ざまぁ!をされるつもりが… こんな展開、聞いてないっ

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- 謎多き執事の秘密ごと -

『執事の慈しむ眼差しと戸惑う僕の気持ち』

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『……ふぅ、埒があかないのでこの件は次回に回すとして、話を戻しましょう。ソフィアお嬢様の正式な婚約者は王太子殿下ではありませんよ』


「・・・は!?」

え、え… ぇ゙ッ!?


「ちょ、ま…っ!?え、どういうこと!?」

そう驚かずにはいられない。なにせ、そこまで衝撃的だったのだ。レオンの口から明かされる事実が。これで驚かずにいられる人間がいたら是非とも教えてもらいたいくらいだ。

『…まさか、とは思っていましたが本当に何も聞いていないのですね』

そう言うと、レオンは小さく溜め息を零して僕を真剣な表情で見つめた。

『まず、私どもがこちらへ派遣されたのは貴方の姉君でいらっしゃるソフィアお嬢様のサポートの為だけではありません』


・・・え!?

「ど、どういうこと…!」

『それも一つの理由ですが。もう一つの理由は… 貴方ですよ、アラン様』


ぼ、僕が…?

目をぱちくりさせ、パチパチと瞬きを繰り返す。けれど、僕を見つめるレオンの真剣な表情に嘘偽りがないのは僕でも見てわかる。


『……アラン様、貴方の属性は氷でしょう?』

「あ、」

そうだ!うっかりしていた。

『どうやら、思い出して頂けたようでよかったですよ。……でなければ、あなたは私の授業で一体、何を聞いていたのかと問いたださなくてはいけませんでしたからね』


眼鏡のブリッジを指先で軽く押し上げるレオンはそう言うとそのレンズの奥の瞳をスッと細める。
───にこやかに。この上なく爽やかで、かつ、悪魔のように綺麗な微笑みを浮かべて。凄みを見せるレオンに僕の表情もひくりと引き攣る。

「……氷属性の人間はその桁違いな魔力と指で数えられるほど数少ない存在。それに加え、感情の昂りでその膨大な魔力を暴走させてしまう危険性から国の保護の対象となる。即ち、王族の庇護下に置かれるということ──。」


つい、先日。ほんっとについ最近、僕の家庭教師をも担っているレオンから授業で受けたばかりだけど、確かそんなことを言っていた気がする…。

レオンの表情を見れば僕の答えは間違いではないはずなんだけど、

『んー… 惜しいですね。間違ってはありませんが、少し抜けていますよ。───ふぅ、仕方ありませんね。忘れているアラン様にもう一度お教えしますよ』


「ぅ、はい…」

申し訳なさげに頭垂れると、小さく息を吐いたレオンが優しく僕の頭をぽんぽん叩く。

「え……っ?」

『素直に反省するのは良いことです。そこは貴方の美点と言えるでしょう。…ただ素直すぎるのも、些か心配ですが。貴方はもう少し我が儘になるべきかと』


フッと口角をつり上げるレオンに僕は一瞬なにを言われているのかわからなかった。
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