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欲望のトライアングル
4.ヌーッティの決断
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「さあ、ラクリッツチョコレートを作りましょう!」
意気揚々とリュリュが板チョコを半分にへし折った。半分をヌーッティに手渡すと、もう半分を素手で細かく粉砕した。
いつもなら手渡されたお菓子を即座に食べるヌーッティであったが、これまでのリュリュの言動に怯えているのか、渡されたチョコレートに手をつけなかった。
そんなヌーッティに構わずリュリュは、粉砕したチョコレートをククサという白樺のコブから作られたカップに入れると、詩を歌い始める。
Suklaa, tule kiroukseksi
——チョコレートよ、呪いになれ
Mieleni, sekoita siihen
わたくしの気持ちよ、それに混ざれ
リュリュの歌に応えてククサの中のチョコレートの色が、香ばしい茶色から毒々しい紫色に変わった。
それを見届けたリュリュが別の詩を歌うと、チョコレートは溶けて液状に変わった。リュリュはククサの横に置いておいたラクリッツを1粒手に取ると、それをチョコレートの中に入れた。ラクリッツは紫色のチョコレートでコーティングされた。リュリュはそれを手で掬い取ると、ふうっと息を吹きかけた。瞬く間にチョコレートが固まり、ラクリッツチョコが完成した。
「できたヌー?」
恐る恐るヌーッティがリュリュに尋ねた。
「アレクシへのチョコはできましたわ。さて、次はトゥーリ様へのチョコを作らなくちゃですわ」
発言の前半と後半で声色が変わっており、ヌーッティは、アレクシが今までに類を見ない危機的状況に置かれていることを察した。
「ヌ、ヌーはちょっと用事を思い出したから……」
「トゥーリ様に報告する気ではありませんわよね?」
図星だったのかヌーッティは冷や汗をかき始める。リュリュの鋭く冷たい眼光がヌーッティを捉える。ヌーッティの目は泳ぎ、言葉に詰まっていた。
「報告する気ですか?」
「ち、ちがうヌー」
ヌーッティはそう答えるほかなかった。
返答を聞いたリュリュはククサの中のチョコレートを息を吹きかけ凍らせて中から抜き出すと、残っていたチョコレートを手に取り粉砕し、ククサの中へ入れた。
そして、再び詩を歌う。
Suklaa, muuta toivoksini
ーーチョコレートよ、わたくしの祈りに変われ
Rakkaudeni , sekoita siihen
わたくしの愛よ、それに混ざれ
チョコレートが今度は輝く赤色に変わり、リュリュは別の歌でチョコレートを溶かした。
それから、先程と同じ容量でラクリッツチョコを作ると、赤色のラクリッツチョコを赤色の袋で包装し、紫色のほうは黒色の袋に包んだ。
ラクリッツチョコが完成すると、リュリュはメッセージカードを書き始めた。時々、歌を歌いながら書くリュリュをヌーッティは部屋の隅で怯えながら見ていた。
しばらくして、メッセージカードを書き終えたリュリュは、ヌーッティに残りのチョコレートを食べて良いと伝えると、ヌーッティを残してその場を後にした。
その時、ヌーッティは閃いた。
ヌーッティはすぐさま行動に移した。
はたして、アレクシは無事でいられるのか、 トゥーリに被害が及ばずに済むのか、その前に、ヌーッティ自身が生き延びることができるのかーーそのすべてがヌーッティの行動に委ねられていた。
意気揚々とリュリュが板チョコを半分にへし折った。半分をヌーッティに手渡すと、もう半分を素手で細かく粉砕した。
いつもなら手渡されたお菓子を即座に食べるヌーッティであったが、これまでのリュリュの言動に怯えているのか、渡されたチョコレートに手をつけなかった。
そんなヌーッティに構わずリュリュは、粉砕したチョコレートをククサという白樺のコブから作られたカップに入れると、詩を歌い始める。
Suklaa, tule kiroukseksi
——チョコレートよ、呪いになれ
Mieleni, sekoita siihen
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リュリュの歌に応えてククサの中のチョコレートの色が、香ばしい茶色から毒々しい紫色に変わった。
それを見届けたリュリュが別の詩を歌うと、チョコレートは溶けて液状に変わった。リュリュはククサの横に置いておいたラクリッツを1粒手に取ると、それをチョコレートの中に入れた。ラクリッツは紫色のチョコレートでコーティングされた。リュリュはそれを手で掬い取ると、ふうっと息を吹きかけた。瞬く間にチョコレートが固まり、ラクリッツチョコが完成した。
「できたヌー?」
恐る恐るヌーッティがリュリュに尋ねた。
「アレクシへのチョコはできましたわ。さて、次はトゥーリ様へのチョコを作らなくちゃですわ」
発言の前半と後半で声色が変わっており、ヌーッティは、アレクシが今までに類を見ない危機的状況に置かれていることを察した。
「ヌ、ヌーはちょっと用事を思い出したから……」
「トゥーリ様に報告する気ではありませんわよね?」
図星だったのかヌーッティは冷や汗をかき始める。リュリュの鋭く冷たい眼光がヌーッティを捉える。ヌーッティの目は泳ぎ、言葉に詰まっていた。
「報告する気ですか?」
「ち、ちがうヌー」
ヌーッティはそう答えるほかなかった。
返答を聞いたリュリュはククサの中のチョコレートを息を吹きかけ凍らせて中から抜き出すと、残っていたチョコレートを手に取り粉砕し、ククサの中へ入れた。
そして、再び詩を歌う。
Suklaa, muuta toivoksini
ーーチョコレートよ、わたくしの祈りに変われ
Rakkaudeni , sekoita siihen
わたくしの愛よ、それに混ざれ
チョコレートが今度は輝く赤色に変わり、リュリュは別の歌でチョコレートを溶かした。
それから、先程と同じ容量でラクリッツチョコを作ると、赤色のラクリッツチョコを赤色の袋で包装し、紫色のほうは黒色の袋に包んだ。
ラクリッツチョコが完成すると、リュリュはメッセージカードを書き始めた。時々、歌を歌いながら書くリュリュをヌーッティは部屋の隅で怯えながら見ていた。
しばらくして、メッセージカードを書き終えたリュリュは、ヌーッティに残りのチョコレートを食べて良いと伝えると、ヌーッティを残してその場を後にした。
その時、ヌーッティは閃いた。
ヌーッティはすぐさま行動に移した。
はたして、アレクシは無事でいられるのか、 トゥーリに被害が及ばずに済むのか、その前に、ヌーッティ自身が生き延びることができるのかーーそのすべてがヌーッティの行動に委ねられていた。
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