戦争から帰ってきた夫が連れてきたのは彼が愛する人の子供だった。

政略結婚してひと月後、夫は戦争へと向かった。

一人残された私は義母と執事と伯爵家を支えた。

夫は妊娠していたことを知らない。知らせる手紙は書いたけど、返事はなかった。

そして可愛い息子リュシアンを育てながら夫の帰りを待った。



「この子を我が子として育てることにした」

そう言って夫が連れ帰ったのは、三歳にも満たない女の子だった。

「この子は?」

「俺の大切な人の子供だ」

「私にあなたの婚外子を育てろというのですか?」


私には前世の記憶がある。子育てをした記憶が。

わかったわ。育ててやろうじゃない。
自分の子供も夫の愛人の子供も、可愛いければ育てられるはずだわ。

不器用で愛想がない夫を無視しまくって子育て、やってやるわよ!




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