リトル君の魔法学園生活

鬼灯

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51_出会い

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あっという間に夏休みが終わりが近づき、とうとう明日が始業式だ。夏休みの間、嫌という程魔法の練習をしたが成功することはなかった。フィルさんからは学校が始まっても毎日魔法の練習をするように言われた。

「セルトー、俺はつくづく自分に魔力があることが不思議だよ」

隣に座るセルトは困ったように微笑む。あ、ちなみにセルトは昨日学園に戻ってきた。少し痩せた気がする。本人に言わせれば、引き締まったらしい。

「リトルなら大丈夫だよ」

はんなりと微笑んだ。

「無理だ。俺は逃亡する」

そういって俺はフラフラと部屋を出ていこうとする。

ガシッ

「ダメだよ?」

そういうとセルトは俺を後ろから抱きしめた。

「リトル不足で死んでしまいそうだったんだよ」

「離せ//イケメンに抱きしめられるのは屈辱だ//」

俺が振りほどこうとすれば、セルトはさらに力を込める。痛くはないがここまで力の差があると悲しくなる。

「俺は外へ行くんだー!」

必死に前に行こうとするが、いっこうに前に進まない。俺は諦めた。っと思わせて、セルトの方に振り向いて抱きついて、押す。

ドテンッ

「どうだ!」

セルトの上に跨り、見下ろす。

「リトル…」

セルトは顔を真っ赤にして顔を背ける。観念したようだ。

「んじゃ、行ってくるな」

フリーズしているセルトの上から除き、俺は扉を勢い良く開けて、外に出た。


「ブフォ」

外へ出たのは良いが、俺は廊下にいた人にぶつかった。尻餅をつく。

「痛い…」

「君、大丈夫?」

「すいません…」

俺は差し出された手を掴んで起き上がる。打ったお尻をさすりつつ相手の顔を見た瞬間俺はパッと手を離した。

「イケメンがいっぱいる…」

俺に手を差し出した王子様系のイケメンを始め、俺がぶつかった脱力系イケメン、その隣で「まぁまぁ」となだめているお兄さん系イケメン、不機嫌そうに舌打ちをした強面系イケメン、マスコットのように可愛くて小さいショタ系イケメン、なんかクネクネして「あんたたちうるさいのよ」と角を生やしているオネェ系イケメン、最後に見下したように俺を見ているいかにも自信家なイケメン。7人もいる。寮長、説明プリーズ。

「大丈夫かな?怪我はないようだけど…」

「あ、はい」

お兄さん系イケメンは服から出ている肌を見ている。なんか恥ずかしい…。

「そんなもんで怪我したらひ弱すぎるだろ」

強面系さん、怖いです。

「そんな言い方しちゃダメですよ!」

ショタくん!つかかっちゃだめ!

「だいたい、いきなり飛び出してきたんだ。自業自得だ」

自信家くん、それはごもっともだけど、そもそもおれの部屋の扉の前にいたのも悪いと思うぞ。

「まぁまぁ、良いじゃないの。お互い怪我がないんだから」

「そうだよ。落ち着こう」

オネェさん意外にまともだ!王子様もナイス。

「…ごめん」

「いえ、こちらこそ」

無表情だけど、常識あるな。

「怪我がないようだし、僕たちは行くね」

そう言ってイケメンたちは去って行った。息苦しかった。イケメンに囲まれるって地獄だ。

「チッ、余計な奴らが来やがった」

「同感だよ」

ヒルエとセルトは怖い顔をして呟いた。

「2人ともどうしたんだ…?」

「おい、トラブルメーカー。あいつらだけには関わるなよ。めんどくさいから」

「関わらないさ!あんなイケメンに」

「リトルはなぜかそう言って関わるんだよ?自覚して!」

自覚も何も本当に関わりたくない。

「なんかよく分かんないけど、俺はイケメンが滅べばいいと思ってる」

俺の返答に2人は目を合わせて、ため息をついた。

「なんだよ。2人して」

「…気をつけてくれ」

「お願いだから」

真剣な様子の2人に俺はうなづくことしかできなかった。あいつらは一体何者なんだ…?
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