(完結)乙女ゲームの悪役令嬢に転生しましたが、私オジ専なのでお構いなく

海野すじこ

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この世界ボーナスステージでは?

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私、伊上優理花の初恋は幼稚園の時。

幼稚園で同じ年の男の子達にいじめられて泣いていた時、その人は現れた。

「大丈夫かい?優理花ちゃん。」

低音のバリトンボイスに顔を上げると、当時48歳の優しくダンディーな園長先生が微笑んでいた。

その時、私のハートにドスッと矢が刺さった。

同じ年の男の子達にない、包容力と大人の色気。

私は、幼稚園の時にオジ専に目覚めてしまったのだ。(※ただしイケオジに限る)

それからは、好きになる対象はすべて素敵なオジ様。

学校の先生だったり、図書館の司書さん、喫茶店の店長さん····等々。

同年代には目もくれず、ただひたすらにおじ様と世間で言われる存在に恋をした。

だが、私の恋愛は成就する事はなかった···。

なぜなら──。

現代社会では、未成年はオジ様に相手にされないからだ。

もし相手にするような人間は、もれなく警察のお世話になってしまうだろう···。


素敵なオジ様からすれば、女性に困っているわけではないのに、捕まるリスクを冒してまで、未成年に手を出す必要がないからだ。

未成年に手を出せば、人生終了してしまうものね···。


せめて···私が二十歳くらいだったならば、相手にしてもらえたのだろうか?


しかし残念なことに、私は二十歳になる前に不慮の事故で命を落としてしまうのだった。

次の人生では、素敵なオジ様と恋したいなぁ···。

「素敵なオジ様と恋したい」という悔いを残したまま、私の一回目の人生は呆気なく終わってしまった。

──────



目が覚めると、私はヨーロピアンな家具に囲まれた部屋で目を覚ました。

あれ····?
私、死んだはずだよね···?
そんな事を考えながら起き上がり、部屋の中を歩き回る。

部屋の中は、アンティークっぽい品の良い家具で揃えられていた。

私の住んでいたアパートの何倍あるのだろう?と思うほど広い部屋。

私は何故こんな所に···?

ふと見ると、目の前には大きな高価そうな姿見用の鏡が置いてあったので、鏡を覗いてみた。

鏡を見た瞬間、私は理解した。
ああ、これが····異世界転生かと。

自分の姿が赤ちゃんでない所からすると、憑依···または、前世の記憶を思い出したパターンだろうか?

生前の私より、スラリとした手足。
綺麗な金髪に綺麗な水色の瞳。

もしかしたら、高位貴族の娘かな?
ずいぶんと、着ている寝間着は高価そうだ。
細かいレースや刺繍も綺麗だし、まず服の素材が違う。

普段私が着ていたような大量生産の安っぽい寝間着とは違って肌触りがいい。

鏡に映る自分の頬に触れるが、肌はすべすべで、毛穴所かシミも、ソバカスもない。
これが、噂の陶器肌というものか···。

見た目は、かなり当たりじゃないだろうか?
かなりの美少女だと思う。

でも、どこかで見た事があるような···。
自分の姿を見て考え込む。

この見た目は····。
見た目はこのままで、髪をドリルにしたら──。


その時、雷に打たれたような衝撃が走った。

何故なら、生前ハマっていた乙女ゲームに登場する、悪役令嬢エレノア・ランバートだと気づいたから。

エレノアは、乙女ゲーム「ドキドキ♡イケメン学園」に出てくる悪役令嬢で、プライドが高くて傲慢だけど、ツンデレで見た目だけならヒロインのユリアより可愛い。

王太子がヒロインに心移りして、嫉妬からヒロインのユリアをイジメちゃうんだけど···。

よくよく考えたら、エレノアがユリアをいじめるのも···婚約者であるエレノアをほったらかしにして、他の女に行く王太子が原因では?って思うんだよね。

エレノアはツンデレだけど、王太子一筋で、とても一途で可愛いのに···。
この可愛らしさがわからないなんて、お子様王太子め。

乙女ゲームだから許されるけど···。
現実世界ならヒロインってただのビッチだもんね。

あんなのに、コロッと落とされるような王太子も王太子だよねぇ。

ならば何故、私はこのゲームにはまっていたのか。

それは、何よりイラストがめちゃくちゃ綺麗だったの。

攻略対象も、ヒロインも、悪役令嬢も···とにかくビジュアルが美しくて····。

そして、何より···。

この作品を担当したイラストレーターが描くオジ様が、ストライクど真ん中でめちゃくちゃダンディーでカッコ良かったの!!

悪役令嬢のお父さんはもちろんだけど····。

悪役令嬢エレノアが、王太子に婚約破棄された後に、罰として、年が30も違うエヴァン侯爵の後妻にさせられるんだけどね···。

そのエヴァン侯爵が、めちゃくちゃダンディーでカッコ良いの!もう攻略対象なんて目に入らないほど、大人の色気ムンムンで···優しく包容力があって···前世で、一番の推しだったの。

だから私は····。

「やったわ!悪役令嬢のエレノアに転生っ!!婚約破棄された後、エヴァン侯爵の後妻になれるのねっ···。最高すぎる···。前世の最推し···!エヴァン侯爵の後妻とか幸せすぎる!神様よありがとう!!」

···と内心ガッツポーズ決めて、飛び上がって喜んじゃうくらいだから、全然悲観してなかったの(笑)

むしろ、ご褒美だと思ったくらいなんだもの。


この世界では、前世での唯一の未練「素敵なオジ様との恋愛」が可能なのだ。

私の念願が叶う世界···。最高すぎる!

そうと決まれば、早く浮気者の王太子に婚約破棄して貰わなくてはっっ!!



そういえば···私なんで部屋で寝てたんだろ···??

まあどうでもいいか。














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