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トゥーリの片想い
3.ヌーッティのダイエットと激怒のトゥーリ
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「どうして2人ともおやつを食べないの?」
夜のティータイム中、トゥーリは怪訝な面持ちでヌーッティとリュリュに尋ねた。それもそのはず、いつもならがっついているはずのヌーッティがビスケット1枚ですら食べていないのである。
ヌーッティはちらりと椅子に腰掛けているアキを見た。アキは首を横に振った。ヌーッティはうな垂れながら、
「ダイエット中だヌー」
小さな声で答えた。
「ヌーッティがダイエット? 絶対にうそ。また何かしたんでしょ? リュリュ、知ってる?」
トゥーリはリュリュに顔を向ける。リュリュはトゥーリから視線を逸らして、
「さ、さぁ。わたくしには見当がつきませんわ」
はぐらかすように答えた。
トゥーリはまじまじと2人の顔を交互に見る。
「きっと何かしたんだろう、ヌーッティが。さしづめリュリュは巻き添えを食ったってところかな」
なるほどとトゥーリが納得しかけた時、ヌーッティが立ち上がった。
「違うヌー! 巻き込まれたのはヌーッティだヌー! リュリュがのろいするって言うからヌーッティはお手伝いをしただけだヌー! なんでのろいしたのにおやつが食べられないヌー⁈」
ヌーッティは泣き喚きながら地団駄を踏み始めた。
トゥーリはデスクに置かれた分厚い辞書の後ろへ隠れようとしているリュリュへ視線を向ける。
「リュリュ。どういうこと?」
リュリュの身体がびくりと震えた。リュリュはゆっくりと顔をトゥーリへ向ける。そこには懐疑の色を瞳に湛えたトゥーリがいた。
彼らの様子を静観していたアキは思わず溜め息を吐いた。そして、何も知らないトゥーリとアレクシに事の顛末を話して聞かせた。
話を聞き終えてたアレクシはヌーッティを指差して笑い出す。
「のろいでお腹いっぱいになるわけないだろう? 実にヌーッティらしい発想だ!」
お腹を抱えて笑っているアレクシに対してヌーッティは頬を膨らませている。
「ヌーッティは悪いことしてないヌー! だからおやつを食べられるヌー!」
ヌーッティはアキの手のひらをぽかぽか叩く。
「明日は食べていいけど今夜はだめ。トゥーリも何か言って……え?」
トゥーリを見たアキは言葉に詰まった。
それに気づいてヌーッティとアレクシがトゥーリを見た。見るや否や2人は戦々恐々とトゥーリから距離を取る。逃げられなかったのはリュリュだけであった。
禍々しいオーラを身に纏うトゥーリはすっと立ち上がり、リュリュへ歩み寄る。
逃げてきたヌーッティとアレクシを抱えているアキは、トゥーリの放つ威圧感に気圧されながらも、
「トゥーリ、落ち着いて。リュリュも悪気があったわけじゃ……ないとは言い切れないけど、取り敢えず、拳は下ろそう、な?」
「ちょっと黙ってて」
「あ、はい」
もうアキの制止すら効かない状態であった。
怒り心頭のトゥーリが辞書の背後で震えているリュリュに尋ねる。
「ねえ、リュリュ。アキに呪いをかけようとしたの?」
「えーっと、かけようとしたのですが間違っていたようで成就ならずでした。ですから、わたくしはヌーッティ同様無実ということに……」
「なるわけないでしょ!」
拳を振りかざしたトゥーリは拳を解くと手近にあったデスク上の猫のマウスレストを手に取る。
「だめだめだめー!」
トゥーリの次の行動を察したアキが、トゥーリの動きを止めるべく手を伸ばした瞬間。
「トゥーリ様はアキのことがお好きなのですか⁈」
咄嗟のリュリュの一言ですべての動きが止まった。
夜のティータイム中、トゥーリは怪訝な面持ちでヌーッティとリュリュに尋ねた。それもそのはず、いつもならがっついているはずのヌーッティがビスケット1枚ですら食べていないのである。
ヌーッティはちらりと椅子に腰掛けているアキを見た。アキは首を横に振った。ヌーッティはうな垂れながら、
「ダイエット中だヌー」
小さな声で答えた。
「ヌーッティがダイエット? 絶対にうそ。また何かしたんでしょ? リュリュ、知ってる?」
トゥーリはリュリュに顔を向ける。リュリュはトゥーリから視線を逸らして、
「さ、さぁ。わたくしには見当がつきませんわ」
はぐらかすように答えた。
トゥーリはまじまじと2人の顔を交互に見る。
「きっと何かしたんだろう、ヌーッティが。さしづめリュリュは巻き添えを食ったってところかな」
なるほどとトゥーリが納得しかけた時、ヌーッティが立ち上がった。
「違うヌー! 巻き込まれたのはヌーッティだヌー! リュリュがのろいするって言うからヌーッティはお手伝いをしただけだヌー! なんでのろいしたのにおやつが食べられないヌー⁈」
ヌーッティは泣き喚きながら地団駄を踏み始めた。
トゥーリはデスクに置かれた分厚い辞書の後ろへ隠れようとしているリュリュへ視線を向ける。
「リュリュ。どういうこと?」
リュリュの身体がびくりと震えた。リュリュはゆっくりと顔をトゥーリへ向ける。そこには懐疑の色を瞳に湛えたトゥーリがいた。
彼らの様子を静観していたアキは思わず溜め息を吐いた。そして、何も知らないトゥーリとアレクシに事の顛末を話して聞かせた。
話を聞き終えてたアレクシはヌーッティを指差して笑い出す。
「のろいでお腹いっぱいになるわけないだろう? 実にヌーッティらしい発想だ!」
お腹を抱えて笑っているアレクシに対してヌーッティは頬を膨らませている。
「ヌーッティは悪いことしてないヌー! だからおやつを食べられるヌー!」
ヌーッティはアキの手のひらをぽかぽか叩く。
「明日は食べていいけど今夜はだめ。トゥーリも何か言って……え?」
トゥーリを見たアキは言葉に詰まった。
それに気づいてヌーッティとアレクシがトゥーリを見た。見るや否や2人は戦々恐々とトゥーリから距離を取る。逃げられなかったのはリュリュだけであった。
禍々しいオーラを身に纏うトゥーリはすっと立ち上がり、リュリュへ歩み寄る。
逃げてきたヌーッティとアレクシを抱えているアキは、トゥーリの放つ威圧感に気圧されながらも、
「トゥーリ、落ち着いて。リュリュも悪気があったわけじゃ……ないとは言い切れないけど、取り敢えず、拳は下ろそう、な?」
「ちょっと黙ってて」
「あ、はい」
もうアキの制止すら効かない状態であった。
怒り心頭のトゥーリが辞書の背後で震えているリュリュに尋ねる。
「ねえ、リュリュ。アキに呪いをかけようとしたの?」
「えーっと、かけようとしたのですが間違っていたようで成就ならずでした。ですから、わたくしはヌーッティ同様無実ということに……」
「なるわけないでしょ!」
拳を振りかざしたトゥーリは拳を解くと手近にあったデスク上の猫のマウスレストを手に取る。
「だめだめだめー!」
トゥーリの次の行動を察したアキが、トゥーリの動きを止めるべく手を伸ばした瞬間。
「トゥーリ様はアキのことがお好きなのですか⁈」
咄嗟のリュリュの一言ですべての動きが止まった。
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