあちゃん……目を覚ましたんだね……よかった……」
「かあちゃん?………」
まさか………リオ?
でもリオはまだ8歳のはず。
今目の前にいる男の人はどう見ても20歳を過ぎている立派な大人……だわ。
「母さん、魔女さんからなにも聞いていないの?」
「魔女さんから?魔女さんはリオが帰ってくるとしか言わなくて。なにを聞いても笑って教えてくれなかったわ。魔女さんは気分屋さんだから」
「ははっ、魔女さんらしい」
「あなたは、リオなの?」
「うん、母さん……いや、マナはずっと眠っていたんだ。あなただけ、時を止めていたんだ。死なないようにね。僕はもう小さなリオじゃない。マナ、あなたと歳は変わらなくなっているんだ。僕はもう23歳だよ。あなたはまだ25歳のままだけどね?」
「……リオが23歳?わたし……15年も眠り続けていたの?魔女さんは変わらないのは…魔女さんだから?」
「あら?あたしは老けたよ。あんたに寿命を分けてやったからね……ヒャヒャヒャッ」
魔女さんが笑いながら言った。
「マナのその顔がみたかったんだ!15年の苦労がやっと報われたよ」
魔女さんはわたしの驚く顔を見るのが楽しみだったとまた笑った。
リオはそんな魔女さんを呆れながらも一緒に笑った。
◆ ◆ ◆
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読んでいただきありがとうございます。
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