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序章 英国フォルティア学院
風紀の馬鹿共が潰れたトマトと同じ道を辿ることになっても僕は構わない
しおりを挟むアシスの言葉に英理たちは不満げな顔だ。
何か喚いているが、それを無視し、クリフェイドは電話をかける‥
『も… もしもしだっち!』
かけた相手は言わずもがなノクス。
「チッ、どうせ近くで見てるんだろう? さっさと、お前んところの馬鹿共を回収しろ」
か、仮にも… ふ、風紀の人間を馬鹿呼ばわりっちか… いや、ホント、さすが室長だっち。
『こ、困るっち!オレっち、転校生に関わりたくないッス!!』
小声でヒソヒソ… 焦燥の表情で話すノクスにクリフェイドは、短くただ一言。
『そうか…』
そして――
― ダンっ!!
テーブルの上に置いてあったフォークを持つと、目の前の皿に添えられた熟れた赤いトマトに勢いよく振り下ろした。
-グ゙チュッッ!!!
グロい嫌な音を立てて、トマトから汁が飛び散る
「「「………………」」」
食堂中が静まり返る。
「……別に僕は構わない。ここにいる風紀の馬鹿共がトマトと同じ道を辿ることになっても、一向に構わないんだがな?」
「えっ」
クリフェイドのその発言に風紀三人だけでなく、全員が固まる。
――プツッ
電話が切れた。
ーー…直後、
「…ゼェッ…―ハァ…っ!!! ジ、ジョナ サンも…っルキもションも何してるっち!さぁ、風紀室に帰るッスよ!!」
一般生徒に紛れて座っていたノクスが全力疾走で駆けてきた。まるで、イノシシの突進のごとく飛び込んできた。
「ノクス…!?」
いきなり現れたノクスにルキは驚く。
「まさか、副会長の今の電話の相手って… キミなのかい?ノクス??」
ジョナサンは信じ難いといった感じの顔。
「アレとどういう関係だ!?ノクスっ!!!」
なぜか、ノクスに突っ掛かるション‥
「っていうか、僕たちが”馬鹿”って? 確か、君、そう言ってたよね… ?電話で」
ノクスに腕を引っ張られるも、なおクリフェイドに食ってかかるルキ。
「フンッ!馬鹿に馬鹿と言って何が悪い」
「なっ!?駄目だろ!!クリフェイド!友達に馬鹿って言っちゃ!!!」
「んー… 藤野くん、ちょっと君黙っててくれないかな?クリフェイドを怒らせると後が大変だからさ…」
クリフェイドに突っ掛かってくる周を諌めるアシス。しかし、彼は人の話を聞かない。
「駄目だろ!?ちゃんと友達が間違ってたら、説教してやるのが友達だっ!!!」
クリフェイドに一つ言ってやろうと振り返ったとき、星形フレームのサングラスをかけたノクスに目が行った。
――バチッ
Σうわっ!目が合ったっち!
そして恒例の‥
「なぁ!お前、名前なんて言うんだ?」
「……風紀」
名前を答えたくなかったノクスは 風紀と一言。しかし--
「は!?何だよっ それ!!!俺は名前聞いてんのに…」
じわっ…と、涙目になりはじめる周に、取り巻きらから睨まれる。
―― ぅえ゙?!なんで、そこで泣くッち!?
「ふぇ…っ お前もクリフェイドも、なんで…っ 友達なのにっ 冷たいんだよっ ヒクッ!」
―― いつ!? 一体いつお前と友達になった(っちか)!!?
クリフェイドとノクスの心の声が一つになった瞬間だった。
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