84 / 117
- 王国の陰りと忌まわしき魔女の呪い -
『繰り返される惨劇と - 後悔 - 』
しおりを挟む
「…………」
『幾度と転生し、生まれ変わる度に… ルティは傷つき、絶望し、同じ死の道を歩んだ。二度目は神殿で。三度目は奴らに追い詰められて…。』
『それでもあの子は自我を持って、いつも同じ言葉を口にする。現に、三度目のあの子は…
《何度生まれ変わろうとこの意思は変わらない。前の記憶を思い出す度に自ら幾度と命を絶つまでだ》と、言った。絶望と憎しみを込めて。あらゆる万物に、この世界の全てを呪った。』
「…………」
『ジキルドでは… あの子を守れない。魔女の呪いを受けた今のジキルドなら、寧ろ最悪を引き起こし兼ねない』
本当はジークも薄々気付いてるんでしょ?そう問いかけるバクにジークは小さく頷く。
「そうだな、確かに今のあいつでは最悪を引き起こし兼ねないかもしれない。だが、それはジキルドの奴が人間だったならの話だ。アイツは… ドラゴンだ。人型よりもドラゴンの本体のほうが呪いの影響は受けにくい。」
『……この国の守護精霊のキミが言うならそれは間違いではないんだろうけどね、闇の精霊王ジークォン』
だけど、それでも僕はやっぱり寛容できない、と口にするバクにジークから溜め息が零れる。
「お前の頑固さは相変わらずだな」
『煩いな。それこそ余計なお世話だよ!
…それよりも、今回はイレギュラーだけに前回とは違う。今までならルティ達が辿る道は把握してたけれど今回はイレギュラーからそれぞれが違う道を歩んでいる。そしてそれは… 同時に誰がどんな行動を取るのか僕らにはわからないということ。あの子が何処でどんな死のルートを辿るのかもわからない。
だけど、
僕はもうあの子を死なせたくない』
それは… キミも同じでしょ?ジークォン。
そう問うバクにジークも、『ああ、そうだな』と答える。
『だけど、現状は思っていたよりも酷くて…。何よりも僕らは本来の力を失っている。でも、それでも!微力ながらあの子に寄り添うことはできる… そうだろ?ジークォン』
敢えて、ジークと呼ばず、本来の精霊王の真名で問うのはその真意を確かめるが為。そのバクの意を汲むジークは敢えて指摘しない。
「そしてそれは… この世界の… この星の意思でもある。イレギュラーの件も現状を考えればこの世界の意思かもしれない。終わり無きこの負のループを終える為に、その終焉に向けて… 始まりとなるルティを呼び寄せたのかもしれない」
あくまで推測にすぎないが、と顎に手を添えていたジークは顔を上げて言った。
『僕があのとき影を追ってルティがいた前の世界に行ったのも、ルティがトラックというものに轢かれそうになったのも。
僕らが居合わせたのは偶然ではなく全てが必然だったとしたら───…。』
バクの言葉にジークは表情を曇らせる。
「ああ、本当に… この先のことは検討もつかないな。ジキルドが呪いを受けた件も前回までなかったことだ。それ故にジキルドの身に起きたことに気付くのが遅れてしまったわけだが」
2人の憂いがいっそう濃くなる───。
「……アレが目覚めるのはもはや時間の問題だ」
『! それって…』
唐突に口に出したジークにいち早くバクが反応する。その表情は強張っていて、目には剣呑さが帯びていた。
『幾度と転生し、生まれ変わる度に… ルティは傷つき、絶望し、同じ死の道を歩んだ。二度目は神殿で。三度目は奴らに追い詰められて…。』
『それでもあの子は自我を持って、いつも同じ言葉を口にする。現に、三度目のあの子は…
《何度生まれ変わろうとこの意思は変わらない。前の記憶を思い出す度に自ら幾度と命を絶つまでだ》と、言った。絶望と憎しみを込めて。あらゆる万物に、この世界の全てを呪った。』
「…………」
『ジキルドでは… あの子を守れない。魔女の呪いを受けた今のジキルドなら、寧ろ最悪を引き起こし兼ねない』
本当はジークも薄々気付いてるんでしょ?そう問いかけるバクにジークは小さく頷く。
「そうだな、確かに今のあいつでは最悪を引き起こし兼ねないかもしれない。だが、それはジキルドの奴が人間だったならの話だ。アイツは… ドラゴンだ。人型よりもドラゴンの本体のほうが呪いの影響は受けにくい。」
『……この国の守護精霊のキミが言うならそれは間違いではないんだろうけどね、闇の精霊王ジークォン』
だけど、それでも僕はやっぱり寛容できない、と口にするバクにジークから溜め息が零れる。
「お前の頑固さは相変わらずだな」
『煩いな。それこそ余計なお世話だよ!
