室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

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第1章 月森ヶ丘自由学園

あの二人の向かう先は───…



「それで、学園の名前を聞くかぎり日本の学園と察しますが…その理事長代理が何故ゆえ、このような所に?」

「……私は、理事長代理も兼ねていますが、まだ学生ながらも理事長を務める満様のお目付け役という仕事もあるのですよ。あぁ…満様というのは、私がお仕えしている旦那様のお孫様。歳でいうと、ちょうど満様のご友人であるクリフェイド様と同じ年です」

クスッ‥と笑うキースに声をかけたのは父、アクシオンだった

「友人…? クリフェイドは日本に友人がいたのか!?」

ずっと、英国の屋敷にいるとばかり思い込んでいたアクシオンは、クリフェイドに日本の友人がいたということに衝撃を受ける


「おや…? 何もご存知ないようで? お二人は一年近く前に中国で、マフィアの抗争に巻き込まれたときに知り合ったそうですよ。観光客として、訪れていたクリフェイド様に、学園を抜け出し、

古代中国遺跡に眠る秘宝を見つけようとトレジャーハンターとして赴いていた二人は、マフィア同士の抗争に巻き込まれ、お互いの性格が似ていたのでしょう…


すぐに意気投合。それから、お二人は仲の良いご友人となりました。…今、述べましたのは私が調べたものなので、実際と多少異なるかと思いますが、概ね主な内容は変わりません」

キースは、そこで一端、言葉を切ると俄に眉間を寄せた。

「ですが、あの方は今学生が本分。それに私はあの方の保護者代わりでもあるんです。ですから、危険なことはさせないように…と、見張ってるわけでもありますが、クリフェイド様も満様同様に賢く、お互いが友人関係を結ばれてからは、悪知恵もまた増し、今ではよく撒かれることも…

今日も満様が消え、ご友人であるクリフェイド様の所へ行けば必然的に会うことを想定し、こうして赴いたわけですが。

どうやら、無駄足だったようです。お二人が行ってしまった以上、尚も此処に足を止めておく理由もありませんし、ね…」

唖然とする周りに、そこまで言うとキースは、踵を反し、また来た道を戻っていく‥

そこで、ふと、キースは振り向き様に言った

「クスッ、せっかくですし。良いことをお教えしましょうか。彼らは、中国人はさておき、あの二人の向かう先は……

 ───…恐らく日本ですよ」

その言葉に俄に皺を寄せるマコーネルの顔に満足するキースは、その場を後に去って行った‥。


「………日本ですか」

そう呟くマコーネルは、嫌そうに苦々しげに顔を歪めた

「…どうする?」

マコーネルが残してきた部下と仕事のことを懸念、副室長のマコーネルが日本へ行くことは難しかった。室長が不在の場合は、必然と副室長が仕切ることになるからだ。

言わば、責任者代理人。

もし、何かあったときに不在であれば、対処せずらいということがまた理由の一つであり、責任者が所轄…組織から長く不在することは、やはり、世間体も悪い……。ましてや、たださえ、クリフェイドのいる組織は若造の青二才集団として、頭の固い昔ながらの考えを持つ国の重役、大臣からは煙たがられていた。

マコーネルとしては日本に行き、今すぐにでもクリフェイドを本国である英国に連れて帰りたい気持ちだが、現実的に考えて少しキツい。

そこで名乗り上げたのはレオだった。


レオとしては、そう中々日本に赴くこともない為、日本に行くことを希望する。

少しウキウキしたレオの様子に、これは仕事なんですが……と呆れた顔に変えるマコーネルは、考えを改めてシフォンを連れていけ、と言った。

「は!?」

なぜ、自分が?!と一番驚きを隠せないのはシフォンだった‥。やっとこさ、人使いの荒い上司から解放された…と思った矢先に、これだ。

 だが、マコーネルもまた自分の上司に変わらず‥。

───結果、嫌々ながらも渋々承知したのだった。
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