【完結】彼の瞳に映るのは  

たろ

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顔合わせは大変でした。

 ネヴァンス侯爵家とバーランド公爵家はもちろんお互い顔見知りである。
 いや……お互いの父親は学生の時同級生だったらしい。
ただ仲はあまり良くなかったみたいにみえる。

だって……

「ダニエル久しぶりだな」
お父様に親しそうに話しかけるキース様のお父様。

「ああ」
お父様はむすっとしたまま一言しか返さない。

「お前は相変わらずだな、だから娘は王宮で王妃から囲われてしまうんだ」

ズカズカと言いたいことを言って話しかける大胆不敵なおじ様にわたしはドキドキしていた。

「うるさい、静かにしていろデヴィッド」
お父様はジロッと睨むとまたムスッとしていた。

「ダイアナと会うのは久しぶりだな、母親のエレファにまた似てきたな」

「ありがとうございます。あの、失礼ですがお会いしたことがあるのでしょうか?」

「覚えていないだろうけど君が幼い頃はよく我が家に遊びに来ていたんだ、エレファと一緒にね」

「え?」

「うちの妻とエレファ、そして王妃はとても仲が良かったんだ。まさかうちのキースと婚約することになるとは思わなかったけどね」

ーーですよね、5歳も年上のキース様だもの、もっと相応しい令嬢はいるはずだもの。

 キース様は二人の話を軽く受け流して

「ダイアナ、もう用は済んだ。一緒に王妃に会いに行こう」

「はい」

 わたし達は顔合わせをしてあとは大人達に任せて王宮へと向かった。

「まぁ仲良しなのね」
 キース様のお母様のアシュア様は何を勘違いしているのかわたし達の仲をいいと思っているみたい。お互い都合がいいだけの契約婚約なのに……




ーーーーー

馬車の中でキース様が話し出したのは……

「うちの両親は君のことをとても心配していたんだ。君が実家で辛い思いをしていないか、よく俺に聞いてきていた」

「え?そうなのですか?」

「君の母親が亡くなってすぐに再婚しただろう?だから……」

「わたしは幸せですね、王妃様もいつも娘のように気遣ってくれています。……別に実家では冷遇されているわけではないのです。ただ……わたしが受け入れられないだけです。
 お母様が亡くなる前からお父様は浮気をしていたみたいです、そのことに不信感しかありません。それにお母様が亡くなってすぐにお義母様を連れて来られたでしょう?あの屋敷はお母様が愛した場所だったのに…なんだか全てが無かったことになりそうで…それが悔しいのです。
 だからお母様と仲が良かった方達にお母様の話を聞かせて貰えるのはとても嬉しい、またお邪魔してもいいですか?」

「君が会いに来るのはいつでも構わないよ、一応婚約者だからね」








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