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8話
「アイシャ、どうしてそんな顔をするんだい?いつものアイシャはそんな言葉を言わない、素直で可愛らしいのに。アイシャ、君が幸せになれる最高の婚約者なんだぞ?」
お父様が悲しそうな顔をした。
初めて逆らったし初めてお父様を睨みつけた。
「わたし……どうしても嫌なんです」
理由なんてわかんない。でもあの殿下だけは嫌!
庭園でのことを思い出すだけで怖い。
頭を横に振り「嫌なんです」と言うと、なぜか涙が溢れ出した。
「お父様……わたしはまだ婚約者なんていらない……怖いの……殿下が怖いの………うっ……こ、こわい……やだよぉ、あのひと、こわい………」
感情が溢れ出す。
「うっわぁーーん、やだぁ!」
初めて大きな声で泣いた。
お母様が亡くなった時も悲しくて胸が締め付けられて張り裂けそうだったし涙はたくさん出たけど、お父様の方がもっと辛そうだったからわたしはお父様を守ろうと必死で泣くのを耐えた。
なのにどうしてこんなに嫌なんだろう?
恐怖がどんどん湧いてきた。
「アイシャ……陛下からの打診なんだよ、お断りすると言うことは逆らうことになる。我が公爵家にかなりの悪影響を与えることになるんだ」
お父様はわたしが泣く姿を見て困ったように話し出した。
「………困る?」
「ああ、とても。陛下はシルヴィオ殿下をとても可愛がられていて、断るとなるとご機嫌を損ねることになる」
「嫌がらせ?それとも公爵家の臣下である貴族の人たちが離れてしまうの?」
「はあ、君は6歳にしてはかなり聡明だった。それに断るだけの確固たる理由がない」
「理由………」
その言葉に何も言えなくなった。
だって、私もよくわからないんだもの。
そして………
シルヴィオ殿下と婚約することを聞いてから初めて顔合わせをするために王城へと再び向かった。
お父様と二人来賓室で陛下達を待つことになった。
こんな豪華で煌びやかな部屋に入ったことがないはずなのに、不思議と初めてだと思わなかった。
かと言って居心地はとても悪く手だけではなく身体中が嫌な汗をかいて気持ち悪い。
「アイシャ、大丈夫かい?顔色がとても悪いが?」
お父様が心配して顔を覗き込んだ。
「………気になさらないでください」
だってお父様、お断りはできないのでしょう?
そう言いたいけど言えない。お父様だってわかってるでしょう?
扉が開いた。
わたしは憂鬱な気持ちで殿下をお迎えした。
✴︎✴︎ ✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎
初めての顔合わせ。
一番大好きなドレスを着せてもらい、一番可愛い髪型にしてもらった。
編み込んでひとつ結びに纏めた髪に初めて会った時に見た殿下と同じ瞳の色の紫のリボンをむすんでもらった。
来賓室でお父様と静かに待った。
隣に座るお父様はわたしの手を優しく握ってくれた。
わたしが目をキラキラさせているからか
「大丈夫かい?シルヴァ殿下はとてもお優しいお方だから安心しなさい」
「うん!この前お会いした時もとても優しかったの!本当の王子様って絵本なんかよりももっと素敵なの!」
わたしの周りで精霊達が楽しそうに飛び回る。
もうすぐシルヴァ殿下が来ることが精霊達にもわかるみたい。
お会いしたらちゃんと綺麗な姿勢でご挨拶しなくっちゃ。
お父様にもおかしな話はしてはダメだと言われたわ。
でもおかしな話を殿下に教えたのはお父様だと思うのよ。
わたしがピーマンやセロリが苦手なことはトム達しか知らないはずなのに。
殿下にまで知られてしまってるなんて、恥ずかしい。
扉が開いた。
わたしは目を輝かせて殿下をお迎えした。
お父様が悲しそうな顔をした。
初めて逆らったし初めてお父様を睨みつけた。
「わたし……どうしても嫌なんです」
理由なんてわかんない。でもあの殿下だけは嫌!
庭園でのことを思い出すだけで怖い。
頭を横に振り「嫌なんです」と言うと、なぜか涙が溢れ出した。
「お父様……わたしはまだ婚約者なんていらない……怖いの……殿下が怖いの………うっ……こ、こわい……やだよぉ、あのひと、こわい………」
感情が溢れ出す。
「うっわぁーーん、やだぁ!」
初めて大きな声で泣いた。
お母様が亡くなった時も悲しくて胸が締め付けられて張り裂けそうだったし涙はたくさん出たけど、お父様の方がもっと辛そうだったからわたしはお父様を守ろうと必死で泣くのを耐えた。
なのにどうしてこんなに嫌なんだろう?
恐怖がどんどん湧いてきた。
「アイシャ……陛下からの打診なんだよ、お断りすると言うことは逆らうことになる。我が公爵家にかなりの悪影響を与えることになるんだ」
お父様はわたしが泣く姿を見て困ったように話し出した。
「………困る?」
「ああ、とても。陛下はシルヴィオ殿下をとても可愛がられていて、断るとなるとご機嫌を損ねることになる」
「嫌がらせ?それとも公爵家の臣下である貴族の人たちが離れてしまうの?」
「はあ、君は6歳にしてはかなり聡明だった。それに断るだけの確固たる理由がない」
「理由………」
その言葉に何も言えなくなった。
だって、私もよくわからないんだもの。
そして………
シルヴィオ殿下と婚約することを聞いてから初めて顔合わせをするために王城へと再び向かった。
お父様と二人来賓室で陛下達を待つことになった。
こんな豪華で煌びやかな部屋に入ったことがないはずなのに、不思議と初めてだと思わなかった。
かと言って居心地はとても悪く手だけではなく身体中が嫌な汗をかいて気持ち悪い。
「アイシャ、大丈夫かい?顔色がとても悪いが?」
お父様が心配して顔を覗き込んだ。
「………気になさらないでください」
だってお父様、お断りはできないのでしょう?
そう言いたいけど言えない。お父様だってわかってるでしょう?
扉が開いた。
わたしは憂鬱な気持ちで殿下をお迎えした。
✴︎✴︎ ✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎
初めての顔合わせ。
一番大好きなドレスを着せてもらい、一番可愛い髪型にしてもらった。
編み込んでひとつ結びに纏めた髪に初めて会った時に見た殿下と同じ瞳の色の紫のリボンをむすんでもらった。
来賓室でお父様と静かに待った。
隣に座るお父様はわたしの手を優しく握ってくれた。
わたしが目をキラキラさせているからか
「大丈夫かい?シルヴァ殿下はとてもお優しいお方だから安心しなさい」
「うん!この前お会いした時もとても優しかったの!本当の王子様って絵本なんかよりももっと素敵なの!」
わたしの周りで精霊達が楽しそうに飛び回る。
もうすぐシルヴァ殿下が来ることが精霊達にもわかるみたい。
お会いしたらちゃんと綺麗な姿勢でご挨拶しなくっちゃ。
お父様にもおかしな話はしてはダメだと言われたわ。
でもおかしな話を殿下に教えたのはお父様だと思うのよ。
わたしがピーマンやセロリが苦手なことはトム達しか知らないはずなのに。
殿下にまで知られてしまってるなんて、恥ずかしい。
扉が開いた。
わたしは目を輝かせて殿下をお迎えした。
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