リトル君の魔法学園生活

鬼灯

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86_告白

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暗い部屋に5人の人物が着席している。目の前には皿、誰かを待っている様子だった。


「待たせたね」

シルクハットを被った紳士が突然現れる。顔は仮面で見えない。

「待ちくたびれたよ、メシア。お腹空いたぁ」

幼い少女は口を尖らせ拗ねたような口ぶりで言った。ツインテールにした髪が揺れる。

「こら、敬語を使いなさい。申し訳ありませんメシア。教育が行き届いておらず…」

燕尾服に身を包んだ優男がメシアと呼ばれた仮面の男に謝罪する。


「寝ているこいつも起こした方がいいんじゃね?」

寝ている少年を指差して厳ついスキンヘッドの青年は言った。

「起こしてください。メシアの前です」

「はいよー」


バシッ


スキンヘッドの青年は寝ている少年の頭を叩き、起こす。


「なんですか、もう、あ、メシア…」

とぼけた声で寝ていた少年は言った。少しあどけない顔立ちの少年だ。


「ラビのことは悲しいねぇ…アビスは良く戻って来てくれた」

メシアが口を開くと皆、悲しい顔をした。

「アビスはお茶してただけ…役に立てなかった」

「そんなことないよ」

メシアはアビスの頭を撫でる。

「ラビッてば強いメンバー連れていったのに失敗しちゃうんだもん…」

「良いんだよ、彼は彼なりに利益を出してくれたから」

「これからどうなさるおつもりで?」

「様子見だね。あの子が闇を集めたら、私たちの出番さ。それまでは私の方であの子の世話をするよ」

「つまんないね」

少年はあくびをする。

「待ちきれねぇなー」

「メシアの言うことは絶対です。手を出さないように」

「分かってるつうの」

スキンヘッドは酒を飲み干す。

「お腹空いたーーー!」

少女は声を大きくして叫ぶ。

「では、食事にしよう。これから始まる楽しい楽しいパレードを祝して…」




ーーーーーー乾杯


















##########





俺は目が覚めると、部屋にいた。きっとフィルさんが運んでくれたんだろう。俺はリビングに出る。そこにはヒルエ、ギル、セルトがいた。


「聞いたんだろ、フィルに。共鳴のこと」

「うん、皆知ってたの?」

「知ってたのはヒルエだけだよ、僕たちは何もできなかった…」

「すまない、リトル」

頭を下げるギルとセルトに俺は焦る。


「いや、謝るのは俺の方だよ。巻き込んじゃってごめん…。しばらく俺とは離れていて欲しい…」

「なんで!!僕じゃ頼りないから!?」

セルトがが大きな声を出したため、俺は不意に目をそらしてしまった。こう言うところが俺の弱いところだ。

「ち、違うよ!セルトもギルも強いのは知ってる。だけど、怪我して欲しくないんだよ…」

「リトルのばか!リトルの側から離れて、リトルがどこかに行ってしまったら、僕はどれだけ後悔すれば良いの!?そんなの嫌だ!お願いだから…側に居させて…リトルが好きなんだ…大好きなんだよ!」

「え!?」

今どさくさに紛れて変な言葉が聞こえた。俺は顔が赤くなるのを感じる。

「冗談じゃないよ。返事は全て終わってからで良いから、でも、お願い、離れて欲しいなんて2度と言わないで…」

「ごめん…」

俺はセルトの頭を撫でる。こんなに辛そうな顔を見るのは俺も辛い。ヒルエがセルトに飲み物を渡し、ソファに座らせた。すると、ギルから話しかけられた。

「セルトに抜け駆けされてしまったな…。リトル、お前が闇属性の俺を受け入れてくれたこと、本当に嬉しいんだ。俺にもお前を守らせてくれ。お前は俺の全てだから」

「ごめん…ありがとう。2人ともお願い。死なないでね」

「俺たちが強いことはリトルも知っているんだろ」

ギルが優しく笑う。
こんなにも俺は人に恵まれている。

「俺は一回部屋に帰るよ、今日は泊まっても良いか?」

「僕も泊まる!」

「もちろん、大丈夫だ!」


ギルとセルトは一旦部屋を後にした。


セルト達が居なくなった後、俺はヒルエに抱きついた。

「平凡落ち着く…」

イケメンが苦手だ。平凡の力は偉大だよ。

「俺には言わないのか?離れて欲しいって」

「ごめん…ヒルエには無理だ。幼い頃から一緒なんだぜ、フィルさんとリムさんとヒルエだけは離れて欲しくない…みんなが居なくなったらきっと俺は駄目になってしまう」

ヒルエは俺の背に手を回し、俺を抱えてソファまで移動すると、ソファに座る。向き合うような形になる。

「わがままだな。まぁ、それで良いんだろうよ。お前は俺たちの手を離すな。何があっても」

「分かってる」

額をお互いにくっつけ目を閉じる。幼い頃は不安になると良くこうしてもらっていた。

「どうなっちゃうのかな、俺…」

「は、バカは何も考えんな。考えるのは俺がする」

「ヒルエは頭良いもんね。甘えちゃおうかな」

「お前…セルトとギルに告白されただろ」

「なっ///ギルは違うだろ」

赤くなる俺を面白そうにヒルエは見ている。

「これからはそっちの方が大変だぜ、3からアプローチされるんだからな。お前はそっちを考えろ」

「いや、そっちの方が難題なんじゃないか…」



ヒルエは俺の額から離れると、俺のおでこにキスを落とした。俺はビックリして額を押さえる。

「な、な、」

「おまじないだよ、フィルだったらこうするだろ」

「柄じゃない!」

「うるせぇ、犯すぞ」

「そう、そっちだよヒルエは!」

「マジで犯すぞ…」

「俺、ココアとコーヒー入れよう…」

俺は頬が緩むのが分かった。こう言う何気ない会話はすごく落ち着くな…。
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