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33話 パーティー ⑥
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「レベッカ様はどこ?」
パーティーの中動き回る使用人達に声をかけた。彼らが一番お客様のことを把握している。
「レベッカ・ジャクソン様でしょうか?」
「ええ、そうよ。今どこにいるのかわかるかしら?」
「気分が悪いと仰って、医務室へと行かれました」
「ありがとう。医務室はどこにあるのかしら?」
「あちらです」
指さす方向へと裸足のまま走った。
何人もの人が私の姿に驚き振り返る。もう格好なんて気にしていられない。
早く、彼女に会って伝えて、リュシアンを取り戻さなければ。理由なんてわからない。
でもあの男はソフィアに似ていた。
答えは彼女が持っているはず。
バンッ!
扉を勢いよく開いて「レベッカ様っ!!」と叫んだ。
驚いた看護師らしき人が「なに?」と顔を覗かせた。
「レベッカ様がここにいると聞いて……」
はぁはぁと肩で息をしながら周囲を見渡した。
「ああ、そのお方なら奥で……「奥?」
看護師の言葉を聞くとそのまま奥へと走った。
王宮内の医務室ってやたらと広い!
イライラしながら奥へ行くと豪華なソファにゆったりと座りお茶を飲むレベッカ様がいた。
ソフィアは見当たらないので侍女にでも預けているのかもしれない。
「レベッカ様っ!!」
大きな声で何度も名前を呼んだ。
なのにプイッとそっぽを向いて私を見ようともしない。
「レベッカ様!……き、金髪の男性が『じゃぁな、レベッカに俺がこの国にいると伝えろ』と言われました………あ、あの、その男性は……誰なんですか?その男性がリュシアンを……リュシアンを連れ去ったんです!」
「……………ふうん……で、私に何のようなの?」
「リュシアンが……リュシアンが攫われたんですっ!!」
「どうして助けに行かないの?私のところへ来てどうするの?」
横目で私をチラリと見た後、興味がなさそうに自分の爪を触っているレベッカ様。
「伝言が……伝言を伝えれば…リュシアンが…………「助かる?そんな訳ないじゃない………」
呆れたように私を見るとクスッと笑って肩をすくめた。
「私には関係ないことだわ。貴女の息子が攫われようと殺されようと……その男の伝言を態々私に言いに来てあなたは何を求めているの?私はこんなか細い腕で自分を守るのが精一杯なの」
「貴女のせいでリュシアンが………「私のせい?ふんっ、そんな言い掛かりをつけないでちょうだい!悪いのはきちんと子供のことを見ていなかったあなたのせいでしょう?」
「貴女が……貴方が……私とリュシアンの生活を一変したんじゃない!!貴女が私の前に現れなければ……離縁だって…リュシアンが攫われることだって…なかったはずだわ」
「伯爵夫人として堂々と過ごしてきた貴女もただのみっともない女なのね」
「なんて言われてもいい。……リュシアンを…助けたいの。どうして…リュシアンは攫われ…たの?……貴女はあの男性と…どう言う関係?どう…したら助け…られるの?」
私はレベッカ様のドレスを鷲掴みにして泣きながら訊いた。
するとレベッカ様は私の腕を掴んで振り払った。
「私には関係ないわ。ここは王城内なのよ?優秀な騎士がたくさんいるのだから彼らに頼るべきだわ」
そう言うとソファから立ち上がりどこからともなく現れたメイドに向かって「気分が悪いから帰るわ」と言った。
そのメイドは……いつもリュシアンのお世話をしてくれていたリズだった。
「………リズ……」
リズは申し訳なさそうに頭を下げてソフィアを抱っこしたままレベッカについて行った。
「レベッカ様ぁ!!」
私は追いかけようとしたら後ろから手首を掴まれた。
「やめなさい」
知らない騎士が私の腕を掴んで「彼女に何を言っても何も答えてはくれない。今我々があの男性を追っているからもう少し辛抱してください」と言った。
「何も?どうして?なぜ息子が攫われたの?私が……私が悪いんだわ……仕事なんかにかまけて……自分の子でもないソフィアの世話を焼いて……リュシアンをちゃんと見ていなかったから……」
裸足で走り回った足は傷だらけで、髪の毛は乱れ、泣きじゃくった私の顔も化粧がはげてボロボロだった。
だけどそんなことよりリュシアンが攫われた。そのことが一番辛くてどうしようもなく苦しくて……騎士達が私を部屋に閉じ込めなければ泣き叫んで王城の中を探し回っていただろう。
なのに今の私は探し回ることも出来ない。暴れて……部屋に軟禁された。
それも精神安定剤を打たれて。
ーーリュシアン………
………ごめんなさい
パーティーの中動き回る使用人達に声をかけた。彼らが一番お客様のことを把握している。
「レベッカ・ジャクソン様でしょうか?」
「ええ、そうよ。今どこにいるのかわかるかしら?」
「気分が悪いと仰って、医務室へと行かれました」
「ありがとう。医務室はどこにあるのかしら?」
「あちらです」
指さす方向へと裸足のまま走った。
何人もの人が私の姿に驚き振り返る。もう格好なんて気にしていられない。
早く、彼女に会って伝えて、リュシアンを取り戻さなければ。理由なんてわからない。
でもあの男はソフィアに似ていた。
答えは彼女が持っているはず。
バンッ!
