リトル君の魔法学園生活

鬼灯

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21_会長

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会長side

「んぅ…あ"?」

硬い床の感覚に不快感を覚えながら俺は目を覚ました。いつの間にか寝てたようだ。布団がかけてある。おそらく、平凡がかけたのだ。ただでさえベットで寝てなくて最悪な朝なのに目の前には昨晩散々頭を悩まされた平凡がアホずらで気持ちよさそうに寝ていた。

結局、昨日ワルツだけそこそこ見れるようにはなったが、これからのことを考えると頭がいたい。幸い、運動神経はまぁまぁ良いみたいだが…。

予想外だ。この魔法学校で少数のダンスが踊れない奴が召喚されるなんて。ここは伝統あることで有名だから、嗜みとして踊れる奴が多い。

「クソッ…テンマにはぜってーなんか言われるし、こいつは手強いし散々だ。まぁ、キャーキャー言われないだけはマシか」

俺はこいつに布団をかけて、しぶしぶ起き上がった。


------------------



「ん…」

俺は美味しそうな匂いで目が覚めた。眠たい目を擦りながら起き上がるとエプロンをつけた会長がいた。

「かいちょ…?」


「やっと起きたか。お前、一回帰って着替えて来い。朝飯は用意してやる」

「ん…」

すぐに動けない。ボーっとする。眠たい…。

「おい、微睡むな」

「はい…スー…」

「はぁ」

眠い。座った状態のまま微睡む。というか意識が半分ないぞ…。あ、会長が近づく音がする。

「おい」

ユサユサと体を揺らす会長。はっきり言ってやめてほしいぞ…。

ガシッ

とりあえず、俺は会長に抱きつく会長も座ってたから胸のあたりだ。温かい…。このまま寝れそうだ…。

「おいって!俺様に抱きつくんじゃねぇ!」

「会長…一緒に寝ましょ?」

「…ッ」

会長の胸でもう一度眠りにつこうと頭をグリグリとしたところで温もりは突然無くなった。


ゴツンッ!


「いって!」

俺はおでこと床をごっつんこしたところで目を覚ました。

「お前…」

俺、今何してた…?会長に抱きついてなかったか?いやいやそんな恐れ多いことしてねぇよな。



いや、これはしてるよ確実に。だって会長の顔が変だもん。いつもの見下したような顔じゃないもの。

「かかかかかかか会長!すいませんでした!」


とりあえず、謝ろう!土下座で謝ろう!

「はぁ…もう良い。早く、着替えて来い」

ぽんッ

「/////」

クソッ、イケメンめ。


「あの、戻るのって…」

「来た時と一緒だ」

俺は魔力玉に魔力を込める。すると浮遊感を感じ、目を開けると自分の部屋だった。

「便利だな、コレ」

ぜひ、学校とも繋げたい。まぁ、俺にそんな技術はないがな。

「喉乾いたな…」

俺はリビングに行く。すると、ヒルエがもういた。

「おはよう」

ぎゅー

俺は水を入れているヒルエを後ろから抱きしめる。イケメンに触れ合いすぎたから、平凡で補充。

「はよ。珍しいな。お前がこんなに早く起きるなんて。今日は雨か?てか、離れろ」

「うるせぇ。俺にも色々あんだよ。そして、俺の体は平凡と水を求めてんだ。俺にも水ちょうだい」

「ほらよ。お前に色々あんのは当たり前だろ。トラブルメーカーなんだから。そのうち、舞踏会のお相手に選ばれるぜ。練習しとけよ」

鋭い奴め…。

「ありがとう。そんなことあるわけないだろう。じゃあ、俺はもう一寝入りするから!」

ボロ出す前に一刻も早く立ち去ろう。

「結局お昼までお眠りパターンだな」

「良いんだよ!休みだから」

むしろ、そうだったら良いのに。俺は部屋に入るとため息をついた。本当だったら、ヒルエの言う通り、昼まで寝てから、ゲームって予定だったのに。

そう考えると、ますます落ち込んできた。さらば、俺のゲーム。俺はしぶしぶ着替えて、再び魔力玉で先輩の部屋に戻った。


「早かったじゃねぇか」

「会長を待たせるなんて滅相もありませんから」

「わかってんじゃねぇか。ちょうどできたから早く座って食べろ」

会長に言われて、テーブルを見ると白飯、みそ汁、鮭の焼き魚、卵焼き、ほうれん草のおひたし、東の国の完璧な朝食が用意してあった。

「すげぇ!会長、料理上手いんですね!」

全然できないのかと思った。

「当たり前だろ。俺様にできないことはねぇ」

「そうみたいですね。いただきまーす!」

パクッ

「美味い…!しかも、会長の手作りというレア感ヤバい!」

「当然」

マジ、ホテルみたいな味がする。俺のと大違いだ…。

「もしかして、これって魔法で…?」

「まぁな」

火属性は魔法で料理できるから羨ましい…

「俺も火属性が良かった…」

「はっ、平凡が文句言うんじゃねぇよ。光属性は結構憧れの的だろうよ」

「だから、嫌なんです」

みんな光属性を羨んでる目で俺を見てる気がしてならない。だから、俺は…。


「まぁ、お前には光属性がお似合いだ」

「っ!そう言われたのは3回目です」


嬉しいな。そう言われると、俺は光属性で良かったと思える。

「んだよ、その緩んだ顔」

「え?」

「チッ、さっさと食っちまえ!俺様が喝を入れてやる」

「それは勘弁してください…」


俺は食べるスピードを落とした。会長と目を合わせないように…。
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