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止まった時間が動き出した。言わなきゃ。村田に。今朝まで、僕の頭の中を占領していたジョン。今は村田のことで頭がいっぱいで、ジョンには申し訳ないような気もする。
ようやく気づいた。目の前の大切なものに。村田は恋愛対象じゃないけれど、この関係を壊したくはない。やっと前を向くことができた。そのきっかけを作ってくれたのが村田だ。
「……あれ?」
礼を言おうと口を開いたその時、言葉では言い表せないような違和感を感じた。
外は雨が降り始めたはずだった。なのに、店内はしんと静まり返っている。
それにしては静か過ぎた。僕の中の時間は動き出したのに、実際の時間、つまりはこの空間の時間は止まってしまった、そんな気がする。
「むら、た?」
こんなことってあるのだろうか。周りの情景がストップモーションのようにぴたりと止まり、目の前の男はぴくりともしない。
村田はグラスに口をつける瞬間の口を尖らせた、なんとも言えない間抜けな顔で固まっている。バーテンダーの高橋くんのほうを見遣ると、シェイカーを高く振り上げて目を閉じた瞬間で停止していた。
今夜も村田以外に客はいなかった。それにしても静か過ぎると思えば。なんとも異常な状態なのに、なぜだか不思議と落ち着いていた。辺りはうっすらと靄が掛かり、あの町を思い起こさせる。
だからだろうか。何か予感めいたものもあったんだと思う。それでも、
「はははっ。中途半端な瞬間に止めちゃったなあ」
懐かしいその声を聞いた瞬間、僕の心臓は一瞬、停まったような気がした。
「ジョ、ン?」
「ジュン。久しぶり」
こんなことってあるのだろうか。ファンタジーな漫画やアニメじゃあるまいし。
あまりにもな展開に言葉を失った。目の前にいるのはあんなにも会いたかったジョンで、あの頃のまま、しかも中学校の学ランを着ている。
立ち込めた薄靄が晴れてくると、眩しい陽射しに目が眩んだ。ふと気づけば目の前にフェンス、その向こうには海が見える。
こんな不思議なことってあるのだろうか。僕らは僕らが通った中学校の屋上にいた。
気づけば僕も学ランを着ていて、おそらくは、僕もあの頃の自分に戻っているんだろう。急いで自分を確認したら手や足、その他のパーツが今より少し小さいような気がする。
ようやく気づいた。目の前の大切なものに。村田は恋愛対象じゃないけれど、この関係を壊したくはない。やっと前を向くことができた。そのきっかけを作ってくれたのが村田だ。
「……あれ?」
礼を言おうと口を開いたその時、言葉では言い表せないような違和感を感じた。
外は雨が降り始めたはずだった。なのに、店内はしんと静まり返っている。
それにしては静か過ぎた。僕の中の時間は動き出したのに、実際の時間、つまりはこの空間の時間は止まってしまった、そんな気がする。
「むら、た?」
こんなことってあるのだろうか。周りの情景がストップモーションのようにぴたりと止まり、目の前の男はぴくりともしない。
村田はグラスに口をつける瞬間の口を尖らせた、なんとも言えない間抜けな顔で固まっている。バーテンダーの高橋くんのほうを見遣ると、シェイカーを高く振り上げて目を閉じた瞬間で停止していた。
今夜も村田以外に客はいなかった。それにしても静か過ぎると思えば。なんとも異常な状態なのに、なぜだか不思議と落ち着いていた。辺りはうっすらと靄が掛かり、あの町を思い起こさせる。
だからだろうか。何か予感めいたものもあったんだと思う。それでも、
「はははっ。中途半端な瞬間に止めちゃったなあ」
懐かしいその声を聞いた瞬間、僕の心臓は一瞬、停まったような気がした。
「ジョ、ン?」
「ジュン。久しぶり」
こんなことってあるのだろうか。ファンタジーな漫画やアニメじゃあるまいし。
あまりにもな展開に言葉を失った。目の前にいるのはあんなにも会いたかったジョンで、あの頃のまま、しかも中学校の学ランを着ている。
立ち込めた薄靄が晴れてくると、眩しい陽射しに目が眩んだ。ふと気づけば目の前にフェンス、その向こうには海が見える。
こんな不思議なことってあるのだろうか。僕らは僕らが通った中学校の屋上にいた。
気づけば僕も学ランを着ていて、おそらくは、僕もあの頃の自分に戻っているんだろう。急いで自分を確認したら手や足、その他のパーツが今より少し小さいような気がする。
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