…それよりも、今回はイレギュラーだけに前回とは違う。今までならルティ達が辿る道は把握してたけれど今回はイレギュラーからそれぞれが違う道を歩んでいる。そしてそれは… 同時に誰がどんな行動を取るのか僕らにはわからないということ。あの子が何処でどんな死のルートを辿るのかもわからない。
だけど、
僕はもうあの子を死なせたくない』
それは… キミも同じでしょ?ジークォン。
そう問うバクにジークも、『ああ、そうだな』と答える。
『だけど、現状は思っていたよりも酷くて…。何よりも僕らは本来の力を失っている。でも、それでも!微力ながらあの子に寄り添うことはできる… そうだろ?ジークォン』
敢えて、ジークと呼ばず、本来の精霊王の真名で問うのはその真意を確かめるが為。そのバクの意を汲むジークは敢えて指摘しない。
「そしてそれは… この世界の… この星の意思でもある。イレギュラーの件も現状を考えればこの世界の意思かもしれない。終わり無きこの負のループを終える為に、その終焉に向けて… 始まりとなるルティを呼び寄せたのかもしれない」
あくまで推測にすぎないが、と顎に手を添えていたジークは顔を上げて言った。
『僕があのとき影を追ってルティがいた前の世界に行ったのも、ルティがトラックというものに轢かれそうになったのも。
僕らが居合わせたのは偶然ではなく全てが必然だったとしたら───…。』
バクの言葉にジークは表情を曇らせる。
「ああ、本当に… この先のことは検討もつかないな。ジキルドが呪いを受けた件も前回までなかったことだ。それ故にジキルドの身に起きたことに気付くのが遅れてしまったわけだが」
2人の憂いがいっそう濃くなる───。
「……アレが目覚めるのはもはや時間の問題だ」
『! それって…』
唐突に口に出したジークにいち早くバクが反応する。その表情は強張っていて、目には剣呑さが帯びていた。
22
あなたにおすすめの小説
普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている
迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。
読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)
魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。
ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。
それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。
それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。
勘弁してほしい。
僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新!
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
王道学園のモブ
四季織
BL
王道学園に転生した俺が出会ったのは、寡黙書記の先輩だった。
私立白鳳学園。山の上のこの学園は、政財界、文化界を担う子息達が通う超名門校で、特に、有名なのは生徒会だった。
そう、俺、小坂威(おさかたける)は王道学園BLゲームの世界に転生してしまったんだ。もちろんゲームに登場しない、名前も見た目も平凡なモブとして。
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
悪役令息の兄って需要ありますか?
焦げたせんべい
BL
今をときめく悪役による逆転劇、ザマァやらエトセトラ。
その悪役に歳の離れた兄がいても、気が強くなければ豆電球すら光らない。
これは物語の終盤にチラッと出てくる、折衷案を出す兄の話である。
BLゲームの展開を無視した結果、悪役令息は主人公に溺愛される。
佐倉海斗
BL
この世界が前世の世界で存在したBLゲームに酷似していることをレイド・アクロイドだけが知っている。レイドは主人公の恋を邪魔する敵役であり、通称悪役令息と呼ばれていた。そして破滅する運命にある。……運命のとおりに生きるつもりはなく、主人公や主人公の恋人候補を避けて学園生活を生き抜き、無事に卒業を迎えた。これで、自由な日々が手に入ると思っていたのに。突然、主人公に告白をされてしまう。
実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…
彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜??
ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。
みんなから嫌われるはずの悪役。
そ・れ・な・の・に…
どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?!
もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣)
そんなオレの物語が今始まる___。
ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる