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118話 ラフェ
◇ ◇ ◇ ラフェ
「君は…………」
振り返ると陛下が後ろに立たれていた。
陛下の姿を見て慌てて頭を下げた。
あまりのことに言葉が出なかった。
わたしがいたことに驚いたのではなく、わたしがラフェだと顔を見て確認しただけのようだ。
「頭を上げなさい。君がグレンから聞いていたラフェさんだね?」
「……は、はい」
まさかお会いすることになるとは思っていなかった。心臓はバクバクいってるし、生汗が出てきた。
ーーーど、どうしよう。
「君は全てを知っているんだったね。……嫌な思いをさせてすまなかった……」
「あっ、あの、辛くなかったと言えば嘘になります」
言葉を選びながら答えた。
「でも、今は、王妃様には安らかに眠って欲しいそう願っております」
何を伝えればいいのかよく分からない。
王妃様はただ陛下を愛した。その愛が歪みそしてグレン様への執着へと変わった。
そんなこと目の前にいる陛下にわたしが言うべき事でもない。
陛下は王妃様の眠る墓石に目を向けた。
その目はとても悲しそう。そして慈しんでいるように見えた。
ーーー陛下も王妃様を愛していたのかしら?
グレン様のお母様のセリーヌ様を愛したと聞いている。王妃様のことは愛していなかったと聞いていたのに……
「ここにはわたしとラフェさんしかいない……わたしの…独り言を聞いてくれないか……」
陛下はわたしに言ったのか墓の中で眠る王妃様に言ったのか……よく分からなかった。
だけどわたしが返事するなんて出来ない。雲の上の、上の人。今目の前にいるのもわたしにとっては信じられないくらいなのだ。
「わたしは……グレンの母である、セリーヌを愛していた。その愛は永遠で変わることはないと思っていた。どんなに周りに反対されようと別れさせられそうになっても彼女だけを愛した。
そのために王太子の座も捨てようとした。だが唯一だった後継者のわたしにはセリーヌを選ぶことは出来なかった。王太子としての責務を放棄することはできなかった。幼い頃からずっと国王になるために教育されてきた。わたし以外にこの国を守るだけの力を持つ者はいなかったんだ」
陛下は思い出しながら話す。
「わたしは無理やり公爵令嬢であるフランソアと結婚させられた。だが彼女を愛することはできない。
そう思いセリーヌを王城の廃屋の離れに住まわせた。見た目は廃屋のように見えるが中は綺麗に整えてセリーヌがのんびりと暮らせるようにした。
父にはバレないように隠れてセリーヌの元へ通った。そんなわたしを横目にフランソアは王妃としての仕事を淡々とこなしてくれていた。
それをわたしは王妃になったのだから当たり前だと思っていたんだ。彼女を愛していなくても労る気持ちや感謝の気持ちすら持ち合わせていなかった」
ーーー想像するだけで王妃様の心の痛みを辛さを感じて、胸がズキっとする。
「セリーヌが妊娠したと聞いた時にはわたしの幸せは絶頂だった。王妃はこのまま仕事だけしてもらい、わたしの子は愛するセリーヌが産み、いずれ跡取りになればいい。そんな愚かなことを考えていた。
王妃からわたしに愛を感じたことはなかった。だからそれでいいと思っていたんだ。政略結婚だ、フランソアは王妃になりたくて結婚した。
だから彼女はその地位に満足しているのだろうと…思い込んでいたんだ」
「………酷い」
思わず小さい声で呟いてしまった。
「君は…………」
振り返ると陛下が後ろに立たれていた。
陛下の姿を見て慌てて頭を下げた。
あまりのことに言葉が出なかった。
わたしがいたことに驚いたのではなく、わたしがラフェだと顔を見て確認しただけのようだ。
「頭を上げなさい。君がグレンから聞いていたラフェさんだね?」
「……は、はい」
まさかお会いすることになるとは思っていなかった。心臓はバクバクいってるし、生汗が出てきた。
ーーーど、どうしよう。
「君は全てを知っているんだったね。……嫌な思いをさせてすまなかった……」
「あっ、あの、辛くなかったと言えば嘘になります」
言葉を選びながら答えた。
「でも、今は、王妃様には安らかに眠って欲しいそう願っております」
何を伝えればいいのかよく分からない。
王妃様はただ陛下を愛した。その愛が歪みそしてグレン様への執着へと変わった。
そんなこと目の前にいる陛下にわたしが言うべき事でもない。
陛下は王妃様の眠る墓石に目を向けた。
その目はとても悲しそう。そして慈しんでいるように見えた。
ーーー陛下も王妃様を愛していたのかしら?
グレン様のお母様のセリーヌ様を愛したと聞いている。王妃様のことは愛していなかったと聞いていたのに……
「ここにはわたしとラフェさんしかいない……わたしの…独り言を聞いてくれないか……」
陛下はわたしに言ったのか墓の中で眠る王妃様に言ったのか……よく分からなかった。
だけどわたしが返事するなんて出来ない。雲の上の、上の人。今目の前にいるのもわたしにとっては信じられないくらいなのだ。
「わたしは……グレンの母である、セリーヌを愛していた。その愛は永遠で変わることはないと思っていた。どんなに周りに反対されようと別れさせられそうになっても彼女だけを愛した。
そのために王太子の座も捨てようとした。だが唯一だった後継者のわたしにはセリーヌを選ぶことは出来なかった。王太子としての責務を放棄することはできなかった。幼い頃からずっと国王になるために教育されてきた。わたし以外にこの国を守るだけの力を持つ者はいなかったんだ」
陛下は思い出しながら話す。
「わたしは無理やり公爵令嬢であるフランソアと結婚させられた。だが彼女を愛することはできない。
そう思いセリーヌを王城の廃屋の離れに住まわせた。見た目は廃屋のように見えるが中は綺麗に整えてセリーヌがのんびりと暮らせるようにした。
父にはバレないように隠れてセリーヌの元へ通った。そんなわたしを横目にフランソアは王妃としての仕事を淡々とこなしてくれていた。
それをわたしは王妃になったのだから当たり前だと思っていたんだ。彼女を愛していなくても労る気持ちや感謝の気持ちすら持ち合わせていなかった」
ーーー想像するだけで王妃様の心の痛みを辛さを感じて、胸がズキっとする。
「セリーヌが妊娠したと聞いた時にはわたしの幸せは絶頂だった。王妃はこのまま仕事だけしてもらい、わたしの子は愛するセリーヌが産み、いずれ跡取りになればいい。そんな愚かなことを考えていた。
王妃からわたしに愛を感じたことはなかった。だからそれでいいと思っていたんだ。政略結婚だ、フランソアは王妃になりたくて結婚した。
だから彼女はその地位に満足しているのだろうと…思い込んでいたんだ」
「………酷い」
思わず小さい声で呟いてしまった。
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