扉を勢いよく開いて「レベッカ様っ!!」と叫んだ。
驚いた看護師らしき人が「なに?」と顔を覗かせた。
「レベッカ様がここにいると聞いて……」
はぁはぁと肩で息をしながら周囲を見渡した。
「ああ、そのお方なら奥で……「奥?」
看護師の言葉を聞くとそのまま奥へと走った。
王宮内の医務室ってやたらと広い!
イライラしながら奥へ行くと豪華なソファにゆったりと座りお茶を飲むレベッカ様がいた。
ソフィアは見当たらないので侍女にでも預けているのかもしれない。
「レベッカ様っ!!」
大きな声で何度も名前を呼んだ。
なのにプイッとそっぽを向いて私を見ようともしない。
「レベッカ様!……き、金髪の男性が『じゃぁな、レベッカに俺がこの国にいると伝えろ』と言われました………あ、あの、その男性は……誰なんですか?その男性がリュシアンを……リュシアンを連れ去ったんです!」
「……………ふうん……で、私に何のようなの?」
「リュシアンが……リュシアンが攫われたんですっ!!」
「どうして助けに行かないの?私のところへ来てどうするの?」
横目で私をチラリと見た後、興味がなさそうに自分の爪を触っているレベッカ様。
「伝言が……伝言を伝えれば…リュシアンが…………「助かる?そんな訳ないじゃない………」
呆れたように私を見るとクスッと笑って肩をすくめた。
「私には関係ないことだわ。貴女の息子が攫われようと殺されようと……その男の伝言を態々私に言いに来てあなたは何を求めているの?私はこんなか細い腕で自分を守るのが精一杯なの」
「貴女のせいでリュシアンが………「私のせい?ふんっ、そんな言い掛かりをつけないでちょうだい!悪いのはきちんと子供のことを見ていなかったあなたのせいでしょう?」
「貴女が……貴方が……私とリュシアンの生活を一変したんじゃない!!貴女が私の前に現れなければ……離縁だって…リュシアンが攫われることだって…なかったはずだわ」
「伯爵夫人として堂々と過ごしてきた貴女もただのみっともない女なのね」
「なんて言われてもいい。……リュシアンを…助けたいの。どうして…リュシアンは攫われ…たの?……貴女はあの男性と…どう言う関係?どう…したら助け…られるの?」
私はレベッカ様のドレスを鷲掴みにして泣きながら訊いた。
するとレベッカ様は私の腕を掴んで振り払った。
「私には関係ないわ。ここは王城内なのよ?優秀な騎士がたくさんいるのだから彼らに頼るべきだわ」
そう言うとソファから立ち上がりどこからともなく現れたメイドに向かって「気分が悪いから帰るわ」と言った。
そのメイドは……いつもリュシアンのお世話をしてくれていたリズだった。
「………リズ……」
リズは申し訳なさそうに頭を下げてソフィアを抱っこしたままレベッカについて行った。
「レベッカ様ぁ!!」
私は追いかけようとしたら後ろから手首を掴まれた。
「やめなさい」
知らない騎士が私の腕を掴んで「彼女に何を言っても何も答えてはくれない。今我々があの男性を追っているからもう少し辛抱してください」と言った。
「何も?どうして?なぜ息子が攫われたの?私が……私が悪いんだわ……仕事なんかにかまけて……自分の子でもないソフィアの世話を焼いて……リュシアンをちゃんと見ていなかったから……」
裸足で走り回った足は傷だらけで、髪の毛は乱れ、泣きじゃくった私の顔も化粧がはげてボロボロだった。
だけどそんなことよりリュシアンが攫われた。そのことが一番辛くてどうしようもなく苦しくて……騎士達が私を部屋に閉じ込めなければ泣き叫んで王城の中を探し回っていただろう。
なのに今の私は探し回ることも出来ない。暴れて……部屋に軟禁された。
それも精神安定剤を打たれて。
ーーリュシアン………
………ごめんなさい
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