【完結】今夜さよならをします

たろ

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新しい恋。

じゅうの続き

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「バズール?どうして返事をしてくれないの?」

 リリアンナは恐々とバズールを見た。
 どんな顔をしているのだろう、不安の中で、それでも自分を庇ってくれたバズールに期待を込めて。

 バズールはリリアンナの言葉に固まってどう答えるべきか悩んでいた。すぐに返答できない。

 ーーそれはリリアンナに惹かれているからなのか。それとも彼女への同情なのか。
 リリアンナが他国へと後妻として嫁ぐことは王宮へ呼ばれた時に案内役であったカイに聞かされていた。

 気の毒だと思ったがライナへしたことを考えると仕方がないのではないかと思っていた。

 でも……リリアンナのいつも堂々として輝いていた、敬愛していた彼女の姿はなく、憔悴して落ち込んでバズールへ助けを求める瞳を見ると戸惑うしかなかった。

 周りの陛下たちは何も言わない。

 バズールの一言で、リリアンナのこれからの人生は変わる。

 ーー受け入れるか?

 リリアンナの姿を見ていると心が動く。

 ずっと好きだったライナには想いは通じない。いや、ハッキリと伝えてもいない自分が悪い。鈍感なライナに幼馴染感覚でしか接してこなかった。






 リリアンナはバズールが黙っているのは受け入れるか悩んでいるのだろうと考えた。

「バズール?……愛しているの、何度でも貴方に言うわ。愛しているの、貴方とずっといたいの、知らない国へ行って知らない男と暮らすなんて嫌なの。わたしは貴方だけなの、お願い」

 リリアンナは必死でバズールへ声をかけた。これで受け入れてもらえなければ、自分は知らない男にこの体を捧げなければいけない。
 そして一生その男から逃れられない。王族としての地位を奪われたら辺境伯と結婚しなければ今と同じ贅沢な生活は出来ないこともわかっている。

 ただバズールと結婚できればある程度の贅沢も我儘も出来るはず、さらに自分が欲して求めた男だ。
 ひたすら同情を買うようにバズールへ悲しそうな顔をしてみせた。

 リリアンナは固唾を飲んでバズールの言葉を待った。





 ◆ ◆ ◆

 短くてすみません。

 時間が………



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