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- 王国の陰りと忌まわしき魔女の呪い -
『繰り返される惨劇と - 後悔 - 』
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「…………」
『幾度と転生し、生まれ変わる度に… ルティは傷つき、絶望し、同じ死の道を歩んだ。二度目は神殿で。三度目は奴らに追い詰められて…。』
『それでもあの子は自我を持って、いつも同じ言葉を口にする。現に、三度目のあの子は…
《何度生まれ変わろうとこの意思は変わらない。前の記憶を思い出す度に自ら幾度と命を絶つまでだ》と、言った。絶望と憎しみを込めて。あらゆる万物に、この世界の全てを呪った。』
「…………」
『ジキルドでは… あの子を守れない。魔女の呪いを受けた今のジキルドなら、寧ろ最悪を引き起こし兼ねない』
本当はジークも薄々気付いてるんでしょ?そう問いかけるバクにジークは小さく頷く。
「そうだな、確かに今のあいつでは最悪を引き起こし兼ねないかもしれない。だが、それはジキルドの奴が人間だったならの話だ。アイツは… ドラゴンだ。人型よりもドラゴンの本体のほうが呪いの影響は受けにくい。」
『……この国の守護精霊のキミが言うならそれは間違いではないんだろうけどね、闇の精霊王ジークォン』
だけど、それでも僕はやっぱり寛容できない、と口にするバクにジークから溜め息が零れる。
「お前の頑固さは相変わらずだな」
『煩いな。それこそ余計なお世話だよ!
…それよりも、今回はイレギュラーだけに前回とは違う。今までならルティ達が辿る道は把握してたけれど今回はイレギュラーからそれぞれが違う道を歩んでいる。そしてそれは… 同時に誰がどんな行動を取るのか僕らにはわからないということ。あの子が何処でどんな死のルートを辿るのかもわからない。
だけど、
僕はもうあの子を死なせたくない』
それは… キミも同じでしょ?ジークォン。
そう問うバクにジークも、『ああ、そうだな』と答える。
『だけど、現状は思っていたよりも酷くて…。何よりも僕らは本来の力を失っている。でも、それでも!微力ながらあの子に寄り添うことはできる… そうだろ?ジークォン』
敢えて、ジークと呼ばず、本来の精霊王の真名で問うのはその真意を確かめるが為。そのバクの意を汲むジークは敢えて指摘しない。
「そしてそれは… この世界の… この星の意思でもある。イレギュラーの件も現状を考えればこの世界の意思かもしれない。終わり無きこの負のループを終える為に、その終焉に向けて… 始まりとなるルティを呼び寄せたのかもしれない」
あくまで推測にすぎないが、と顎に手を添えていたジークは顔を上げて言った。
『僕があのとき影を追ってルティがいた前の世界に行ったのも、ルティがトラックというものに轢かれそうになったのも。
僕らが居合わせたのは偶然ではなく全てが必然だったとしたら───…。』
バクの言葉にジークは表情を曇らせる。
「ああ、本当に… この先のことは検討もつかないな。ジキルドが呪いを受けた件も前回までなかったことだ。それ故にジキルドの身に起きたことに気付くのが遅れてしまったわけだが」
2人の憂いがいっそう濃くなる───。
「……アレが目覚めるのはもはや時間の問題だ」
『! それって…』
唐突に口に出したジークにいち早くバクが反応する。その表情は強張っていて、目には剣呑さが帯びていた。
『幾度と転生し、生まれ変わる度に… ルティは傷つき、絶望し、同じ死の道を歩んだ。二度目は神殿で。三度目は奴らに追い詰められて…。』
『それでもあの子は自我を持って、いつも同じ言葉を口にする。現に、三度目のあの子は…
《何度生まれ変わろうとこの意思は変わらない。前の記憶を思い出す度に自ら幾度と命を絶つまでだ》と、言った。絶望と憎しみを込めて。あらゆる万物に、この世界の全てを呪った。』
「…………」
『ジキルドでは… あの子を守れない。魔女の呪いを受けた今のジキルドなら、寧ろ最悪を引き起こし兼ねない』
本当はジークも薄々気付いてるんでしょ?そう問いかけるバクにジークは小さく頷く。
「そうだな、確かに今のあいつでは最悪を引き起こし兼ねないかもしれない。だが、それはジキルドの奴が人間だったならの話だ。アイツは… ドラゴンだ。人型よりもドラゴンの本体のほうが呪いの影響は受けにくい。」
『……この国の守護精霊のキミが言うならそれは間違いではないんだろうけどね、闇の精霊王ジークォン』
だけど、それでも僕はやっぱり寛容できない、と口にするバクにジークから溜め息が零れる。
「お前の頑固さは相変わらずだな」
『煩いな。それこそ余計なお世話だよ!
…それよりも、今回はイレギュラーだけに前回とは違う。今までならルティ達が辿る道は把握してたけれど今回はイレギュラーからそれぞれが違う道を歩んでいる。そしてそれは… 同時に誰がどんな行動を取るのか僕らにはわからないということ。あの子が何処でどんな死のルートを辿るのかもわからない。
だけど、
僕はもうあの子を死なせたくない』
それは… キミも同じでしょ?ジークォン。
そう問うバクにジークも、『ああ、そうだな』と答える。
『だけど、現状は思っていたよりも酷くて…。何よりも僕らは本来の力を失っている。でも、それでも!微力ながらあの子に寄り添うことはできる… そうだろ?ジークォン』
敢えて、ジークと呼ばず、本来の精霊王の真名で問うのはその真意を確かめるが為。そのバクの意を汲むジークは敢えて指摘しない。
「そしてそれは… この世界の… この星の意思でもある。イレギュラーの件も現状を考えればこの世界の意思かもしれない。終わり無きこの負のループを終える為に、その終焉に向けて… 始まりとなるルティを呼び寄せたのかもしれない」
あくまで推測にすぎないが、と顎に手を添えていたジークは顔を上げて言った。
『僕があのとき影を追ってルティがいた前の世界に行ったのも、ルティがトラックというものに轢かれそうになったのも。
僕らが居合わせたのは偶然ではなく全てが必然だったとしたら───…。』
バクの言葉にジークは表情を曇らせる。
「ああ、本当に… この先のことは検討もつかないな。ジキルドが呪いを受けた件も前回までなかったことだ。それ故にジキルドの身に起きたことに気付くのが遅れてしまったわけだが」
2人の憂いがいっそう濃くなる───。
「……アレが目覚めるのはもはや時間の問題だ」
『! それって…』
唐突に口に出したジークにいち早くバクが反応する。その表情は強張っていて、目には剣呑さが帯びていた。
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