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序章 英国フォルティア学院

胸騒ぎ

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「…彼に何か言われたんですか?」

「別に何も」


無表情のまま、敬語はなくなったが、マコーネルに淡々と返す言葉は少なく、冷たい。


それに気付いたのだろう…

マコーネルも俄に眉間を寄せている


「…で、なぜ来た?お前、まだ仕事が残ってるんだろう?サボりの心配なら、せずとも、すぐに戻る」

後ろを歩くマコーネルに振り返り言うクリフェイドは小さく息をつく

「別に、そう毎回サボるつもりはない。だから、わざわざ追って来なくとも…!」

ハッと何かを感じたように視線をマコーネルから外し、突然、辺りを窺いだすクリフェイドの様子にマコーネルは怪訝な表情を浮かべる

「…………室長?」

尋ねるも、反応がないクリフェイドにマコーネルは些か眉を寄せる


――… 今、何かを感じたような…?

殺気・・・? いや、ちがう。今のは殺気じゃない。これは…


「マコーネル……

胸騒ぎがする。急いで戻るぞ」

突如、低い声でそう告げるクリフェイドに微かに驚くマコーネル。


「胸騒ぎ、ですか…」

小さく漏らすマコーネルの呟きにクリフェイドは頷いた


「あぁ… 急ぐぞ」

ーーーーーー…
ーー…

――ガチャッ

「あ、室長!マコーネルさん!」


クリフェイドが扉を開けた瞬間、いっせいに視線が集った

「……まったく、なんの騒ぎだ?」


髪を掻き上げ、クリフェイドは苛立たしげに舌打ちする

「その女は誰だ?誰が此処に入れた?」


そう問うのはヒドく冷めた声・・


「あ、室長!先ほどは申し訳ござ…「さっき?何のことだ?それよりも、誰だアレは!?」

「えっと、彼女はクロード家のご令嬢、レナ・クロードなのですが、シフォンの幼なじみらしいです。

で、 その…

シフォンを追って・・ その、此処までつけて来たようなんですよ…」

セイシェルは困惑顔でクリフェイドとマコーネルに言った

「不法侵入だろう?だったら、警備員でも呼んでつまみ出せ」


苛々しながら、チッと小さく舌打ちするクリフェイドにベルクは言う

「陛下がその‥ 『人が足りてないんだ。いないよりはマシだろう』って」

ベルクの言葉にクリフェイドはますます苛立ちを隠せない


聞いてないぞ!!!そんな話!

クリフェイドは苛々するのを紛らわそうと頭を横に振る… しかし、やはりイラつきは収まらない。
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