聖女だったのはお城で召喚された彼女ではなく、前世の記憶を取り戻した嫌われ王女の私だったようです。

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嫌われ王女に転生しました!

休戦協定

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あのあと、なんとか適当な理由をつけてマーサに部屋から出て行ってもらった。

「……さて、と。先ずここはお互い休戦といかない?」

『は?なぜ、私が貴様如きに…!』

出した提案に憤慨するもふもふ悪魔に私も眉を上げる


「あら、私だってあなたと協力なんて不服よ?でも、この状況下だと、そう言わざるを得ないでしょ」

帰りたくないなら話は別だけど。と付け足せばもふもふ悪魔は溜め息を吐いて渋々頷いた。

(くっ!しかたない…!)

『……いいだろう。貴様と協力など屈辱以外なにもないがな!』

それよりも、この軟弱な姿をどうにかしろと言ってくるもふもふ悪魔に私は困惑する

「そう、言われても…ね、正直、私にも何がなんだかさっぱりで」

お手上げだと手をあげて肩を竦めると、フラフラと崩れ落ちるもふもふ悪魔。

『な゙、な、な…ッ!俺にこんなダサい姿で一生いろ、と…!?そもそも貴様が変な見栄を張って適当な術を放つからこんなことに…』

「ぅ゙っ!わ、悪かったわよ!」

思わず言葉が詰まる。その点に限っては言い返すことができないもの。

「ダサくないわ。それに戻らないとは限らないでしょ?それに、可愛いじゃない。私的には小動物の今の姿のほうが…あ、」

本人が気にしているだろうそこを言葉にしてしまった手前、慌てて口を閉じるも、もふもふ悪魔はガクッと項垂れていて、少し申し訳なく思う

「だって、仕方ないじゃない!本当になんでこうなったのか。私にもわからないんだもの。」

「だから、もふもふ悪魔も…『やめろ』

暫く項垂れていたもふもふ悪魔はハァ、と小さく溜め息ついた。

『その、もふもふ悪魔呼ばわりはやめろ。沽券こけんに触る… 我が名はダンタリオン。地獄の公爵と呼ばれた悪魔だ』

もふもふ悪魔もといダンタリオンはそう言って不服げに渋々口を… 否、嘴を開く。

『おい!聞いてるのか』

「聞いてる聞いてる」

鳥が喋べってるのって違和感しかないわねー…なんてことを考えてたら何かを察知したのかダンタリオンが半眼の眼差しで睨みつけてくる。

(そんな可愛い顔で睨まれても、ね…)

怖さ、半減よ。

『……貴様に教えておいてやる。俺は人間の心を読み取り、他人の思考を教え、召喚者の望む場所に幻覚を送り込むことができる!』

目がパッチリと驚きで大きく開く

「えっ じゃあちょっと待ってよ!私の思考も…」

『さっきから俺を侮辱することばかり言いおって!怖さ半減で悪かったな!!』

フンッとそっぽ向くダンタリオンに、ほらやっぱり可愛いじゃないと思ったけど、さらに睨まれそうなので敢えて考えないようにする。…ってちょっと待って。

「それってつまり… 私の思考があなたにダダ漏れってこと?」

(プライバシーの侵害よね?)

ふぅ、と小さく息を吐いて短めに呪を唱える

『は!?ちょっと待て。へっぽこ術師!!貴様、下手なくせに、また俺に妙な術を掛けようとしているのか!?』

パァッと光の輪がダンタリオンを上から下へと潜ると空気に溶け込むようにして消えた

「少し制限を掛けさせてもらっただけよ。ちょっと失敗しただけじゃない。まったく酷い言われようね…。心がいつでも読み取れるっていうのが困るのよ。プライバシーもなにもないわ。だから、必要なときに意思伝達出来るようにしたのよ、お互いにね」

『………失敗は』

してないだろうな?と言ってくるダンタリオンに眉を寄せる

「失礼ね!たまーに、うっかりミスったりするけど、そのときは術の反動で対象物が木っ端微塵になってるから… あなたが生きてるってことは成功したんじゃないかしら?」

『は!?ちょっと待て。俺は今、さりげに命の危険に晒されたのか!?』

な、なんてお恐ろしい女だ!と恐れ慄くダンタリオンに静かに溜め息つく。私だって、それなりに巫女をやってるもの。そうそう失敗なんてしないわよ。……五月蝿くなるからこれ以上言わないけど。

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