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第1章 月森ヶ丘自由学園
どうせ、死にはしませんよ
しおりを挟む「――幸村君。僕は敵と見なした者は容赦なく叩き潰します。それはもう徹底的に。彼らは学園長の下っ端。ならば、僕の敵です。
この僕に学園長の名誉の為だけに学級委員長だけでなく、風紀委員長まで押し付けたんですよ?これはもう宣戦布告でしょう…?」
眼鏡のブリッジを指先で軽く押し上げる岬、その口調からは苛立っているのがわかる…
(委員長……マジで、怖っっ!!!て、敵と見なすとか!!徹底的に潰すとかっ!!うちの会長よりも、えげつないやんけ)
幸村は裏生徒会の会長と比べ、岬の方が遥かに危険人物だと把握する。
「…けど、マジで死人が出てたらどうするんだ?」
光も前に乗り出し、岬に聞く…
「あんな爆発じゃぁ、死人なんて出ませんよ。火薬の量もそれなりに調節してありますし…。まぁ、見た感じは酷いですが、酷くて…手足が吹っ飛ばされているか、もしくは、やけどの程度。
死にはしませんよ。……それにそう簡単に死なせる気はありませんよ?彼らには…たっぷりと苦痛を…
生きているのが苦痛に感じるほどの生き地獄、死の恐怖というものを味わってもらわなければ…」
そう言う岬は楽しそうに笑う
常日頃、無表情の岬。誰も岬の笑うところを見たことがないことから、岬に感情があるのか…
そんな岬の笑うところを見た奴は勇者だとか、密かに囁かれている学園ではちょっと噂になっていたりする…。
そんな話が囁かれているなど、勿論、岬は知らない。
――そして、その噂を知っている結城、幸村、山谷兄弟は…
(ゆ、勇者!!?だ、誰や?!そんな恐ろしいことを言い出した奴は!!)
(あ、あれが笑った!!?一瞬だったが間違いないっ!!つか、こんな状況で笑うとか… ひ、人としてどうなんだ…)
(アイツ今、笑った!!?学園じゃあ、密かにロボットなんじゃないかと言われているあの、霧島が!!?
しかも、笑うところ……ズレてない?!)
(……いや、もう‥ここまで来ると凄いとしか言いようがねぇな、いろんな意味で)
など、岬の笑うところを見たにも関わらず、いや、この場合、見てしまった!!が正しいが‥。そんな場面に遭遇したにも関わらず、彼ら三人にとってそれはかなり複雑で思うように喜べなかった…。
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